相続税と贈与税
夫婦2人で年金受給となり、夫は自営業です。
夫の収入といっても利益は極わずかです。
私(妻)は年金のみです。
夫の収入と夫の年金で生活費や税金等を支払いをしようと思います。
私(妻)の年金は振り込まれた後、そのまま私の本人名義で私が管理して貯金しようと思います。
夫も私の預金は貯金していいと了承してもらってます。
そこで質問です。
①夫が亡くなった時に、私(妻)の貯金は夫との共有財産になり申告することになるのでしょうか?
それとも、私の貯金は申告しないでいいのでしょうか?
②もし、税務調査があったときに、共有財産と指摘されるのかが気になります。
③普段の生活をするときに全て夫の収入で支払いをして、私は貯金してても何ら問題ないのでしょうか?
税理士の回答

石割由紀人
① 妻の貯金は原則として相続税の対象外: 妻名義の口座に、妻の年金が貯蓄されている場合、その貯金は妻の固有財産とみなされ、夫の相続財産には含まれません。したがって、夫が亡くなった際に、妻の貯金は相続税の申告対象にはなりません。ただし、実質的に夫の財産とみなされる「名義預金」の場合は、相続財産として扱われる可能性があります。
② 税務調査での共有財産指摘の可能性は低い: 妻の年金が原資であれば、税務調査で共有財産と指摘される可能性は低いと考えられます。しかし、夫の収入が妻の口座に頻繁に入金されている場合や、妻の貯蓄の大部分を占めている場合は、共有財産とみなされる可能性も否定できません。税務署は、預金口座の入出金履歴や資金の出所を詳細に調査します。
③ 日常生活での財産管理は問題なし: 夫の収入で生活費を支払い、妻が自身の年金を貯蓄することは、法律上問題ありません。夫婦の財産は、それぞれが自由に管理・処分できます。ただし、夫の収入から妻の口座に多額の資金が移動している場合は、贈与とみなされ、贈与税の対象となる可能性があります。
夫の収入から私の口座に入ることはないです。
相続財産とみなされないなら安心しました。
①夫が亡くなったとき、それまで私の預金を子供や孫に贈与した場合、私の子供や孫の預金とか調査されたりするのでしょうか?
②孫の定期預金証書ですが、私の手から離れて私の子供が管理します。その後、定期証書はどうしようが私は感知しません。
証書を手渡したその時点で贈与が発生していることになりますか? それとも 孫が貰ったという認識があるまで贈与は成立しないのでしょうか?

石割由紀人
1. 相続発生前の贈与と調査: 妻が亡くなる前に、妻の預金を子供や孫に贈与した場合、その贈与自体は相続財産には含まれません。しかし、相続税の計算上、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算される可能性があります。また、税務署は、相続税の調査において、被相続人(妻)の預金口座だけでなく、贈与を受けた子供や孫の預金口座も調査する可能性があります。これは、名義預金や贈与の事実を隠蔽していないかを確認するためです。
2. 定期預金証書の贈与: 孫名義の定期預金証書を子供に渡し、その後、子供が管理する場合、贈与の成立時期は、孫がその預金を受け取ったことを認識した時点ではなく、定期預金証書を子供に渡した時点で贈与が成立すると考えられます。贈与は、贈与者(妻)が財産を無償で与える意思表示をし、受贈者(孫)がそれを受け入れる意思表示をすることで成立します。この場合、子供が孫の代理として受け取ったとみなされます。
① 夫が亡くなったとき、それまで私の預金を子供や孫に贈与した場合の調査
ご質問ありがとうございます。まず、大前提として、夫の相続において、妻の財産は相続財産には含まれません。ご安心ください。
ご質問は、妻が亡くなった場合、妻の財産を子供や孫に贈与した場合の調査についてですね。
相続税の対象となる贈与: 相続税法では、相続開始前3年以内に行われた贈与は、相続財産に加算して相続税を計算するルールがあります。これは、相続税を逃れるために、生前に財産を贈与することを防ぐための措置です。
したがって、妻が亡くなる前3年以内に子供や孫に贈与した場合、その贈与財産は相続税の計算上、相続財産に加算される可能性があります。
税務調査での調査範囲: 税務署は、相続税の調査において、被相続人(妻)の預金口座だけでなく、贈与を受けた子供や孫の預金口座も調査する可能性があります。これは、名義預金や贈与の事実を隠蔽していないかを確認するためです。
税務署は、過去の預金移動や贈与の事実を把握する権限を持っています。
贈与の事実を隠蔽したり、虚偽の申告をしたりすると、ペナルティが課せられる可能性があります。
② 孫の定期預金証書の贈与
ご質問ありがとうございます。定期預金証書の贈与についてですね。
贈与の成立時期: 贈与は、贈与者(妻)が財産を無償で与える意思表示をし、受贈者(孫)がそれを受け入れる意思表示をすることで成立します。
この場合、定期預金証書を子供に渡した時点で、贈与者(妻)の意思表示は完了しています。
子供は、孫の代理として定期預金証書を受け取ったとみなされます。
したがって、定期預金証書を子供に渡した時点で、贈与は成立すると考えられます。
孫の認識: 孫が贈与の事実を認識していなくても、贈与は成立します。
贈与は、贈与者と受贈者の合意によって成立するものであり、受贈者が必ずしも贈与の事実を認識している必要はありません。
ただし、贈与税の申告は、受贈者(孫)が行う必要があります。
詳しく教えてもらいありがとうございます。
再度質問です。
①令和6年からの贈与は過去7年までは相続財産に差し戻しとなってるみたいですが先生が言われる過去3年は令和6年以前の贈与に関してということでしょうか?
②夫の相続財産とは夫の預金と夫の預金の出金記録でお金がどこに使われたか、使われたお金の行き先が生活費や必要なものを買って出金したくらいの記録だけでならば、私(妻)の預金がどれくらいあろうが対象外ということですか?
もちろん、土地や家その他の車と保険は相続財産には入るのは理解してます。
③自営業のため税務調査対象となるのではと心配してます。
実際、税務調査は(夫)被相続人の金融資産の履歴が問題視されますが、今回、相続人の私と子供と孫の預金は夫から離れていると思うので差し戻し期間外の預金については相続資産の対象外というこということですか?
本投稿は、2025年01月09日 13時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。