父が祖母に借金 相続放棄 代襲相続 ?
父が去年逝去しました。
父方の祖母が今年逝去しました。
両親は数年前に離婚しており、父の借金が原因だった為、念の為私は父の相続放棄しました。
今年祖母が亡くなり、祖母が父(祖母から見て息子)に多額のお金を貸していることが判明しました。
私は相続放棄をしている為、その借金はどうなるのでしょうか?
伯父(父の兄)は、「お前の父の借金なんだからお前に責任がある。お袋のプラスの財産は俺が全部貰う。お前が相続辞退したら弟の借金はチャラにする。本来ならその借金分もお前が俺に返すべき。」と言ってきました。
私の考えは、私は相続放棄したので、祖母のプラスの財産を貰う権利があると思ってます。
祖母の父への借金は祖母に行き、その借金を私と伯父で分ける?そして誰に返す?という点がわかりません。
どうぞ宜しくお願いします。
税理士の回答
ご相談の内容から、順に整理します。
【結論】 相談者様はお父様の相続人ではないので、お父様の借金を直接返す責任はありません。また、お祖母様の相続では代襲相続人として権利があり、遺言がなければ伯父様が一方的に全部取得することはできません。
①お祖母様の相続での立場 相続放棄の効力は「その相続に関して」だけです(民法939条)。お祖母様の相続は別の相続で、お父様が先に亡くなっているので、相談者様がお父様に代わって相続人になります(代襲相続・民法887条2項)。お祖母様の子が伯父様とお父様の2人なら、法定相続分は各2分の1です(民法900条4号)。他にも子がいれば変わります。遺言で伯父様に全部とされていても、代襲相続人の相談者様には遺留分があります(民法1042条)。
②貸付金はどうなるか 貸付金はお祖母様の遺産として相談者様と伯父様で分ける対象(債権者の側)で、返す側(債務者)はお父様の相続人であり、相談者様ではありません。お父様の債務を誰が引き継いだかは、お父様の相続人が誰かで変わります(民法896条)。 ・お父様の子が全員放棄し、お祖母様が次順位の相続人(民法889条1項1号)として承認していた場合(期間内に放棄等をせず単純承認とみなされた場合を含む・民法921条2号)、債権と債務が同一人に帰属し、その債権は混同で消滅している可能性があります(民法520条)。ただしこの場合、お父様の他の債務もお祖母様の遺産に含まれ、代襲相続人の相談者様が引き継ぐ可能性があります。 ・お祖母様も放棄し、伯父様等の兄弟姉妹に順位が移った場合は、その方が借金を引き継いでいます。 ・相続人がいない場合は、請求により相続財産清算人が選任され(民法952条)、その遺産の範囲で回収することになります。 いずれにしても、伯父様の「お前が返すべき」という主張には法的な根拠が見当たりません。
③遺産としての価値 回収できる相手や財産がなければ、貸付金の実質的な価値は低いと考えられます。「借金をチャラにする代わりに辞退を」という提案はこの点を踏まえて慎重にご検討ください。
④遺産分割と熟慮期間 お祖母様の相続にも、相続の開始を知った時から3か月の熟慮期間があり、その期間内に承認・放棄・限定承認を判断する必要があります(民法915条1項)。「全部俺」という分割は相談者様が同意しない限り成立せず、協議が調わなければ家庭裁判所に分割を求められます(民法907条)。「辞退」が家庭裁判所での放棄か、分割協議で取得ゼロとすることかで意味が異なりますので、安易に署名せず、弁護士へのご相談もご検討ください。
⑤税金について 遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数、相続税法15条。相続人が2人なら4,200万円)以下なら相続税はかかりません。超える場合は相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告が必要です(同法27条)。代襲相続人である孫は、相続税の2割加算の対象外です(同法18条)。貸付金債権は原則として元本の価額で評価しますが、回収が不可能または著しく困難と見込まれる部分は算入しない取扱いがあります(財産評価基本通達205)。申告が必要そうな場合はお近くの税理士にご相談ください。
元々父の借金の心配はしており、祖母のプラス財産なんて興味なかったのですが、伯父の言葉で戦おうという気持ちになりました。
とても詳しく、わかりやすくご説明いただきありがとうございました。
お父様の相続放棄と、お祖母様の相続で引き継ぐ財産・債務は分けて確認する必要があると考えられます。祖母から父への貸付金については、父の相続人が誰になったか、祖母自身が父の債務を引き継いでいないかが重要です。「父の子だから返済義務がある」と即断せず、放棄の受理書類、戸籍、借用書、祖母の遺言等を弁護士へ示してください。祖母の相続の承認・放棄には原則3か月の熟慮期間があり、調査が間に合わない場合の期間伸長も家庭裁判所に確認できます。協議書への署名前に相談されるとよいでしょう。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
本投稿は、2026年11月04日 08時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







