競走馬の税務上の扱いなどについて
個人事業主(免税事業者)です。
(地方)馬主になる、また競走馬を購入した場合の税務などについて、
初歩的な質問もあり恐縮ですが、
ご確認いただけますと幸いです。
1.競走馬は減価償却の対象になるが、金額に応じて調整対象固定資産や特定高額資産に該当するか。あるいは、鑑賞・興行用ではないためそもそも該当しないか。
また該当する場合、その金額は購入時点だけではなく、減価償却がはじまる2歳以降の競走馬登録までの預託費用等も含めるか。(減価償却の金額は、それまでの預託費用などを含める認識)
2.調整対象固定資産であった場合に、購入の翌年にインボイス含め課税事業者登録をした際に、簡易課税制度を申請・適用可能か。(馬主になった際にインボイス番号の提供を求められるとのことで、課税事業者への変更を想定している)
以上、何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答
整理してご回答いたします。
1. 競走馬の減価償却と「調整対象固定資産」「特定高額資産」該当性
・減価償却資産であること
競走馬は事業の用に供する資産として、耐用年数(通常4年)で減価償却が可能です。
・調整対象固定資産/特定高額資産の判定
消費税法上の定義に従えば、課税仕入れで取得する100万円以上の資産は「調整対象固定資産」、1,000万円以上は「特定高額資産」に該当します。鑑賞用・娯楽用ではなく事業に供する(賞金獲得を目的とする)競走馬もこの枠組みで判定されますので、金額に応じて該当し得ます。
・取得価額の範囲
取得価額には「購入代金+使用可能になるまでの付随費用」を含みます。
→ 競走馬の場合、デビュー(競走馬登録)までに支払った預託料・調教費なども含めて取得価額に算入します。
→ 登録後の預託料は維持管理費用であり、必要経費として処理します。
結論: 購入費用+デビューまでの預託料を合算した金額が100万円以上なら調整対象固定資産、1,000万円以上なら特定高額資産となります。
2. 課税事業者登録と簡易課税制度の適用可否
・課税事業者選択届出書」を提出した場合
→ この場合、調整対象固定資産を取得した課税期間から3年間は簡易課税の選択ができません(いわゆる「3年縛り」)。
・「適格請求書発行事業者の登録申請書(いわゆるインボイス登録申請)」」を提出した場合
→ 「課税事業者選択届出書」を提出したことにはならないため、3年縛りの制限はかかりません。
→ よって、課税事業者となった翌課税期間から「簡易課税制度選択届出書」を提出すれば、簡易課税制度の適用が可能です。
まとめ
①競走馬は減価償却資産に該当し、購入費+デビューまでの預託料を含めて取得価額を計算します。
→ 100万円以上で調整対象固定資産、1,000万円以上で特定高額資産に該当。
②課税事業者になる方法によって簡易課税の可否が異なります。
・課税事業者選択届出書で登録した場合 → 3年縛りあり。
・インボイス登録申請書で登録した場合 → 3年縛りなし、翌課税期間から簡易課税を選択可能。
ご丁寧にご回答いただき、ありがとうございます。
こちらの理解、説明不足でお手数をお掛けしました。
確認したい内容、項目を、わかりやすくまとめていただけたので、大変助かりました。
本投稿は、2025年09月03日 13時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。