小規模宅地等の特例を適応させるには具体的にどう対応すれば良いのでしょうか
私と妻と妻の母と3人で住んでいます。住んでいる家は妻の母の持ち家です。最近、子供もいなく一人暮らしだった叔父(妻の母の弟)が亡くなり、遺言により妻が叔父の預金(約1億4000万円)と家屋(土地、約4000万円。家は古く無評価)を相続することになりました。家屋分の相続税を払うのは大変なので、小規模宅地等の特例の適応を考えています。そのため今後、妻は私と別居し、実際に叔父の家に住もうと考えています。住民票を移したり、ご近所にも転居の挨拶をしたりしようと考えています。
◆質問1:このようにした場合、小規模宅地等の特例は適応されますか?
◆質問2:また、このようなケースで小規模宅地等の特例を適応するためには具体的にどのようにすればいいのでしょうか?(実際に住むと行っても具体的にはどのようにするのか。例えば週3日間は叔父の家に寝泊まりする。また、自治会に入って活動する等)
◆質問3:更に、全体の相続税を払う前に税務署に小規模宅地等の特例を認めさせるには具体的にどうすればいいのでしょうか?
税理士の回答

残念ながら、奥様は奥様のお母様の持家に居住されておりますので、小規模宅地等の特例を適用することはできません。
国税庁HP: 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
なお、財産額も多いですし、相続税の申告にあたっては、相続に強い税理士に依頼されることをお勧め致します。
相続前に住んでいなければ、相続後にその家に実際に住んでも、まるまる土地分の相続税は取られてしまうのでしょうか。遺言で相続した土地は売れません。土地について他の節税対策があれば教えて下さい。

相続前に住んでいなければ、相続後にその家に実際に住んでも、まるまる土地分の相続税は取られてしまうのでしょうか。
→小規模宅地等の特例の制度趣旨は、自宅というのは大切な生活基盤であって、相続税の納税のために、売却しないといけないような事態にならないようにということで、80%もの大きな減額ができる優遇措置です。
減額が大きい分、要件は厳しくなっています。
被相続人の自宅について小規模宅地等の特例を適用することができる方は、
① 配偶者
② 同居親族
③ いわゆる「家なき子」
です。
まず、奥様は①と②ではありませんね。
③の家なき子には、3親等内親族の所有する家に、相続開始前3年以内に住んでいないことが一つの要件にありますので、これにも該当しません。
したがって、奥様に小規模宅地等の特例を適用できる余地はありません。
奥様の叔父様はお亡くなりになってしまったということですので、今からできることとすれば、土地の評価をする時にしっかりと調査して、減額補正できるところを漏れなく減額することです。
土地の評価は非常に複雑ですので、相続に不慣れな税理士ですと、あからさまに減額補正できていない評価も見かけます。
相続を得意とする税理士を選んで依頼されてください。
なお、相続に強い税理士に依頼したからといって、必ずしも減額補正できるということではありません。
調査の結果、何も減額要素がないこともあります。
しかし、仮に減額補正できるものがなくとも、その調査をした上で結果的に減額要素がなかったのか、調査をそもそもしないのでは、大きな差があるでしょう。
最後に、こちらは専門外ですので、司法書士か弁護士にご確認をお願いしますが、遺言で相続財産を受遺者に売却させないことはできないと思われます。
もちろん遺言者が記載するのは自由ですが、法的拘束力はないと思いますので、どうしても売却したいのであれば、売却してもいいのではないでしょうか。
故人の想いを汲むかどうかのレベルの話だと思います。
なお、遺言書の法的効力については、専門家である司法書士もしくは弁護士へご確認ください。
本投稿は、2021年08月19日 01時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。