【贈与税】扶養義務者から車を無償で譲り受けた場合の贈与税の申告について
【前提情報】
・主は独身成人社会人であり、親と同居している。
・直系尊属である父から中古車市場価格150万以上(>基礎控除額110万円)の車両を譲り受けた(高級車には該当しない)。
・使用用途は主に通勤や買い物等である。住宅周辺には徒歩圏内に電車の駅もあるが、利便性により車を使用する見込み。
【相談内容】
上記の前提条件がある場合、下記2点についてご教示いただけますでしょうか。
①贈与税非課税財産として「扶養義務者からの生活費及び教育費」があるかと思いますが、本件の車両の使用が生活に必要な場合に当てはまり非課税となる可能性はございますでしょうか。
→この点、車両のランク・使用用途・必須度合いによって判断が分かれるものと認識しております。私は一般的な社会通念上、例え近所に駅があったとしても、職場の都合等により電車ではなく車両を使用することは一般的かと考えており、生活に必要な場合に当てはまり、贈与税非課税になると考えております。
②仮に税務調査が入った場合に備えて、「生活に必要な場合であること」を証明するにはどのような準備をすればよいでしょうか
→必要な証憑などございましたらご教示ください。
(参考条文:相続税法第21条の三、国税庁ー扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A ))
税理士の回答

増井誠剛
結論から言うと、今回のケースでは贈与税の非課税財産として認められる可能性は低い ですが、相続時精算課税を活用する選択肢もあります。
まず、生活費として非課税になるか ですが、相続税法第21条の三に基づく「扶養義務者からの生活費」は、食費・住居費・医療費など、日常生活に不可欠な支出に限られます。車両は、公共交通機関が利用できない場合なら認められる可能性がありますが、徒歩圏内に駅がある以上、「生活必需品」とは判断されにくく、税務調査で否認されるリスクが高いでしょう。
次に、相続時精算課税の適用 ですが、父が60歳以上、受贈者が18歳以上であれば、2,500万円まで非課税で贈与できるため、今回の150万円の車両も税負担なしで受け取れます。ただし、一度選択すると以後の贈与も相続時精算課税の対象となり、110万円の基礎控除が使えなくなるため、慎重な判断が必要です。
税務調査が入った際に「生活に必要」と主張する場合は、通勤経路や勤務条件、近隣の生活環境を示す証拠を用意する必要がありますが、実際に認められる可能性は低いため、贈与税の課税を前提に対応するのが無難 でしょう。
本投稿は、2025年02月05日 01時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。