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非居住者が日本の会社から給与も支給されている場合の控除について

現在、1年以上海外に在住している日本の企業に勤める会社員です。(配偶者あり)
社会保険料などを会社を通じて払い、給与は日本の銀行口座でもらっております。 (日本の健康保険証を持っています)

給与とは別に国内で収入があるため、来年に確定申告を行う予定です。

質問内容
1、私のような非居住者は社会保険料控除と配偶者控除ができない認識で正しいでしょうか

2、確定申告をする際は、国内の給与所得と給与以外の国内の収入を記載して申請が必要でしょうか。

3、会社からの給与明細を見ると所得税が引かれてません。また、非居住者は源泉徴収しないと会社から聞いたのですがこれは正しいのでしょうか。
→この場合、自分で確定申告を行い所得税を納める必要がありますでしょうか。

税理士の回答

1 1年を通じて海外に滞在する非居住者が、国内源泉所得について確定申告をする場合の控除は、雑損控除、寄付金控除及び基礎控除のみとなります。

2、3 非居住者の方の確定申告は、国内源泉所得に該当するもののみ申告します
    非居住者の方の「給与」は、その給与が「役員給与(報酬)」でない場合は「国内源泉所得」に該当せず、日本での課税(源泉徴収)はありません。 
    他の国内源泉所得(不動産所得など)の関係で申告する場合は、課税となる所得のみ申告することになります。

    ただし、通常居住地国では日本から得た給与やその他の所得も課税の対象となる(全世界課税)と考えられます。詳細は居住地国の課税当局か税理士にご確認ください。

「国内の給与」とありますが、国内で支給されただけで、仕事場所が外国なら、それは日本で申告する給与所得ではありません。非居住者の給与所得は、すべて源泉徴収で、本人が申告するものはありません。会社にもうすこし相談してみたらどうでしょう。

 国税庁HPから非居住者の申告についての参考個所を参考に添付します。
  「海外勤務中に不動産所得などがある場合」
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1926.htm

米森まつ美先生 安島秀樹先生
ご回答を頂き誠にありがとうございます。

今回の場合、給与所得については所得税がかからないとのことでかしこましました。

すみません、もう一つ関連をしてお伺いをしたいことがございます。

私は、個人事業主の届け出(国内の住所)をしております。但し、現在住んでいる場所は海外です。(住民票なし)

1、この場合に、不動産の家賃収入以外での収入(例えばホームページ制作など)は、海外からサービスを提供しているので国内源泉所得として確定申告に記載をしないくてもいいのでしょうか。

2、もし課税対象でない場合も、確定申告書には給与所得、不動産賃貸収入、ホームページ制作などの収入は記載が必要でしょうか。






ホームページ制作が著作権の譲渡とか使用許諾料だと原則20%源泉されます。たんなる外注だと源泉されないし、日本で申告する必要もないです。どちらになるかは相手の判断に任せておけばいいかとおもいます。
不動産賃貸所得だけ申告しておけばいいとおもいます。米森さんが詳しいです。

 国内源泉所得に該当するか否かについては、参考に国税庁HPの「源泉徴収のあらまし」を添付します。
 添付した資料の7枚目(P278の表)が、課税方法などわかりやすと考えます。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2024/pdf/12.pdf
 確定申告(総合課税)の対象となるものは、日本に支店がない限り、国内源泉所得のうち「資産や土地等の譲渡」「不動産の賃貸料(不動産所得)」「人的役務の提供事業」以外はありませんので、給与所得や事業所得を確定申告書に記載する必要はありません。

  なお、給与所得は前述のとおり、役員報酬はすべて国内源泉所得となりますが、その他の給与は日本での勤務がない限り国内源泉所得にはなりません。
  仮に、日本国内への長期出張等で日本での勤務に係る課税があったとしても「源泉分離」としての課税となりますので確定申告書には記載しません。
  同様に「著作権の使用料等(譲渡・ロイヤルティなど)」は、国内源泉所得に該当したとしても源泉分離課税となっており、確定申告書の記載する必要はありません。

  通常HP制作の場合、掲載した写真その他のデザインなどに関し「著作権」が生じる可能性があります。
  居住者として報酬を得ていた時は、デザイン料で10.21%の源泉徴収をされていませんでしたか。
  この場合、取引先と取引内容を確認をしたうえで、デザインに関する権利が全て取引先に移るようでしたら「著作権の譲渡」、権利が移らない場合は「著作権の使用料」に該当する可能性があります。

  また、貴方の居住地国と日本国との間に「租税条約」が締結されている場合はその条約の規定が優先され、税率軽減、免税などになりますので、詳細は「報酬の支払者=取引先」を通じ取引先の所轄税務署に確認されることをお勧めいたします。
 ※源泉徴収義務が取引先にあるため、税務署への相談は源泉徴収義務者が行うことになります。

 取引内容や貴方の居住国によっては「租税条約の届出書」や「特典条項の附表」「居住者証明書」などの提出(報酬の支払者を通じて)が必要になります。
 

米森まつ美先生 安島秀樹先生
この度は、とても詳しいご回答を頂き誠にありがとうございました。

今後の参考にさせて頂きます。

少しでもお役に立てましたら幸いです。
 非居住者の課税に関しては、租税条約も関係するため一概に申し上げることはできず
 ① 貴方の収入(所得)が日本の「国内源泉所得」に該当するか否か
 ② 貴方の居住地国と日本との間に租税条約が締結しているか否か
 ③ 条約上どのような規定になっているか
  ・使用地主義、債務者主義)
  ・権利の譲渡は課税対象としているか
  ・双方の国で課税となってる所得は、税率が軽減されているか
 ④ 居住地国と日本の租税条約が特典条項付き条約であるか否か
 など、条約ごとに内容が異なり、軽減や免税を受ける時には続きが必要になります。

 また、居住地国では原則居住者に対しては「全世界課税」となりますが、租税条約を締結してる場合は、相手国で課税を受けている所得は外国税額控除の対象となっていることが多いと考えられます。
 外国税額控除や海外からの転入者(ビザの内容?)の課税方法などは、居住地国の課税当局か税理士にご確認ください。

 

本投稿は、2024年12月19日 14時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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