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相続税申告における小規模宅地の特例の併用について

全部で3種類の土地を相続しました。特定居住用宅地等(住宅で使っている土地) + 貸付事業用宅地等(駐車場)+ 特定事業用宅地等(習い事の教室⇒確定申告有)
この場合、小規模宅地の特例を全て併用できるのでしょうか。
どれもそれぞれの限度面積内に収まっています。

税理士の回答

税理士ドットコム退会済み税理士

併用はできますが、貸付事業用宅地等について小規模宅地等の特例を適用する場合は、下記の計算式で特例全体の限度面積が200㎡になりますので、ご注意ください。

〇 適用限度面積
特定居住用宅地等の面積×200/330+特定事業用宅地等の面積×200/400+貸付事業用宅地等の面積<=200㎡

例えば、全て併用ではなく
特定居住用宅地等(住宅で使っている土地) + 貸付事業用宅地等(駐車場)の2種類にした方が減税出来るのでしょうか。習い事の部屋は住居の一部を使用しているので、どちらで申請しても良いのかなと思いました。3種類より2種類の方が減税出来ますでしょうか。

税理士ドットコム退会済み税理士

どのパターンで適用するのが評価額が1番減額されるかは、各土地の評価額・面積から有利判定をしなければ分かりませんので、お近くの税理士事務所にご相談されてはいかがでしょうか。

特定居住用宅地等と特定事業用宅地等は80%減、貸付事業用宅地等は50%減になりますから、限度面積を超えてしまうなら、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等で適用した方が有利になることが多いですが、貸付事業用宅地等の評価額の方が、特定居住用宅地等や特定事業用宅地等より高い場合は逆転することもあります。

また、小規模宅地等の特例は、この特例の適用を受けることができる宅地等を取得した方、全員の同意のもと適用する宅地等を決めなければなりません。

さらに、税額控除など他の計算とも総合勘案しなければ、評価額が1番低くなるようにしても、税額ベースで見たときに1番有利でないこともあります。

なお、自宅の一部で教室を開かれているということですので、その敷地については、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等に対応する面積を、居住部分の床面積と教室部分の床面積から計算することになりますので、どちらで適用してもいいというものではありません。

〇 計算例
【前提】
敷地面積・・・500㎡
建物床面積・・・400㎡
居住部分の床面積・・・300㎡
教室部分の床面積・・・100㎡

【特定居住用宅地等の面積】
500㎡×300㎡/400㎡=375㎡

【特定事業用宅地等の面積】
500㎡×100㎡/400㎡=125㎡

ありがとうございます。教室に関しては独立している訳では無く、通常応接間としても使用しています。そのため、住居として申請出来るかと思いますが、如何でしょうか。
使えるものは全て使った方が良いのかと思いましたが、全て併用より、選んだ方が良いのでしょうか。

税理士ドットコム退会済み税理士

教室に関しては独立している訳では無く、通常応接間としても使用しています。そのため、住居として申請出来るかと思いますが、如何でしょうか。
→教室兼応接間ということこですが、実際教室として利用されているということですから、そのお部屋の床面積に対応する敷地面積については、特定事業用宅地等とする方が良いかもしれません。(リスクがないという意味で)

使えるものは全て使った方が良いのかと思いましたが、全て併用より、選んだ方が良いのでしょうか。
→もちろん使える特例は使えばいいと思います。
 ただ、どうするのがベストかは、先の回答の通り全体を見て検討することになりますので、こちらのコーナーで答えを出すことは難しいです…
 小規模宅地等の特例もそうですが、相続税の申告書の作成は難易度が高いですから、相続税に強い税理士に申告のご依頼をされることをお勧めいたします。

色々ありがとうございます。
あと一点教えて頂きたいのですが、3種類併用した場合の下記の適用限度面積というのは、
特定居住用宅地等の面積×200/330+特定事業用宅地等の面積×200/400+貸付事業用宅地等の面積<=200㎡
夫々200、200、200、で合わせて600㎡までで、特定住居と特定事業が80%、貸付事業が50%ということでしょうか。

税理士ドットコム退会済み税理士

3種類併用した場合の下記の適用限度面積というのは、
特定居住用宅地等の面積×200/330+特定事業用宅地等の面積×200/400+貸付事業用宅地等の面積<=200㎡
夫々200、200、200、で合わせて600㎡まで
→いえ、貸付事業用宅地等について特例適用する場合は、小規模宅地等の特例全体での適用限度面積が200㎡ということになります。

例えば、特定居住用宅地等100㎡、特定事業用宅地等50㎡、貸付事業用宅地等80㎡であれば、
100㎡×200/330+50㎡×200/400+80㎡=165.60㎡ <= 200㎡
となり、限度面積以下ですので、すべての特例対象宅地等について小規模宅地等が適用できます。


特定住居と特定事業が80%、貸付事業が50%ということでしょうか。
→減額割合については、そのとおりとなります。


貸付事業用宅地等について小規模宅地等の特例を適用しない場合は、特定居住用宅地等は330㎡、特定事業用宅地等は400㎡までそれぞれ適用できます。

色々ありがとうございます。
では、貸付事業用宅地が200㎡を超えていた場合は、この併用は使えないということになるのでしょうか。そうであれば貸付事業用宅地等の特例を使わない方が節税になるのでしょうか。

税理士ドットコム退会済み税理士

何が1番節税になるかは、全体を見て検討することになりますので、分かりかねますが、貸付事業用宅地等の減額割合は50%と、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等の減額割合80%より低いですし、貸付事業用宅地等について小規模宅地等の特例を適用する場合、限度面積要件が200㎡となりますから、評価額を下げるという意味では、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等から優先的に小規模宅地等の特例を適用した方が有利になるケースは多いです。
しかしながら、ご相談者様の状況によっては、貸付事業用宅地等から優先的に小規模宅地等の特例を適用した方がいいかもしれませんし、一度お近くの相続に強い税理士事務所にご相談へ行かれてはいかがでしょうか。

色々と勉強になりました。ありがとうございました。

本投稿は、2021年05月20日 17時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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