子供名義の預金の使用について
相続税対策の一貫として、米国国籍の祖父母から日本に住む孫3人(未就学児)へ毎年110万未満での送金を予定しています。子供は日本とアメリカの二重国籍で、米国外での銀行預金が増えると米国側への申告など煩わしい手続きが増えるため、なるべく子供の預金額が増えすぎないようにしたい所です。そこで現在私(親)名義の口座から引き落としている生活費の一部を、子供の生活費としてそれぞれの口座から定期的に私の口座へ資金移動するにはどうかと考えています。例えば1人4-5万ずつ月末に徴収するなど。税務的に何か問題がありますか?
税理士の回答

石割由紀人
子供名義の預金を親の口座に移動して生活費とすることには、いくつかの税務的問題が考えられます。
1. 贈与税の問題
毎年110万円未満の贈与を行うことで日本国内では贈与税の非課税枠内に収まりますが、その資金の使用が子供本人のためでない場合、贈与が無効とみなされ、実質的には「名義預金」と判断される可能性があります。
2. 名義預金のリスク
子供名義の口座から親の口座に資金を移動し、その資金を親が管理することで、税務署から「名義預金」としてみなされるリスクがあります。名義預金となると、子供に対する贈与ではなく、親の資産とみなされ、相続税の課税対象になる可能性があります。
3. 実際の使用の証明
子供名義の口座からの資金が真に子供の生活費に使われていることを示すためには、その利用状況を明確に記録し、贈与契約書を作成して贈与が成立していることを立証する必要があります。これにより、名義預金として疑われることを防ぐことができます。
最終的には、贈与契約を明確にし、資金の流れを透明に保つことが重要です。
詳細なご説明ありがとうございます。祖父母と孫の間で贈与契約書を作成したらよいという事ですよね?子どもの預金の使用については通常のノートに使途を記録しておいて、月末にまとめて引き落とすという形で大丈夫でしょうか?

石割由紀人
結論から申し上げますと、祖父母と孫の間で贈与契約書を作成することは非常に有効です。贈与契約書を作成することにより、贈与の意思と内容を明確にし、税務署に対して贈与が正式に成立していることを証明できます。贈与契約書には、贈与者・受贈者の名前、日時、贈与する財産の内容、贈与金額などを詳細に記載し、双方が署名・捺印することが求められます。
子どもの預金の使用については、ノートに使途を記録し月末にまとめて引き落とす形でも可能ですが、出金の際にその都度目的や用途を細かく記録しておき、後々税務署から説明を求められた際に備えることが重要です。具体的な使途を説明できるようにすることで、贈与金が本来の目的に沿って使用されていることを示すことができます。すなわち、ノートに詳細な記録と明細を残し、それに基づいての引き落としを行うことが望ましいです。
このように、契約書と使用記録をしっかりと準備しておくことで、税務上の問題を回避し、安心して子供のための資金を運用することができます。この対策により、名義預金とされるリスクを軽減できます。
とてもよく理解できました!ご丁寧なご説明ありがとうございました!
本投稿は、2024年11月03日 14時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。