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日額表 丙欄の適用について

日雇いの方を1繁忙期にそれぞれ1か月ずつ雇用する予定です。
日額表・丙欄を適用するつもりですが、国税庁のホームページを見ると以下のようなことが書かれております。

(1) 雇用契約の期間があらかじめ定められている場合には、2か月以内であること。
(2) 日々雇い入れている場合には、継続して2か月を超えて支払をしないこと。

繁忙期に定期的に日雇いの方を雇用する予定なのですが、仮に8月・10月・12月と隔月で雇用した場合、12月は3か月目なので甲欄もしくは乙欄の適用になるということなのでしょうか。
法第185条の185-9に記載されている「その支払者のもとにおけるその者の1月を通じた就業の状態がその支払者に専ら雇用されている者と同等程度である場合には、これらの事情によりその支払者に雇用されない日を含む期間を通じその支払者から継続して給与等の支払を受けるものとする。」
とあるので、常勤者と同程度の給与でなければ、12月も丙欄適用が可能な気がします。

丙欄適用の可否について教えてください。
宜しくお願い致します。

税理士の回答

所得税法施行令第309条では、「日払の給与」の意義として、「日日雇い入れられる者が支払を受ける給与等」とし、毎日雇用されることを要件としており、それが結果として継続する場合は「継続して二月をこえて支払を受ける場合におけるその二月をこえて支払を受けるものを除く」としています。
更に、所得税法基本通達185-8(2)によって、あらかじめ定められた雇用期間が2か月以内である場合に限って厳密にいえば「日々雇い入れられる者の給与」ではないが、「日々雇い入れられる者」と同様に取り扱うことを認めることとしています。

ここに、「日々雇用される」のが要件であることから、常勤者とは異なった取扱いであるはずです。そこで、所得税法基本通達185-9では「就業の状態が同程度」と言っているのであり、「給料の金額が同程度」とは言っているのではありません。
これはどういうことかというと、雇用されない日が作業の都合等の理由であって日雇い労働者の病気以外の都合でないとか、給料の支給形態が月払いであるとか、の場合は常用者とは変わらない状態であることを意味しています。つまり、日雇い労働者とは、その日ごとに雇用している形態でなければならないのであるから、常勤者と同じ就業状況にはならないということを言っています。
その結果、8月が常勤者と同じ就業状態であれば、10月だけではなく9月も含めて継続していることとなると言っています。185-9の「これらの事情によりその支払者により雇用されない日を含む期間を通じその支払者から継続して給与等の支払を受けるものとする」という規定からこのような判断になります。

誤解している人が多いのですが、日雇いである以上賃金は毎日支払うことが原則です。3日分とか、5日分とかの支払は例外として認められているの過ぎません。したがって、1か月分をまとめて常用者と同じ給料日支払っているのであれば、基本的に「日々雇い入れられるもの(日雇い労働者)」とはなりません(所得税法基本通達185-8(2)を適用する場合は除く)。

このように考えると、8月分の就業状態が常用者の就業状態と変わりはないのであれば9月までが2か月の限度となり、さらに、最初から8月・10月・12月と決まっているのであれば、雇用期間は5か月となるため、185-8(2)の「雇用期間があらかじめ定められた期間が2か月以内の者」には該当しなこととなり、最初から「丙欄」は適用できないこととなります。

詳細にご返信頂きまして有難うございます。

最初から8月・10月・12月と決まっているのであれば、雇用期間は5か月となるため、

とご回答いただいているのですが、突発的に雇用する場合は丙欄適用が可能なのでしょうか。

8月単月での契約で、その後10月が予想以上に忙しくなり、再度同じ方を単月契約で雇用したといったケースです。同様に12月も単月で契約した・・・といった具合になるとどうなるのでしょうか。

おそらく給料は月払である(日払ではない)と想定されるため、185-8(2)の「雇用期間があらかじめ定められた期間が2か月以内」の取り扱いになると思われます。

就業状況は常勤者とあまり変わらないと思われますので、「雇用されない日」という考え方は、作業の都合など支払者の都合ではなく、雇用者の都合であることが要件となります。ということは、8月に働く雇用者が8月しか仕事がないと思える状態が必要であって、10月・12月にも雇用されるという期待がないことが求められると考えられます。
日払である日雇い賃金ではなく、通常のアルバイト給料であれば、結果的に8月・10月・12月と雇用した場合に、現実問題として、これを単月契約だったと客観的に判断することは難しいというのが実感です。

元々「丙欄」は日雇い労働者のための課税方法です。
実際問題、「丙欄」で課税しようと「乙欄」で課税しようと、確定申告すれば雇用者の税金は結果的には変わりません。
そのため、最初は「丙欄」課税で始めても問題ないと思われますが、再度雇用した場合に「丙欄」でいいのか疑問が生じたのであれば、無理に「丙欄」とするための理由を探すのではなく、「甲欄」「乙欄」で課税する方が事務的に楽だと考えます。

丁寧に回答して頂きありがとうございました。考え方が整理できました。

本投稿は、2022年09月06日 09時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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