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遺産分割協議書の案と違う相続税納付書が期限直前に送られてきました

まだ遺産分割協議書には印鑑を押していませんが、遺産分割協議書の案と異なる内容の相続税申告書が送られてきました。

叔母が亡くなり、母とその姉妹の計3人が法定相続人です。

叔母A
叔母B

の3人とします。

生命保険金の受取人が母に指定されていたのが姉2人は気に入らないようです。
叔母Aが自営業で、そこでお世話になっている税理士なので、やはり叔母Aの肩を持ち、母に不利な遺産分割を提案してきました。

最悪の遺産分割は免れ、別の案で合意したのですが、
相続税納付期限の2日前の今になって別の案を提示し、別の相続税納付書を送付してきました。
新しい納付書は、母の相続税が70万円ほど高くなっています。

まだ遺産分割協議書に印鑑はおしていません。
相続税の納付期限は2日後に迫っています。

どうしたらいいでしょうか?

税理士の回答

 遺産分割協議書が作成されていない場合は「未分割」として法定相続分等により相続税の申告書を作成することになります。
 また、「生命保険金」は民法上の「相続財産」ではなく、契約上受取人となっている者が受け取る権利があり、分割すべき相続財産ではありません(分割できない)。
 ただし、生命保険金は「みなし相続財産」として相続税の計算上、相続財産に含めて計算することになっています。

 仮に、相続財産を法定相続割合で受け取ったとした場合、お母さまは生命保険金分は多く財産を受けている形になりますので、他の叔母さま方より納税額が大きくなる可能性があります。
 
 今回、遺産分割協議書に押印がないため、未分割として税額計算をされた可能性がありますが、ご相談の内容だけでは一概に判断することができずに申し訳ございません。
 申告書を作成した税理士先生によくお確かめください。

 なお、申告後に分割が確定した場合は、その内容で修正申告や更正の請求などを行うことができます。

 期限後申告になりますと加算税が賦課されたり、納税が遅れた場合は延滞税が発生しますので、いずれにしても納税はされたうえで、申告内容を確認するようにしてください。

 国税庁HPから参考箇所を添付します。
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4208.htm

申告期限のわずか2日前に合意と異なる納付書が送られてきたとのこと、大変驚かれたことと思います。ご不安な状況かと存じますが、お母様の立場から今すぐ取るべき行動と、知っておくべき法的な前提をお伝えさせて頂きます。

結論から申し上げますと、「納得がいかない限り「遺産分割協議書」に実印を押してはいけません」そして「とりあえず『未分割』の状態で申告・納税をして期限を守る」という対応がベストかと存じます。

具体的な理由は以下の通りとなります。
1. 遺産分割協議書に実印を押さない
遺産分割協議は、法定相続人「全員」の合意と実印があって初めて成立します。
一度実印を押してしまうと、後から覆すことは極めて困難になりますので、送られてきた協議書に納得出来ない場合には署名・捺印はしないで下さい。

2. 生命保険金は「遺産分割の対象外」です
お母様が受取人に指定されている生命保険金は、原則として遺産分割協議の対象にはなりません。他の姉妹の方が不満を持たれたとしても、法的にはお母様がそのまま受け取って全く問題ございません(※みなし相続財産として相続税の計算には含まれますが、遺産分割で渡す必要はございません)。

3. 期限を守るための「未分割申告(法定相続分での申告)」
相続税の申告・納付期限を過ぎてしまうと、「無申告加算税」や「延滞税」などのペナルティ(罰金)が発生してしまいます。
これを防ぐための正当な手段として、「遺産分割がまとまっていない(未分割)」として、一旦『法定相続分(今回は3分の1ずつ)』で遺産を取得したものと仮定して申告し、納税を済ませる方法がございます。
*「新しい納付書は、母の相続税が70万円ほど高くなっています。」とのことですが、こちらは当初よりお母様が受け取れる金額(相続財産)が多くなっているということでもあると思うのですが、もしかすると生命保険はお母様、残りの財産は3等分で一旦未分割申告(法定相続分)をするという事を相手方の税理士の方は既に実行しようとしているのではないかとも推測出来るので、その場合は最終的な遺産分割協議に関係なく現時点においては正しい対応かと存じます(遺産分割協議がまとまり後から払いすぎた分は更生(還付)の請求が出来ます。)

4. 今すぐ取るべき行動
相手方の税理士の方(叔母Aの税理士)に対し、以下の内容をお伝え(もしくはご確認し)てください。
「提示された遺産分割協議案には同意できないため、実印は押せない」
「申告期限が迫っているため、今回はとりあえず『未分割(法定相続分)』での申告をしてほしい」
*今回送られてきた納付書を含めこちらを既に対応頂いている場合は正しい対応かと存じます。
「後日、遺産分割がまとまった際に『更正の請求』または『修正申告』で精算する」

もし、小規模宅地等の特例などを将来適用する可能性がある場合は、未分割申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を必ず添付するよう、その税理士の先生に申し伝えてください。
*本来は相続人全員で1つの申告書を出しますが、どうしても相手が応じて頂けない場合には、お母様ご自身(単独)で法定相続分に基づいた未分割申告書を作成し、提出・納税することも可能です。

まずはペナルティを防ぐために期限内に「未分割」で申告・納税を済ませ、期限後に落ち着いてから、適正な遺産分割に向けた話し合いを再開(あるいは別の税理士や弁護士などの専門家を立てて交渉)することをお勧めいたします。

相続税の申告期限と、納税期限はいずれも同じ日、10ヶ月以内です。
したがって、どちらも期限内に行うことが必要です。
関与税理士が応じてくれるかが問題ですが、重要なのは「相続財産の総額(金額)」を教えてもらうことです。
これさえ分かれば、財産の明細が無くても、「(生命保険金-1,500万円)+その他の1/3」の申告は可能でしょう。
もっとも納税額の計算は特殊なので、税務署の窓口で教えてもらうか、この相談で、追加で質問してください。
納税は、銀行や郵便局又は税務署でできますが、書き方がありますから税務署の窓口で教えてもらう方がよいでしょう。

以上のほか、次の点を関与税理士に確認しましょう。
「相続財産の総額を確認」した後で、
①今回の分割内容では納得できないこと。
 したがって、未分割で申告したいこと。
②生命保険金は相続財産ではないため、これを分けた場合はお母様から受け取る叔母様への贈与になり、110万円を超えると贈与税が発生すること。
③未分割での申告は、生命保険金+その他の財産の1/3で申告したいこと。
④小規模宅地等の特例を適用する場合には、「3年以内の分割見込書」を添付したいこと。
⑤以上の申告で、期限までに納税したいこと。

なお、遺産分割がまとまって納税額が減少する場合には、4か月以内に「更正の請求書」を提出します。

本投稿は、2026年04月28日 16時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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