債務控除の対象になるか対象外か
相続税の申告に向け自分なりに債務控除について調べましたが,なかなか理解が進みません。専門の先生に債務控除の対象になるか対象外か教えていただきたく存じます。
1 葬儀費用
被相続人の葬儀を2日間に分けて(1日目は火葬・通夜,2日目は葬儀・繰り上げ法要)を執り行いました。
(1)通夜,葬儀の弔問者には香典の額にかかわらず,お茶,焼き海苔とペットボトル飲料(金額2,300円程度)に会葬礼状を添えて配りました。後日1万円以上の香典をいただいた方には,額に応じ5千円から2万円相当の別のお返しを届けました。この場合,お茶,焼き海苔とペットボトル飲料は会葬御礼か香典返戻のどちらと捉えればいいのでしょうか。
(2)先に書いたとおり,葬儀に続き繰り上げ法要を同じ日に,同じ会場で執り行いました。この場合,初七日法要分のお布施と持ち帰りの法要膳は葬儀費用として控除できるのでしょうか。
2 被相続人が亡くなる前に相続人が支払った医療費・介護費
被相続人は令和6年からデイサービスを利用し,定期通院のほか令和8年に亡くなるまでの間に2回入院し,1回転院しました。被相続人はこれらの費用を支払う資産はありましたが,身体機能の低下に加え,認知機能がかなり低下し,自分で支払うことも支払いを頼むことも無理でした。そのため,デイサービス利用費,通院時の診察費,薬代,入院時の費用も相続人の私(被相続人の長男 同居)が自分の貯金から支払ってきました。この場合,被相続人が亡くなる前に私が支払った医療費・介護費は債務控除の対象になるのでしょうか。それとも扶養義務の範囲内にあたるのでしょうか。
3 未払いの住民税・固定資産税
被相続人の状況が上記2のとおりで,令和6年,7年は住民税・固定資産税を相続人の私が自分の貯金から支払ってきました。債務控除の対象になるのは「未払いの」という条件なので,支払い済みの分は対象外という認識でよろしいでしょうか。令和8年の未払いは被相続人が1回目の納期前に亡くなりましたので1年分の額になると捉えていますが,それでよろしいでしょうか。
税理士の回答
ご質問の件ですが、以下回答させて頂きます。
1 葬儀費用について
(1)会葬御礼か香典返しについて
当日、香典の額にかかわらず参列者全員に一律でお渡ししたお茶などの品(2,300円程度)は「会葬御礼」に該当し、葬儀費用として控除可能です。
後日、香典の額に応じて個別にお贈りした品が、控除対象外である「香典返し」として扱われます。
(2)同日開催の初七日法要について
法要に関する費用は原則として控除対象外です。
葬儀と同日に繰り上げ法要を行った場合でも、初七日分のお布施や法要膳として葬儀費用と明確に区分できる(領収書が分かれている等)のであれば控除できません。
ただし、費用が混然一体となって区分が困難な場合は、葬儀費用に含めるのが実務上の取り扱いとして一般的です。
2 生前に立て替えた医療費・介護費
同居のご家族が支払った場合、原則は「扶養義務の範囲」とみなされ債務控除の対象外です。
しかし、被相続人ご本人に十分な資産があったものの、認知機能の低下等により物理的にご自身で支払えず、ご長男様が「一時的に立て替えていた(立替金)」と客観的に説明できる場合は、被相続人の債務として控除できる可能性があります。
当時の通帳の履歴等から、立替の事実を立証できるかが重要になるかと存じます。
*通帳からの出金額と医療費の額が整合していたり、立替金の管理記録(メモやExcelなど)があり後日精算する意思があったという根拠となる資料がある事など
3 未払いの住民税・固定資産税
令和6年・7年分についても、上記2と同様に明確な「立替金」として証明できれば、被相続人の債務として控除の対象となり得ます。
単に支払い済みだからと即座に対象外となるわけではありません。
また、令和8年分の未払い分については、賦課期日(1月1日)時点で納税義務が成立しているため、お亡くなりになった時点で未払いの状態であれば全額が債務控除の対象となります。
実際の申告にあたっては、領収書や通帳の動きなど、現場の証拠となる資料を細かく照らし合わせて事実確認を行うことが大事となり、当該根拠資料に基づきお金の流れを説明出来る状態にしておく事が重要になります。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
詳しく教えていただき、ありがとうございました。自分が疑問に思っていたことが、スッキリしました。申告に向けて引き続き作業を進めます。
本投稿は、2026年06月29日 13時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







