税理士ドットコム - [相続税]「軽度」な認知症の相続人が含まれる場合、税務署が「遺産分割協議書の無効」を主張する事はありますか? - 法定相続人および二次相続の際の法定相続人の関係...
  1. 税理士ドットコム
  2. 相続税
  3. 「軽度」な認知症の相続人が含まれる場合、税務署が「遺産分割協議書の無効」を主張する事はありますか?

「軽度」な認知症の相続人が含まれる場合、税務署が「遺産分割協議書の無効」を主張する事はありますか?

<状況(質問の前提)>
①父が死亡し、相続人は母と子供。78歳母は軽度認知症(要介護1、自宅住まい)
 ⇒普段から介護ケアプラン等、母が契約内容を理解し、母が署名する事は可能
 (第三者が母と会話しても、母が認知症とは気づかれにくい軽度認知症レベル)
②精神手帳は無いが、直近3年は市発行「障害者控除対象者認定書(基準12/31)」有
③「障害者控除」単体で相続税は0円にならないが、配偶者控除を使えば0円見込

<質問したいこと>
相続税申告の添付として、「障害者控除対象者認定書」を税務署に提出すると思いますが、「一般障害者(軽度・中度の知的障害者に準ずる)」と記載されています。
この文面より税務署には、認知症の相続人が含まれている事がバレてしまいますが、税務署が「遺産分割協議書の無効」を主張し、配偶者控除を否認(遺産分割が成立せず、未分割状態を主張)する可能性はありますか?

※認知症でも遺産分割協議に参加・理解・署名できるレベルがあれば、有効だと考えております(その遺産分割も、主に預貯金と居住マンションを分けるだけの内容)。
一方ある税理士HPでは「運転免許と同じく、認知症と診断されれば、遺産分割協議は無効(成年後見が必須)」との記載があり、実際に市の税理士との無料相談でも後ろ向きな回答を受けました(認知症がいる相続は正直受けたくないという回答)。

⇒かかりつけの認知症専門医から診断書(認知症で一定の衰えはあるが、一定の意思能力は有していると書かれた診断書)を貰って税務署に提出すれば、遺産分割の無効を主張されるリスクは軽減しますか?

税理士の回答

法定相続人および二次相続の際の法定相続人の関係者の中で、異議を言い出さなければ、問題なく分割完了のまま進むケースとして回答すると、わざわざ協議書自体を無効とはしてこないと考えられます。
もちろん分割内容とは違う虚偽の分割協議書のケースなどの他のダメなケースは除きます。
貴殿のケースは、たとえ無効とされても結局は代理人を付けて分割したとしても、答えは決まっているような出来レースだとしたら、否認しても再度協議成立させて元の計算に戻ることが想定されます。意味がない否認は可能性が低いと考えられます。
参考として、このケースで問題になるパターンのひとつとして、法定相続人の配偶者(母)に連れ子があり、夫と養子縁組をしていない場合は、今回の相続で相続分通りの財産を確保しておかなければ、母の相続では、財産がないまま相続を迎えることになります。それでは後になって無効を訴えるパターンになり、申告でも配偶者控除適用の疑義も発生します。
配偶者(夫)の連れ子が母と養子縁組していないパターンは、今回、母の財産を多く取得させたくない思考になるケースもあります。
回答は以上とします。

坪井先生。ご回答ありがとうございます(ベストアンサーを選択させて頂きます)。
相続人の間は大変良好で、今回の遺産分割案は揉めておりません(連れ子も無し)。
母も遺産分割案は理解済です。ただ軽度ながらも認知症という診断が出ているのは事実であり(障害者控除対象者認定書にて「軽度・中度の知的障害者に準ずる」の記載があり、税務署にバレる)ことから、このたび質問しました。

なお大変申し訳ございませんが、以下2点、追加で質問させて下さい
(追加質問は、坪井先生にご迷惑おかけするので、これで最後に致します)

★たとえ税額0円でも、税務署から指摘を受けて成年後見人は付けたくないので、税務署がどう捉えているかの質問です。
(元国税調査官として、税理士として、差し支えない範囲での一般的回答で構いません)

<1>
一般障害者(認知症の軽度・中度)が相続人に含まれている事実をもって、税務署は「遺産分割協議の無効」を主張する権限を有していますか?
⇒特別障害者(重度・寝たきり)を除き、又は相続人内の裁判で無効判決が出た場合を除き、
 税務署が「遺産分割協議の無効を主張する事例」を見聞き・経験されたことはありますか?

<2>
医師の診断書(例えば「認知症で一定の衰えは認められるが、一定の意思能力は保持」と書かれた診断書)を相続税申告書に添付することは、意味がありますか?
それとも税金計算のエビデンスとは無関係(あくまで遺産分割協議書の有効性を主張した資料)なので、変に税務署側を混乱させるだけなので、診断書は付けない方が良いでしょうか?

権利関係の無効等については、貴殿が弁護士等に依頼してください。
課税における配偶者控除不正適用等における虚偽の遺産分割協議書作成等は、事実に基づいた課税になるという事です。
エビデンス添付については、意思能力が発揮できるときに協議書作成を行っていることについての主張として添付するでしょうから、有効と考えられます。

坪井先生。ご回答ありがとうございます
①遺産分割協議書の権利関係は、弁護士領域(遺産分割協議がもし無効なら税務署はその事実で課税)
②医師の診断書を相続税申告時に添付することは、プラスに働く(協議書の有効性を示す一助になる)
ということで理解しました。
当方も不正を働くつもりは一切なく、ただ「認知症=皆、意思表示なし」という社会的誤解もある中で、どのように対峙すれば良いか不安で質問させて頂きました。このたびはありがとうございました!

本投稿は、2025年07月19日 10時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

この税務相談の書き込まれているキーワード

この相談に近い税務相談

相続税に関する相談一覧

分野

人気のエリアの税理士事務所

相続税に関する他のハウツー記事を見る

みんなの税務相談

税理士の無料紹介サービス

プロが税理士を無料でご紹介いたします

  • 相談無料
  • 全国対応
  • 24時間受付
税理士紹介サービスの詳細はこちら
累計 相談数
158,277
直近30日 相談数
694
直近30日 税理士回答数
1,278