会社を設立したら税理士をつけるべき?必要になるケースを詳しく解説

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会社を設立したら税理士をつけるべき?必要になるケースを詳しく解説

監修: 河野 大佑 税理士

これから会社設立をする方の中には、税理士をつけるべきか、依頼するならどのタイミングがいいかと悩んでいる方も多いでしょう。

結論からいえば、会社を設立したからといって必ずしも税理士をつける必要はありません。また、何を頼みたいかによって、依頼する適切なタイミングは異なります。

しかし、どのような会社であっても、いずれは税理士への依頼を考える必要性が出てきます。

そこで、税理士をつけたほうがよいのはどのようなケースか、設立時・設立後にわけて解説します。税理士に依頼したときの費用についても確認しましょう。

目次

会社を設立したら必ず税理士をつけるべき?

会社の設立手続きは自力で可能ですし、会計ソフトを活用することで経理・税務作業もある程度自身で対応できます。

ただし決算申告は、個人の確定申告とは大きく異なり、専門知識がある人でないと対応は難しいといえます。

実際、国税庁の資料によると法人税申告の約9割において税理士が関与しており、ほとんどの法人が税理士のサポートを受けていることがわかります(所得税申告の税理士関与率は2割程度)。

(参照)財務省|令和3事務年度国税庁実績評価書

どの企業も設立後1年以内には決算を迎えることから、会社を設立したらいずれは税理士への依頼が必要になるといえるでしょう。

「設立時」から税理士をつけるとよいケース

顧問契約すべきタイミングは、税理士にどのような業務を依頼したいかによって異なります。

まずは、設立時のタイミングで税理士をつけるとよいケースを見ていきましょう。

設立の手続きをお願いしたい

設立手続きにおいて、法務局への登記申請は司法書士が専門となっていますし、定款は行政書士にも作成代行してもらえます。そのため、会社設立は行政書士や司法書士に依頼するものと思われがちですが、税理士への依頼も可能です。

創業支援の実績がある税理士事務所であれば、各士業とも提携しているため、税理士を窓口にワンストップで各手続きを行えます。

また、顧問契約を前提に会社設立のサポートを依頼することで、初年度の顧問報酬や会社設立にかかる手数料を特別価格にしてくれることもあります。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

消費税を考慮して決算期を決めたい

資本金が1,000万円未満の新設法人は、設立当初2年間(2事業年度)は原則消費税の免税事業者です。

ただし、特定期間(事業開始後6か月)の課税売上高または給与支払額のいずれか低い方が1,000万円を超える場合は、2年目から課税事業になるため、この場合には、事業初年度を7か月以内にするなど決算期を考慮した方がよいケースもあります(※)。

このように、決算期ひとつとっても納める税金の額が変わってくるのです。さらに今後はインボイス対応についても考慮しなくてはなりません。

よりベストな状態で創業期を迎えたいのであれば、設立前から顧問税理士をつけ、アドバイスを受けながら設立手続きを進めるのがよいでしょう。

※このケース以外でも課税事業者になるケースがあるため、消費税の納税義務の判定には注意が必要です

創業資金を調達したい

創業資金としてまとまったお金が必要なときには、資金調達を得意とする税理士へ依頼することをおすすめします。補助金等の申請サポートが受けられるほか、知り合いの金融機関を紹介してくれることもあります。

選ぶ際は、「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」に登録されている税理士への依頼を検討するといいでしょう。

