フリマアプリを利用したパソコンの個人売買について
趣味でパソコンパーツからパソコンを組み立てて部屋に飾っている者です。
組んだパソコンを使う、というわけでなく、組み立てること自体(機械いじり)が趣味です。
昨今の円安や物価高騰により、パソコンパーツも価格が上がり、手を出しにくくなりました。そこで、趣味に多少の損失があっても、大きく損失が出ず、補填があれば趣味を続けられるのでは、と思い至りました。
パーツを購入して組み立てたパソコンを、購入したパーツの合計額そのままで、フリマアプリに出品し、もし売れたら次のパソコンパーツの購入費用に充てる、というサイクルで損益なしで趣味を続けられるという構想です。(売れることが前提であることは一旦置いて頂けると幸いです。)
本業は別にあり副業禁止の会社なので、利益は一切不要、なんなら「副業ではなく趣味です。」というアピールのためにも多少の損失は出した方がいいと思っています。
前置きが長くなりまして申し訳ありません。
質問ですが、
①既に作成したパソコン(数年前のもの)を、フリマアプリで売買した場合、確定申告は必要になるのでしょうか。
販売価格は当時のパーツ購入費用より廉価にします。(レシートは既に無いので、証明はできません。)
素人ながらネットで調べた上では、生活動産以外の品にあたり、販売価格が30万円未満であれば課税対象にならない。反対に30万円以上では雑所得として申告し、50万円の特別控除が必要、という理解です。
②①にて、複数台のパソコンを売買した場合は、30万円以上の取引の合計額を申告する必要があり、50万円の特別控除を超える分については課税対象、という理解で合っておりますでしょうか。
③前置きの趣味のサイクルにあたり、販売価格が30万円を超えなければ、取得費を差し引いて利益がない場合、雑所得として取り扱わなくても良いのでしょうか。
④③に係り、パソコンパーツの購入費用を、完成品の売買により補填し、またも同様に…、というサイクルは継続性のある取引として捉えられる可能性はあるのでしょうか。
⑤④に係り、継続性のある取引と捉えられたとしても、利益性が無い事を前面に出せば(例:商品説明でパーツ購入価格を示した上で、同じパーツを使用したパソコンを販売している事業者より安価等)、申告は不要となるのでしょうか。
長々と失礼しました。ご回答よろしくお願いします。
税理士の回答

以下、回答いたします。
前提として雑所得の算出方法は主に以下の通りとなります。
総収入金額(販売価額) - 必要経費(パーツ購入代) = 雑所得
その上で当該雑所得が年間で20万円を超えない場合は申告不要となります。
(パーツ購入代の領収書やレシートは保存管理されるのがよろしく、総収入額と必要経費をパソコンごとに計算した管理表もあるとなおよいかと存じます。仮に紛失された場合は、購入先から再発行できないかのご相談をされてみるのがよろしいかもしれません。)
また、今回のケースは反復性と継続性はあるものの、利益を得ることを目的(営利目的)としたものではないようですので、仮に税務署等からお問い合わせがあった際はご質問者様のご対応でも差し支えないかと存じます。
なお、特別控除50万円はどちらの内容を指したものかわかりかねるため、回答を控えさせていただくことご容赦いただけますと幸いです。
もしかしたら特別控除は一時所得の特別控除50万円を仰っていて、30万円を未満か否かは少額減価償却資産の特例を仰っているのかな、とも思いましたが、仮にいずれの場合も本件には関係しないため考慮される必要はないかと存じます。
◆ご参考:国税庁「雑所得」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm
◆国税庁「確定申告が必要な方」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/01/1_06.htm
少しでもお役立ちとなれば幸いです。
早速のご回答ありがとうございます。
また、税制について詳しくない私にも分かりやすく整理して頂きありがとうございます。
私のケースでは反復性と継続性があっても、利益を出さないように販売価格をしっかり設定していれば、利益が出ていないことを証明できる書類(領収書、レシート、管理表等)を揃えておくことを前提として、申告は不要とのことで理解いたしました。
不勉強、言葉足らずで申し訳ありません。
30万円と特別控除50万円は譲渡所得のことになります。
特別控除は短期譲渡所得及び長期譲渡所得の合計額を指しています。
もし30万円以上の取引となった場合、譲渡所得の対象となるかもと思い、こちらの話も入れさせて頂いておりました。
しかし、先生よりご回答頂いた内容から察するに、こちらも総収入金額が30万円を超えていても、上記と同様に利益を出さない場合は申告は不要で、その証明書類等を管理することが推奨される、という理解でよろしいでしょうか。
それとも、たとえ売却益が出ていなくとも、取引価格(収入金額)とパーツ購入費用等(必要経費)の申告は必要なのでしょうか。
再度の質問となりお手間おかけしますが、ご回答頂けますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

