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相続における高齢夫婦間の名義預金の取り扱い

高齢の母が保有する預金が父の名義預金とみなされてしまうか、知りたいです。

高齢の両親が医療介護費などに備えて蓄えてきた預金の一部について、この先自力で資金管理が難しくなるリスクを考え、相続時精算課税制度で子である私への生前贈与を進めようと考えています。
両親それぞれの資産(現預金残高、終身生命保険の死亡保険金、自宅土地家屋評価額)からシミュレーションした結果では、1次・2次相続ともに相続税が発生しないで済む結果となりました。
ただ、母の預金が名義預金とみなされることで相続税が発生するおそれがあるのか心配になりました。
両親のこれまでの生活状況、現在の預金残高等は以下の状況です。

父(90歳):預金残高2千4百万円、年金収入(65歳~)月12万円、現役時代は職人(大工)として稼働
母(88歳):預金残高3千4百万円、年金収入(65歳~)月5万円、30年間近くパート稼働(年収100万円くらい)
母は、基本的に家計支出は父の稼働収入や年金で賄い、自分のパート収入や年金はいざという時のために蓄えて生活してきたと言っています。

母のパート収入100万×30年+母の年金収入60万×23年=4千4百万円>母名義の預金残高3千4百万円ということにはなるのですが、こういった状況でも一般的に母名義の預金の大方が名義預金とみなされるおそれが高いものでしょうか。

税理士の回答

結論から申し上げますと、現状の情報だけでは「お母様の預金が名義預金とみなされる可能性は低い」と考えられます。

名義預金とは、実質的な資産の所有者と名義人が異なるケースを指し、相続税の課税対象になることがあります。しかし、今回のケースでは、お母様が長年パート収入と年金を得ており、その合計額が預金残高を上回っているため、「預金の原資がお父様の収入ではなくお母様自身の収入である」という説明が成り立ちます。

一方で、税務調査においては、「家計をお父様の収入で賄っていた」という事実が争点になる可能性があります。仮に「お母様の収入を生活費として使わずに貯蓄していた」としても、税務当局が「実質的にお父様の収入からの貯蓄」と判断すれば、名義預金とみなされるリスクがゼロとは言えません。

リスクを最小限にするには、お母様が自身の預金を管理し、通帳・印鑑を自身で保管していた証拠を残すこと、また、過去のパート収入の振込記録や年金の入金履歴を整理しておくことが有効です。最終的には、税務当局の判断による部分が大きいですが、今回のケースでは 「お母様自身の収入の蓄積」であることを合理的に説明できる ため、名義預金認定のリスクは低めと考えられます。

本投稿は、2025年02月08日 16時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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