事前確定届出給与について
お世話になっております。
10月決算の法人で10月20日に事前確定届出給与の支給があるのですが、資金繰りの問題で支給できない可能性があります。
この場合、
①事前確定届出給与を支払わないことは可能でしょうか。
もし厳しかった場合、
②減額して支給することも可能でしょうか。
リスク等も含めご教示のほど、よろしくお願いいたします。
税理士の回答

三浦昂陽
「事前確定届出給与(役員賞与)」については、事前に提出した「事前確定届出給与に関する届出書」のとおりに、金額・支給日を守って支給することが損金算入の要件になっています。
支払わなかった場合および減額して支給した場合は、いずれも損金計上は認められません。
また、上記要件を満たした場合のみ損金計上が認められているため未払計上して後日支給とった方法も認められません。

三嶋政美
事前確定届出給与については、届出どおりの金額を、届出どおりの支給日に支給することが損金算入の条件とされています。したがって、①支給自体を行わなかった場合、その年度は全額が損金不算入となり、法人税負担が増加する結果となります。また、②減額して支給した場合も同様に「届出どおりでない」と判断され、やはり損金不算入となる取扱いが原則です。税務上は非常に厳格に運用される制度であり、資金繰りの問題が予見される場合は、事前に届出金額を抑えることが唯一の対応策となります。支給できない場合は、損金不算入リスクを受け入れるほかありません。

青山隆志
①事前確定届出給与を支払わないことは可能でしょうか。
可能ですが、Ⅰ.支給対象者から賞与の支給を辞退した旨の届出書を提出してもらい、Ⅱ.取締役会や株主総会で「今回の賞与は支給しない」と決議し、Ⅲ.Ⅱの内容を議事録に残し保管しておく必要があります。
②減額して支給することも可能でしょうか。
事前確定届出給与は「支給対象者」「支給日」「支給金額」が届出の通りに行われて初めて損金算入が認められる制度となっています。そのため本来の支給金額より少ない額を支給した場合、その全額が損金算入の対象外となります。
本投稿は、2025年10月03日 14時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。