法人と個人の使用貸借契約書について
法人成りをしたのですが、現在は社長個人名義の車輛を法人が使用しています。
作業用の車輛なのでプライベートでは使用していません。
使用貸借契約書を作成しておいた方が良いと思うのですが、賃借料は発生させて
いませんが、ガソリン代や車検代、自動車税等の維持管理に必要な費用の実質負担
は法人で負担しています。
ここで、自動車保険も個人名義のままなのですが、保険料も法人負担にしたいと
思っています。これは可能でしょうか?
ネットで検索していると貸主が保険料を負担しているケースが多いように感じます。
個人名義なので勿論そうなのですが法人負担とした場合、個人は経済的利益の
供与を受けたとみなされ個人に対して所得税は課せられるのでしょうか?
使用貸借の内容が意外とややこしくて苦戦しております。
法人税と所得税の両方を検討しないといけないとは思うのですが、
ご回答宜しくお願いします。
税理士の回答

石割由紀人
法人が個人名義の車両について自動車保険料を負担することは可能ですが、重要な税務上の考慮が必要です。具体的には、以下のような点があります:
1. 法人負担が可能か
- 法人が個人名義の車両にかかる費用を負担すること自体は可能です。ただし、その場合は車両の使用目的が事業に限定され、法人でその経費を正当な理由として計上できる状況に限られます。
2. 経済的利益と所得税の関係
- 法人が負担する自動車保険料は、個人にとっての経済的利益と見なされる可能性があります。これは、個人が本来負担すべき費用を法人が肩代わりすることで、その分の利益を享受するからです。したがって、税務当局がこの金額を個人所得と認識する場合、個人に所得税が課せられる可能性があります。
3. 適切な契約および記録の必要性
- 使用貸借契約書をしっかりと作成し、法人と個人の間での負担関係を明確にしておくことが重要です。この契約書には、負担する費用に関する詳細な取り決めを含めておくべきです。
4. 法人税の影響
- 法人がこうした費用を経費として計上するには、法人の業務に直結するもの(業務用の車両であり、事業に必要不可欠であること)が求められます。また、その証明としての記録(領収書や契約書)が必要です。
ご回答ありがとうございます。
1については事業用の作業車であり、プライベートで使用しないものなので問題ないかと
思われます。
2は1の事を踏まえても個人の所得税として見なされるのでしょうか?
保険については車両保険もありますし車検時の自賠責保険もあります。
3、4について明確に証明できるようにしておく
1~4を踏まえていても個人の所得税は発生してしまいそうでしょうか?

石割由紀人
法人が個人名義の車両の保険料を負担する場合、以下の点について注意が必要です:
1. 法人の経費としての取扱い
法人が個人名義の車両にかかる保険料や維持管理費用を負担すること自体は、法人の業務として使用する車両に対してであれば可能です。車両が事業用であり、プライベートに使用しないことが証明されれば、法人がこれらを経費として計上することは通常認められます。
2. 個人への経済的利益
法人が、個人名義の支出を肩代わりすることで、個人は本来負担するはずの費用が軽減されるため、これは個人に対する経済的利益とみなされる可能性があります。この場合、法人が負担した金額について個人の所得とされ、所得税の課税対象となることがあります。
3. 所得税への影響
経済的利益が発生した場合、個人に所得税が課されるかについては、具体的な状況に応じた判断となります。法人が負担する保険料が経済的利益と判定されたときには、その金額が個人の所得とされ、課税されることが考えられます。
適切な記録の保持と契約書の明確化が重要です。特に法人が費用を負担する目的が事業用であることを明確にし、プライベートの使用を証明しないようにする必要があります。税務についての詳細な判断は、具体的な状況に応じて異なるため、専門家への相談をお勧めします。
本投稿は、2024年10月04日 10時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。