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退職金受取り12年後に確定拠出年金一括受取りの場合の税額計算

確定拠出年金一括受取りの際の税金についての相談です。
運用機関に相談すると「税務署に相談してください」
税務署に相談すると「運用機関に相談してください」
との反応で、私の計算が正しいのかをご教示ください。

【経歴】
・1982年入社、企業年金基金加入
・その後、確定拠出年金加入
・2015年に34年勤務後、早期退職
・2015年退職時受取額
 - 退職金:3,960,000円
 - 早期退職上乗せ:22,920,000円
 - 企業年金基金脱退一時金:14,286,200円
 合計:41,166,200円
・2015年退職時の退職所得控除額:17,800,000円
【その後】
・系列会社に再雇用
・確定拠出年金への新規拠出は無く運用指図者として継続
・2026年12月退職予定
・2027年に確定拠出年金約23,000,000円を一時金受取予定
【確認したい点】
1. 確定拠出年金の退職所得控除は、通算加入者等期間(約44年)で計算するのですか
2. 運用指図者期間(掛金拠出なし)は通算加入期間に含まれますか
3. 2015年に適用済みの退職所得控除額との差額計算になりますか
4. 以下のどちらの控除額計算が適用されますか
① 再雇用後12年のみ
勤務年数20年以下 400,000円×12年=4,800,000円
② 通算加入期間ベース
金額ベース 20年超の部分8,000,000円+700,000円×(45年‐20年)=25,500,000円
既に使用した退職金控除額17,800,000円
25,500,000円-17,800,000円=7,700,000円
【質問】
この場合の課税額は、
所得税:(23,000,000円-7,700,000円)×1/2=7,650,000円
      7,650,000円×23%=1,759,500円
      1,759,500円-636,000円=1,123,500円
復興税:1,123,500円×2.1%=23,594円
住民税:7,650,000円×10%=765,000円
で正しいでしょうか。

税理士の回答

結論から申し上げますと、ご提示の①および②の計算式はいずれも適用されず、今回の確定拠出年金(DC)一時金受取における退職所得控除額は「0円」となる可能性が極めて高いかと存じます。

運用機関等で明確な回答が得られなかったのは、本件が「運用指図者期間の扱い」と「前年以前19年以内の退職金との重複調整(19年ルール)」が複合する複雑な事案であるためと推察されます。
以下ご質問について回答させて頂きます。

【ご確認点への回答】
1. 控除計算の期間について
通算加入者等期間(約44年)ではなく、「実際に掛金を拠出していた加入者期間」のみで計算します。
2. 運用指図者期間の扱い
掛金拠出のない運用指図者期間は、受給資格期間には算入されますが、「退職所得控除の勤続年数」には含まれません(所得税法施行令第69条)。
したがって、DC(確定拠出年金)の勤続年数は「1982年〜2015年の34年」となります。
3. 過去の控除額との差額計算か
はい、その通りです。
DCを一時金で受け取る際、前年以前19年以内に他の退職金を受給している場合、重複期間の控除額が差し引かれます。2015年と2027年では間隔が12年のため調整対象となります。
4. 適用される控除額計算
①、②とも適用されません。
今回のDCの勤続年数(34年)と、前回の退職金の勤続年数(34年)が完全に重複しているためです。
・今回DCの控除額(34年分)=17,800,000円
・重複期間の控除額(34年分)=17,800,000円
差引計算により、適用される退職所得控除額は「0円」となります。

【正しい課税額の計算】
控除額が0円となるため、一時金の全額が計算ベースとなります。(*概算税額です)
課税退職所得金額:(23,000,000円-0円)×1/2=11,500,000円
所得税: 11,500,000円×33%-1,536,000円=2,259,000円
復興特別所得税: 2,259,000円×2.1%=47,439円
住民税: 11,500,000円×10%=1,150,000円
合計税額:3,456,439円

【今後の対策・留意点】
このように多額の税負担が発生する場合に、この税負担を回避する有効な手段として、一時金ではなく「年金形式(分割受取)」への変更が挙げられるかと存じます。
年金形式であれば「退職所得」ではなく「雑所得(公的年金等控除の対象)」となるため、退職所得の重複調整ルールを完全に回避できます。
ただし、将来の公的年金や再雇用先での給与等と合算して税金や社会保険料が計算されるため、この場合には、今後の収入見込み等を踏まえ、どちらが有利になるかシミュレーションを行うことをお勧めいたします。

以上となります。
今回の一連のお取引のご参考になりましたら幸いです。

・2015年退職時受取額
・2015年退職時の退職所得控除額:17,800,000円


2015年に退職金受け取り時に退職所得控除を利用されており、かつ確定拠出年金の加入期間が先の退職金対象期間と重複しているため、先に退職金を受け取った日以降19年以内に受け取る退職金(確定拠出年金含む)については控除の対象となる年数が調整されます。

退職金は一般的に生涯に1度でかつ老後の資金となるため、退職所得控除の規定があります。
複数回受け取る場合は調整が入ります。

事業をされていない個人の所得税の申告はご自身で行われることが多いため、直接税務署の窓口で相談をされることをお勧めします。

本投稿は、2026年05月06日 18時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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