「設立後(期中)」に税理士をつけるとよいケース

会社設立は自力で行い、設立後に必要に応じて税理士に頼みたいという方も多いでしょう。

設立後に税理士をつけるとよいケースは以下のとおりです。

経理業務をおまかせしたい

法人は、経費として計上できる範囲が個人事業主とは異なります。また経理作業も煩雑になるので、新たに知識を身につけるか、専門スキルを持つ専任担当の採用が必要です。

その点、税理士に経理業務を一任すれば、正しく処理を行えるのはもちろん、経理に割く時間を本業に費やすことができます

決算申告を依頼したい

個人事業主の場合、会計ソフトを活用すれば確定申告書を作成できるので、法人の決算申告も同様にできるのでは?とお考えの方もいるかもしれません。

しかし法人税等の決算申告は会計ソフトでは対応していないこともあり、多くの書類を自力で作成する手間が発生します。

また、法人は会計上の利益法人税法上の所得が異なります。そのため、会計上の収益・費用と税務上の益金・損金のズレを調整する作業が必要となります。

法人税に関する知識に不安があるのであれば、税理士にサポートを頼むのが得策といえます。

効果的に節税を行いたい

ある程度売上が見込めるようになってきたら、節税対策を考える方も多いでしょう。

税理士は税務の専門家なので、売上や財務状況を考慮したうえで、効果的な節税対策を講じてもらうことができます

なお、節税対策は期中に行う必要があることから、決算まで間もない時期や決算後ではなく、早めの依頼を検討しましょう。

経営アドバイスを受けたい

税理士業務の基本になるのは「税務代理・税務書類の作成・税務相談」など税務関連の業務です。ただし、特に顧問契約を多く請け負う税理士であれば、サービスの一環として経営アドバイスやコンサルティングに応じている場合があります。

さまざまな事業を把握している経験豊富な税理士を雇うことで、経営の悩みがある際にも、よき相談相手になってくれるので安心です。

税理士に依頼したときの費用

税理士に頼むべきタイミングがわかったところで、気になるのが費用です。顧問契約の場合、税理士報酬はおおよそ顧問料・記帳代行・決算申告料で構成されます。

顧問料の金額は売上高や訪問回数などによって変わってきます。たとえば売上高1,000万円未満の法人において、訪問頻度を3か月に1回とし、記帳代行(仕訳数:月100件程度)、決算申告を依頼した場合、税理士報酬は「年間40万円程度」が相場です。

帳簿への記帳は会計ソフトを利用して自身で行う、訪問頻度を少なくするなど、税理士へ依頼する業務を少なくすることで、報酬を抑えることができます。

顧問契約かどうかでサービスや金額が異なることも

必要な業務のみを依頼するスポット契約の場合、「税務相談」は1時間あたり5,000〜10,000円、「決算申告」だけの依頼なら15万円程度からが相場となっています。

顧問料を払わずにスポットで依頼したほうが、一回にかかる費用は安くすむことがありますが、同じ業務でもサービス内容に差が生じます。

たとえば税務相談であれば、顧問契約している場合、税理士は継続的に会社の状況を把握しているので、スポットでの相談より精度の高いアドバイスがもらえます

決算申告においては、期中に売上などの数字を確認したうえで、決算に向けて効果的な節税アドバイスが期待できます。

また、資金調達に関しても、着手金と成功報酬がかかるのが一般的ですが、顧問契約をしていると着手金が発生しない場合もあります。

顧問税理士に依頼する際の注意点

以上のことを検討して、税理士に顧問契約をする際には、以下の点に注意しましょう。

一度契約したらすぐに解約はできない

税理士と顧問契約をする際は、「解約の申し出を3か月前に通知する義務がある」などと取り決めるケースがあります。

そのため、いざ契約したものの相性が悪かった、サービス内容に不満がある、といった場合でもすぐに契約解除はできないこともあるのです。

契約を結ぶ前に、複数の税理士と面談するなどして慎重に選ぶようにしましょう。

ランニングコストがかかる

税理士に依頼すると、当然のことながら毎月税理士報酬がランニングコストとして発生します。

お願いしたい業務を具体的に提示して正確な見積もりをもらい、十分な費用対効果が得られるかを検討しましょう。

繁忙期には依頼できない場合がある

毎年2〜5月は決算シーズン。つまり、その時期は税理士も繁忙期にあたるため、決算期に慌てて税理士を探そうとしても、希望にあった税理士を見つけるのが難しい可能性があります。

12月の年末調整の時期から受付をストップしている事務所もあるので、税理士探しはなるべくこの時期を避けるようにしましょう。

会社の状況にあわせて税理士と付き合おう

会社設立の手続きだけであれば、わざわざ税理士にする必要はありません。

ただし、「記帳や決算申告をまかせて本業に集中したい」「資金調達を検討しているのでアドバイスがほしい」という場合は、設立時から税理士に依頼することで、その後のサポートも継続して頼むことができます。その分費用は発生しますが、経営者として事業に専念できるという点で、費用対効果が期待できるでしょう。

会社設立における税理士への依頼は、個別の状況にあわせてタイミングを見極めましょう。

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