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民泊リフォーム資金を第三者から提供してもらうことに対する贈与税

リフォーム資金を第三者から提供してももらうことに対する贈与税のかかり方、対策等をご相談したいです。

【人物・関係性】
・相談者
・パートナー(相談者と同居、婚姻関係にはない。関係は良好)

【背景】
・相続した別荘をリフォームし、民泊事業の開業を進めています(現在は着工前)
・相続したのは土地(時価で300万円程度)と古屋で、現在立っている建物を抜本的にリフォームする形で、今春着工に向けて準備を進めています
・リフォーム資金はおよそ1200万円程度で、「相談者が土地と現金200万円程度をだし、残りの建物のリフォーム費用1000万円は私のパートナーが現金でだす」という条件で進めています
・リフォーム後の所有権はすべて相談者に帰属で合意
・相談者の方が有利な条件になっていますが、「民泊で使わないときは我々(相談者+パートナー)で自由につかってもいいのであればOK」と合意しています

【悩み】
・このまま進めるとパートナーからの贈与とみなされ、贈与税がかかってしまうことが懸念されます
・そこで、主に税務的な観点で、この問題を解決/バイパスできる選択肢の検討をしたいです

【質問1】
相談者の民泊事業に対して、「パートナーが利用者として、利用料を前払いする契約を締結してその対価として1000万円を受け取る」という方法を検討しているが現実的か。着工前に受け取る点が問題になる気もします

【質問2】
(上記が有効ではない場合)その他の選択肢にはどのような手段があるか
例)
・事業を法人化して株式/融資で資金を供給する契約にする
・パートナーが相談者個人に資金を貸し付ける契約にする(避けたい)

税理士の回答

質問1について

パートナーが利用者として利用料を前払いする契約についてですが、以下の点を考慮する必要があります。

前払いの合理性: 民泊事業において、開業前に高額な利用料を前払いする契約が、一般的な商慣習として認められるかどうかを検討する必要があります。税務署は、不自然な取引に対しては、実質的な贈与と判断する可能性があります。
利用の実態: 前払い契約に基づいて、実際にパートナーが民泊施設を利用する必要があります。利用実績が伴わない場合、税務署から贈与とみなされるリスクが高まります。
相場との乖離: 前払いする利用料が、民泊施設の相場と比較して著しく高い場合、その差額が贈与とみなされる可能性があります。

以上の点を総合的に考慮すると、利用料の前払い契約は、税務署から贈与と判断されるリスクがあり、現実的な選択肢とは言えない可能性があります。

質問2について

贈与税を回避するための他の選択肢としては、以下の方法が考えられます。

1. 事業の法人化:
株式: 民泊事業を法人化し、パートナーが出資者として株式を取得する方法です。この場合、パートナーは株主として法人の利益を分配される権利を得るため、贈与には該当しません。ただし、出資額に見合った株式の評価を行う必要があります。
融資: パートナーから法人へ融資を行う方法です。この場合、法人からパートナーへ利息を支払う必要があります。利息の利率は、市場金利を参考に適切に設定する必要があります。
2. 共有名義:
リフォーム後の建物を相談者とパートナーの共有名義にする方法です。この場合、パートナーの出資額に応じて、建物の所有権を共有することになります。共有持分に応じた不動産取得税や固定資産税が発生します。
3. 金銭消費貸借契約:
パートナーから相談者への貸付という形にする場合、金銭消費貸借契約書を作成し、返済計画や利息などを明確に定める必要があります。ただし、税務署は、親族間にある者同士の貸付については、実質的な贈与と判断する傾向があります。したがって、返済実績をきちんと残すことが重要です。
4. 負担付贈与:
リフォーム資金の提供を受ける代わりに、パートナーが民泊施設を優先的に利用できる権利などを与えるという負担付贈与の形にする方法です。この場合、贈与税の課税対象額は、リフォーム資金の額から、パートナーが受ける便益の額を控除した残額となります。

その他の留意点

贈与税の配偶者控除: 婚姻関係にある配偶者からの贈与であれば、贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)を利用することで、2,000万円まで贈与税が非課税となります。しかし、ご質問のケースでは婚姻関係にないため、この制度は利用できません。
暦年贈与: 毎年110万円までの贈与は非課税となります。したがって、リフォーム資金を複数年に分けて贈与することで、贈与税を軽減することができます。ただし、税務署は、計画的な暦年贈与に対しては、一括贈与とみなす場合があります。
名義預金: パートナーが相談者の名義で預金口座を開設し、リフォーム資金を預け入れることは、名義預金とみなされ、贈与税の課税対象となる可能性があります。

石割様

ご返信が遅くなり申し訳ありません。どなたからも回答がつかず、途方にくれていたところ、丁寧にご回答いただき誠にありがとうございました。またご回答につきましてもよく理解できました。質問1について、利用実績を残すところは問題なさそうなのですが、これが一般的な商習慣に照らして妥当か、というと確かにあまり一般的ではないかもしれませんね。諸々検討させていただききます。
この度はご回答いただきありがとうございました。

本投稿は、2025年02月06日 09時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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