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福利厚生で節税!17の制度と注意すべきポイントを解説

福利厚生制度は上手に活用することで、企業に対する社員の満足度を向上させることができるだけでなく、節税効果も期待できます。

しかし、ただ導入するだけでは福利厚生制度のメリットを享受できません。ケースによって福利厚生費として認められる要件があるからです。そこで、福利厚生制度の具体例やその要件などについて詳しく解説します。

目次

福利厚生制度とは

福利厚生制度は、企業が社員に対して支給する給与以外の手当やサポートのことをいいます。

この制度は、法律で定められている「法定福利厚生」と企業が独自に定めている「法定外福利厚生」の大きく2つに分類されます。

「法定福利厚生」は、法律により事業主が一部を負担することを義務付けられている社会保険料のことで、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、労働保険料などがあてはまります。

対して、「法定外福利厚生」は企業が任意で提供するもので、住宅手当、家賃補助、社員旅行などがあてはまります。この福利厚生は法律で定められているものではありません。

なぜ節税対策になるのか

福利厚生費は、損金として処理することができます。基本的には、交際費のように損金算入できる金額に上限は設けられていません。そこで福利厚生費を上手に活用することで、法人税額を節税できる可能性があるのです。

また、福利厚生の提供の方法によっては社員の所得税が非課税になる場合があるので、企業と社員の双方にとって嬉しい制度になります。

福利厚生費として認められる条件

福利厚生費として損金算入が認められるには、下記の条件を満たす必要があります。

1 平等な金額

会社が負担した費用は、全社員が平等に受け取られなければなりません。特定の社員のみを対象にするなどで平等に機会が与えられない場合は、その社員に対する給与とみなされ、所得税の課税対象となってしまう可能性があります。

2 妥当な金額

福利厚生費は、法律によって上限金額が定められているわけではありません。しかし、あまりにも常識の範囲を超えた金額の場合には、損金算入できないこともあります。

上記の他にも、福利厚生費として認められるには各費用ごとに細かい要件を満たす必要があります。

福利厚生費として認められる具体例

温泉の社員旅行

福利厚生の導入で節税のメリットを得るためには、企業で制度のルールしっかりと定めることが重要です。規程に不足があると福利厚生として認められなくなってしまうため、以下を参考に制度を整えましょう。

アウトソーシングサービスへの加入

福利厚生制度は近年、企業にとって欠かせないものとなっています。そんな中で、より社員の満足度を向上させるため、福利厚生の運用などを担うアウトソーシングサービスの活用も注目されています。

福利厚生のアウトソーシングサービスは、企業独自の福利厚生制度よりも種類が豊富で内容が充実しているだけではなく、運用コストが削減できるというメリットもあります。

そのようなアウトソーシングサービスに対して支払う会費などは、全額福利厚生費として認められます。

新年会・忘年会などの飲食費

社員の決起を促したり交流を深める目的で新年会や忘年会などを企業は多いでしょう。そのときの飲食費は、以下の要件を満たすことで福利厚生費として認められます。

  • 全社員を対象に、おおむね一律であること
  • 社会通念上相当の金額であること

役員分のみを対象としたり、高額すぎる場合には福利厚生費と認められないので注意しましょう。

社員食堂・食事手当

社員食堂や食事手当は社員にとって満足度の高いサービスのひとつですが、費用を福利厚生費にするには以下の要件を満たす必要があります。

  • 食事を受ける社員等が食事代の半分以上を負担すること
  • 食事代から社員の負担額を差し引いた額が、3,500円(税抜)以下であること

ここでいう「食事代」は弁当代や社員食堂で食事を作るのにかかった費用を指し、現金での支給は認められていません。また、残業や宿日直を行う際の食事は上記規定にかかわらず、福利厚生費として全額認められます。

役員や社員の社宅

企業がマンションなどを社宅として借り上げたとき、その賃貸料を福利厚生費とするには賃貸料相当額の50%以上を社員から徴収しなければなりません。「賃貸料相当額」とは以下の1〜3の合計金額をいいます。

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)× 0.2%
  2. 12円 ×(建物の総床面積 ÷ 3.3m²)
  3. (その年度の敷地にかかる固定資産税の課税標準額)× 0.22%

なお、似たような住宅手当の制度で「家賃補助」がありますが、こちらは給与としてみなされるため福利厚生費にはなりません。

社内表彰・記念品の贈呈

著しい功績を上げた社員や長年勤労した社員に対し、特別賞与や記念品を贈呈する表彰制度はモチベーションアップが期待できます。また、会社の創立記念に記念品を贈呈する場合もあるでしょう。

そのような社内表彰、記念品の贈呈にかかる費用を福利厚生費にするためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 社会通念上記念品としてふさわしいものであること
    あまりに豪華すぎる記念品や高額すぎる現金は、記念品として認められません。豪華さにこだわらず、自社ロゴを入れるなどの工夫をすることで特別なものに感じられるでしょう。
  • 価額が1人あたり1万円(税抜)以下であること
  • 定期的・頻繁に行わないこと
    創業記念など一定期間ごとに訪れる行事の際に記念品を支給するような場合は、およそ5年以上の期間を空けてから支給しなければなりません。

社員販売・社員割引

自社の商品やサービスを値引きした価格で社員に提供したときには、以下の条件を満たすことでそれにかかった費用が福利厚生費として認められます。

  • 値引販売価額が仕入れ価格以上であり、かつ、通常販売の価額に比べて約70%未満にならないこと
  • 値引率が全社員一律、または、社員の地位や勤続年数等に応じて合理的な範囲内の格差で定めていること
  • 値引販売をする商品等の数量は、一般の消費者が通常消費すると認められる程度であること

