代表取締役が会社に仕事を依頼する場合
A社代表取締役が経営する個人事業のお店のコンサルを、A社に依頼する取引は、税務的に問題ありますか?
また、問題がない場合、コンサル料の設定で気を付ける点はありますか?
税理士の回答
結論から申し上げますと、A社代表取締役個人が営むお店(個人事業)とA社(法人)との間でコンサルティング契約を結ぶこと自体は、会社法上の適切な手続きを踏み、かつ業務の実態があれば税務上も直ちに問題となるわけではありません。
ただし、代表取締役と会社という「同族関係者間(関連当事者間)の取引」となるため、個人側の所得税を抑えるための利益操作(所得移転)を疑われやすく、税務調査では最も厳しくチェックされる取引の一つとなります。
税務上の注意点や、コンサル料設定時のポイントを整理いたしました。
【1. 税務上で問題視される主なリスク】
① 実態(役務提供)の欠如による必要経費の否認(所得税法37条)
A社が個人事業に対して実際にコンサルティング業務(ノウハウ提供、業務改善指導、レポート作成等)を行っていない場合、個人事業側の「必要経費」として認められず、税務調査で否認されます。
② 同族会社の行為計算の否認(所得税法157条)の適用
代表者個人が自ら支配する同族会社(A社)へ不自然に高額なコンサル料を支払うことで、個人の所得税負担を不当に減少させていると認定された場合、税務署の判断で取引の計算が引き直され(否認され)、追徴課税が課されるリスクがあります。
【2. コンサル料の設定および実務上の注意点】
取引の正当性を証明するために、以下の3点を徹底していただく必要があります。
① 適正な価格(第三者間取引と同等の相場)の設定
コンサル料の金額は、同種のコンサルティングの市場相場や、A社が他社へ提供しているサービスと同等の基準で決定する必要があります。個人事業側の利益を意図的にゼロにするような不自然な金額設定は避けてください。
② 業務遂行の実態(エビデンス)の厳格な保存
税務調査では「どのような業務を行ったか」の立証を求められます。以下の書類を必ず作成・保存してください。
(1)業務委託契約書(業務内容、期間、報酬額を明記)
(2)コンサルティングの成果物(市場分析レポート、店舗改善提案書、販売促進計画書など)
(3)業務遂行の記録(定期打ち合わせの議事録、指導実績の記録など)
③ 会社法上の手続き(利益相反取引の承認)
代表取締役個人と会社との取引は会社法上の「利益相反取引」に該当します。事前にA社の取締役会(取締役会非設置会社の場合は株主総会)で取引の承認を受け、その「議事録」を作成・保存しておくことが必須です。
【3. まとめ】
契約書の締結・承認議事録の作成・業務成果物の保存という3点が揃っており、かつ適正な金額設定であれば税務上問題ありません。第三者(税務署)に対して説明できる客観的な証拠を残した上で取引を行ってください。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
内容がお役に立ちましたら、ぜひベストアンサーに選んでいただけますと大変励みになります!
竹中公剛
A社代表取締役が経営する個人事業のお店のコンサルを、A社に依頼する取引は、税務的に問題ありますか?
問題がある。コンサルは会社に他のないでも、代表者ができるでしょう。
認められないと考える。
本投稿は、2026年09月11日 14時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






