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個人口座に入金された法人売上の処理と、個人事業の廃業日の決め方について

個人事業主(青色申告・免税事業者)が、10月に1人株式会社を設立しました。
登記申請は済んでおり、登記完了は11月上旬の見込みです。
個人事業の廃業届は未提出です。

法人の銀行口座は登記完了後に開設予定のため、10月分の取引先からの入金は、
代表者個人の(個人事業で使っている)口座になる見込みです。
契約・請求書は、法人名義に切り替える予定です。

1. 法人名義の請求書で、個人口座に入金された売上を、法人の売上として計上できますか。
仕訳(預け金など)と、残すべき証憑は何でしょうか。
実質所得者課税の観点で、注意すべき点があれば教えてください。

2. 個人事業の廃業日は、どのように決めればよいでしょうか。
(個人名義で請求する最後の業務日、法人の設立日の前日、など)
廃業届は、廃業日から1か月以内であれば、事後の提出でよいと理解していますが、
問題ありませんか。

3. 役員報酬を0円とする場合(社会保険の任意継続を続けるため)、
初年度の法人の所得が大きくなる見込みです。
法人税の負担を考えると、どのような方針が考えられるでしょうか。

税理士の回答

◆ 1. 法人名義の売上を個人口座で受け取る場合

法人に帰属する売上であれば、代表者個人の口座に入金された場合でも、法人の売上として計上できます。

ただし、実質所得者課税の観点から、請求書の名義だけでなく、契約上の権利義務、業務の提供時期、誰の責任と計算で行われた取引かなど、実態に基づいて判断することが重要です。

例えば、法人の売上100万円を代表者が一時的に受け取った場合、次のような仕訳が考えられます(消費税の区分は省略しています)。

【法人側】

売上計上時

(借)売掛金 100万円 /(貸)売上高 100万円

個人口座への入金時

(借)預け金 100万円 /(貸)売掛金 100万円

法人口座への送金時

(借)普通預金 100万円 /(貸)預け金 100万円

【個人側】

個人事業の帳簿で当該口座を管理している場合には、次の処理が考えられます。

入金時

(借)普通預金 100万円 /(貸)預り金 100万円

法人への送金時

(借)預り金 100万円 /(貸)普通預金 100万円

なお、預け金は一時的に法人の資金を預かる場合の処理です。代表者が私的に使用するなど、実態によっては役員貸付金等としての処理が必要になるため、速やかに精算することをおすすめします。

証憑としては、契約書、請求書、業務完了記録、個人口座への入金履歴、法人口座への送金記録などを保存してください。契約の切替日や、個人口座で代金を受領することについての取引先との合意も記録しておくとよいでしょう。

また、法人設立前に個人事業として成立した売上・売掛金は、設立後に入金された場合でも、原則として個人に帰属します。

消費税についても、個人と法人は別々に納税義務を判定するため、新設法人の免税要件やインボイス登録の有無をご確認ください。

◆ 2. 個人事業の廃業日について

廃業日は、実際に個人事業を終了した日を基準に判断します。

例えば、法人設立日の前日まで個人として事業を行い、設立日から法人として事業を開始したのであれば、設立日の前日を廃業日とすることが考えられます。

最後の請求書の発行日や入金日が、そのまま廃業日になるわけではありません。

なお、株式会社の設立日は、原則として法務局が設立登記申請を受け付けた日です。登記完了日とは異なるため、ご確認ください。

廃業届の提出期限は、2026年1月1日以後の廃業について、廃業した年分の所得税の確定申告期限までに変更されています。

そのため、2026年10月の廃業であれば、原則として2027年3月15日までに提出すれば問題ありません。

また、青色申告を取りやめる場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も必要です。提出期限は、取りやめようとする年分の確定申告期限までとなります。

2026年分を青色申告で申告する予定であれば、取りやめる年分の記載にご注意ください。

◆ 3. 役員報酬を0円とする場合の法人税対策

役員報酬を0円とすると、法人側では役員給与を損金算入できないため、その分、法人の利益が大きくなります。

対応としては、次のような方針が考えられます。

・役員報酬を支給する場合と0円の場合について、法人税、個人の所得税、社会保険料を含めた負担を比較する

・事業に必要な経費や減価償却費などを適切に計上する

・税引後の利益を法人に残し、今後の事業資金として活用する

・法人の青色申告の承認申請を行い、将来の欠損金の繰越控除などに備える

なお、内部留保自体に当期の法人税を軽減する効果はありません。

役員報酬を支給する場合は、原則として定期同額給与などの要件を満たす必要があります。設立初年度は、原則として設立後3か月以内を目安に支給方針を決め、決定後の変更や途中からの支給開始についても注意が必要です。

社会保険については、代表者1人で役員報酬が0円の場合、被保険者となる方がいないため、法人は原則として健康保険・厚生年金の適用事業所の要件を満たしません。

この場合、新たな健康保険の被保険者資格を取得せず、その他の資格喪失事由にも該当しなければ、従来の健康保険の任意継続を続けることが可能です。

ただし、任意継続には原則2年間の加入期間や保険料の納付要件があるため、加入先の保険者にもご確認ください。

また、任意継続は健康保険の制度です。厚生年金に加入しない場合、20歳以上60歳未満の方は、原則として国民年金第1号被保険者として加入する必要があります。

法人税の負担だけでなく、社会保険料や個人の所得税、今後の資金計画も含めて判断することをおすすめします。

1. 法人名義の請求書で、個人口座に入金された売上を、法人の売上として計上できますか。

名義は関係ない。個人が売ったか法人が売ったかです。
仕訳(預け金など)と、残すべき証憑は何でしょうか。

上記売上の書類です。
実質所得者課税の観点で、注意すべき点があれば教えてください。

個人と法人は全く別人格です。
それを理解ください。

2. 個人事業の廃業日は、どのように決めればよいでしょうか。

廃業した年月日です。法人を設立した年月日になるのでは。
(個人名義で請求する最後の業務日、法人の設立日の前日、など)

それが正しいでしょう。
廃業届は、廃業日から1か月以内であれば、事後の提出でよいと理解していますが、問題ありませんか。

問題はない。

3. 役員報酬を0円とする場合(社会保険の任意継続を続けるため)、 初年度の法人の所得が大きくなる見込みです。

それは方針なので、致し方ない。
法人税の負担を考えると、どのような方針が考えられるでしょうか。

自分で決めることです。どう考えるかです。

本投稿は、2026年10月15日 14時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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