研修旅行・社員旅行

研修旅行や社員旅行にかかる費用は、以下の要件を満たすことで福利厚生費として認められます。

  • 企業の負担額が少額であること
  • 旅行の内容が一般的であること
  • 旅行の期間が4泊5日であること(海外旅行の場合には、現地での滞在日数のみで判断)
  • 参加人数が全体の50%以上であること
  • 家族が同伴する場合は、その参加者が費用を負担すること

企業の負担額は法的に明確に定められていませんが、1人あたり10万円が目安とされています。また、一部の役員だけが参加したり、取引先の接待を目的とした旅行などは福利厚生費として認められません。

さらに、業務上の都合でやむなく不参加となった社員対し、旅行実費相当額の支給することは認められますが、自己都合による不参加の社員に対する支給は福利厚生費としては認められません。

部活動・サークル

部活動やサークル活動などのレクリエーションは社員間の交流を深めたり、モチベーションアップにつながります。その活動資金を会社が補助した場合、以下の要件を満たすことで福利厚生費として認められます。

  • 全社員が参加資格をもち、参加が自由であること
  • 補助金は本来の目的に利用され、かつ、明確であること
  • 支給される金額は社会通念上相当の金額であること

通勤手当(交通費)

通勤にかかる交通費を福利厚生とする場合、「電車やバスを利用する場合」と「自動車や自転車で通勤する場合」とで限度額が異なります。

電車やバスを利用している場合には1か月当たり15万円まで、自動車や自転車での通勤の場合は通勤距離に応じて非課税にできる金額が決められています。

ただし、「1か月当たりの合理的な運賃等の額」とされているため新幹線での通勤は原則認められますが、グリーン車利用時の運賃は合理的ではないため認められません。

出張手当

出張手当は、宿泊費や交通費以外で発生する諸経費に対して支給されますが、限度額は決められていないので、社会通念上相当の金額であれば問題ありません。

ただし「旅費規程」を作成し、出張手当に関して記載する必要があります。規定に則していない場合は、経費として計上できないので注意しましょう。

作業服・制服などの支給

社員に支給・貸与した作業服や制服の費用を福利厚生費にするには「社員の業務遂行上着用が必要である」場合に限られています。より詳細な要件として、以下のように定められています。

  • 勤務場所での職務のみで着用し、私的に着用できないものであること
  • 社員全員、または、一定の職務を行う社員(従業員など)を対象として支給すること
  • 作業服・制服を着用することで、社員であると明確に判別できるものであること
  • 現物で支給・貸与されること

健康診断・人間ドック

企業にとって社員の健康状態を保つ“健康経営”は、いまやある種の投資であると考えられています。そのため、健康診断や人間ドックを福利厚生の一環として導入しているケースも多いでしょう。

その際の費用を経費にするには以下の要件を満たしていなければなりません。

  • 全社員を対象にしていること
  • 健康診断を受けた全社員分の費用を会社が負担し、直接診療機関に支払うこと
  • 健康管理上必要とされる、常識の範囲内の費用であること

ただし、年齢とともに必要な診療内容が変わりますので、「40歳以上は人間ドックによる検診とする」といったような区分を設けることは認められています。

スポーツクラブやレジャー施設の会員

スポーツクラブでストレッチをする人

社員の健康づくりの一環として、スポーツクラブやレジャー施設に法人会員として加入する方法もあります。その費用を福利厚生費とするには、入会金と年会費とで要件が異なります。

入会金について

原則として、入会金は資産として計上するため福利厚生費にはなりません。

入会金は契約上、「退会などで契約が終了した場合でも返還されない」とする場合が多いでしょう。その場合は入会金支払いの際に長期前払費用として繰延資産に計上し、契約有効期間にわたって経費にしていきます。有効期限が設けられていない場合には資産のまま残りますが、退会時に損金として計上できます。

ただし20万円以内であれば、その全額を支払ったときに福利厚生費(または交際費など)として損金算入できます。

年会費について

年会費は以下の要件を満たしたときに福利厚生費として認められます。

  • 利用規定を作成すること
  • 全社員が対象であること
  • 利用する社員から一定の利用額を負担してもらうこと
  • 利用記録を作成すること

保養所や別荘利用

企業が保養所や別荘を借りて社員へ利用させる際、全社員を利用対象とすることで福利厚生費として認められます。ただし、保養所や別荘にかかる運営費、維持費などは福利厚生費以外の科目になることもあります。

社内の常備薬

社員の健康のための常備薬の購入費は福利厚生費になります。ただし、全社員が公平に利用できるものである必要があります。特定の人しか服用できないものは費用として計上できません。

結婚や出産などの慶弔見舞金

社員やその家族が結婚や出産をする際に支給される見舞金を「慶弔見舞金」といいます。支給する額の上限は法律上で決められていないので、社員の地位などに伴って常識の範囲内であれば、全額福利厚生費となります。

ただし、社内規定において慶弔見舞金についての項目を設け、その内容に即して支給しなければなりません。

育児・介護費用の補助

家族を養う社員のために、育児費用や介護費用の補助制度を設ける企業も近年増えています。

そのような費用を福利厚生費とする際は法律上、支払額や条件は定められていませんが、補助対象は全社員とする必要があります。

おわりに

福利厚生費が認められず、給与として課税されてしまった場合には、源泉徴収税や消費税の追納をしなければならないこともあります。また、役員報酬とみなされてしまった場合には、全額損金不算入となってしまいます。

福利厚生制度を導入する際にはキャッシュアウトが必要となり、資金繰りが悪化してしまう恐れもあります。節税効果を正しく見極めるためにも、福利厚生制度を導入する前に税理士に相談するとよいでしょう。

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