ご確認くださりありがとうございます。不勉強、言葉足らずなんて滅相もございません。
私の方こそ、完全に譲渡所得のことを失念したうえで初回の回答をしてしまいました。大変失礼しました。
混乱させてしまい大変恐れ入りますが、初回の回答は一旦忘れていただき、改めて譲渡所得も踏まえての回答とさせてください。
①まず趣味として組み立てられたパソコンは、「主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)」に該当すると考えられます。
したがい当該パソコンの売却は、雑所得ではなく譲渡所得に該当し、確定申告が必要となる可能性がございます。
なお、ご質問者様が仰られていた30万円とは、主として趣味ではなく「生活の用に供する動産で、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨とう等」を指してるのではないか、と考えられ30万円を超えるか否かは本件のケースには該当しないように考えられます。
②複数台のパソコンを売買された場合、各組み立てたパソコンの所有期間が5年以下(短期譲渡所得)か5年超(長期譲渡所得)かでわけます。
その上で、下記のステップで各譲渡所得を計算し、課税対象か(確定申告必要か)否かを確認します。
Step1 短期譲渡所得の計算
総収入金額 - (パーツ取得費+譲渡費用) - 特別控除50万円
Step2 長期譲渡所得の計算
総収入金額 - (パーツ取得費+譲渡費用) - 特別控除50万円※
※譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円です。その年に短期と長期の譲渡益があるときは、先に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。
Step3 確定申告が必要か否か(給与1か所かつ給与全部源泉徴収の前提)
給与所得、退職所得を除く、譲渡所得を含む各所得金額の合計が年間20万円を超えれば、確定申告が必要であり課税となります。
仮にStep1とStep2の合計が年間20万円を超えなければ、確定申告不要(課税対象ともならない)です。
③今回は主として趣味のため、30万円の件は考慮する必要がなく、また雑所得にも該当しないと考えられます。
④継続性のある取引としてはみられるかと存じます。
⑤今回は趣味であり、営利目的ではないものの①②より確定申告が必要となる場合も不要となる場合もございます。
◆ご参考:損益通算の対象となる所得の範囲(注3)(3)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm
◆ご参考:譲渡所得の計算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3152.htm
◆ご参考:確定申告が必要な方①(2)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/01/1_06.htm
以上、長文となりまた混乱させてしまい大変失礼いたしました。
少しでもお役立ちとなれれば幸いです。
わかりやすいご回答ありがとうございました。
また、参考として添付いただきましたURLも拝見しました。
ご多忙の中、大変丁寧なご回答頂きまして、感謝申し上げます。
先生の仰るように、私は給与1か所かつ給与全部源泉徴収ですので、短期・長期の譲渡所得の合計が20万円を超えない限りは確定申告不要となり、私がやろうとしていることは税制的には趣味の枠組みに収められる気がしてきました。
先の先生のご回答を繰り返しさせてしまうかもしれませんが、最後に一つだけ確認をさせてください。
ネットでは株式や不動産(分離課税)については損失計上で節税!みたいな記事がたくさんあるのですが、本ケースのような総合課税の損失については「申告できる」なのか「申告しなければならない」のか、ハッキリ書かれているものを見つけられませんでした。
ゴルフ会員権等に類似する譲渡所得は総合課税とされておりますが、この場合も損失については申告不要という理解でよろしいでしょうか。
何度もお手間おかけして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

長文の中ご確認くださりありがとうございます。
確定申告は不要で問題ないかと存じます。
ご質問者様の今回の趣味に関する譲渡所得が仮に損失だった場合は、他の各種所得の金額と損益通算できないため、仮に確定申告をしても、損益通算できない以上、結果は変わらないかと存じます。
なお、余談ですが、株式や不動産の各譲渡損失があった場合に損益通算や繰越控除を通して節税できるのも一定の要件がありますので、例えば給与所得などと損益通算できるかというと、そうではございません。
何より節税以前に損失が出てるため、状況次第では下手に節税に意識を向けず損失を出さない方がいい、ということもあります。
(一方、例えば今期は損失となる(損益通算等で節税もできる)が、将来的には税金を支払ってでもトータルで大きな利益を獲得できる見込みがある、という場合でしたら節税の効果もあるかと存じます。)
◆ご参考:損益通算の対象となる所得の範囲(注3)(3)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm
パソコンの組み立てをできるのは素敵な趣味だと思います。
なにより、税理士の数よりもパソコンの組み立てをできる人数の方が少ないんじゃないかと思いました。
税制は複雑でわかりづらい点もあるかと存じますが、少しでもお役立ちとなれば幸いです。
(初回の回答を誤ってしまったにもかかわらず、ご親切にご確認くださりありがとうございます。)
ご回答ありがとうございます。
これでひと一通りの疑問が解けましたので、僭越ながら先生のご回答をベストアンサーに選ばせて頂きました。
他の方とは少し毛色の違う質問に加え、私の言葉足らずやレスポンスの遅さでご迷惑をおかけしてしまった部分も多々あったと思いますが、この数日間根気よくお付き合いくださり誠に感謝申し上げます。
今回、先生とご縁を頂きまして、本当に嬉しい限りです。
先生の今後のより一層のご活躍をお祈りいたします。
また何かありましたら是非よろしくお願いいたします。
誠にありがとうございました。

いえいえ、勿体ないお言葉をいただきありがとうございます。少しでもお役立ちできているのでしたら、大変嬉しく思いますし、ご質問者様のご親切丁寧なご質問やご確認あってこそかと存じます。
ベストアンサーもありがとうございます。
私自身にとっても様々なケースに触れる機会として知識の振り返りや新たな気づき等で大変勉強になりますので、また何かございましたらお気軽にご相談や投稿いただければ幸いです。
今後またご一緒できる機会があった際はどうぞよろしくお願いいたします。
本投稿は、2025年06月26日 18時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。