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相続税における孫名義の定期預金の取り扱いについて

父が死亡し、法定相続人は母、子A、子Bの3人です。
相続財産には、現金、不動産、証券などがありますが、子Bの子(被相続人の孫※15歳未満の未成年)名義の定期預金がいくつかあります。定期預金通帳は、子Bが持っており、印鑑は父が保管していましたが、死亡後、印鑑も子Bが持ち帰っているような状況です。そこでお尋ねです。
①この定期預金も相続財産に含まれるとの認識でよろしいでしょうか。
②子Bは、無職で収入がないのですが、父にもらっていないと言い張って申告に含めないと主張しています。子Bと私が別々に異なる内容の申告をしても大丈夫でしょうか。何か不利益になることはありますか。
③この定期預金を含めて申告して納税額が生じる場合、この定期預金額に応じた相続税は誰が支払うのでしょうか。法定相続人の子Bでしょうか、法定相続人でない子Bの子(孫)になるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。

税理士の回答

税理士ドットコム退会済み税理士

①この定期預金も相続財産に含まれるとの認識でよろしいでしょうか。
→問題の定期預金が相続財産に含まれるか否かは、慎重に判断すべきと存じます。その定期預金が形成された過程などを詳細に調査する必要がございます。
 ただ、子Bが非協力的では、判断をするだけの資料・情報を集めるのは困難を極めると思われますので、保守的に財産計上し、相続税の申告をするのも一つです。

②子Bは、無職で収入がないのですが、父にもらっていないと言い張って申告に含めないと主張しています。子Bと私が別々に異なる内容の申告をしても大丈夫でしょうか。何か不利益になることはありますか。
→別々に申告する場合、内容が異なる申告書が提出されることになりますので、税務調査がされる可能性が高まります。
 仮に、お母様とご相談者様は問題の定期預金を相続財産に計上し、子Bは財産に含めずに申告した場合には、子Bの方が申告額が少なくなりますので、まずは子Bに税務調査が行くでしょう。
 その結果、やはり問題の定期預金が相続財産であるということになれば、子Bは過少に申告したことになるので、追加で相続税本税と、追加で納付することになった相続税本税に対する過少申告加算税(もしくは重加算税)と延滞税を納めることになります。
 なお、この場合に、はじめから申告をしていたお母様とご相談者様に不利益は生じません。

③この定期預金を含めて申告して納税額が生じる場合、この定期預金額に応じた相続税は誰が支払うのでしょうか。法定相続人の子Bでしょうか、法定相続人でない子Bの子(孫)になるのでしょうか。
→その問題の定期預金がお父様の財産であったとして、その問題の定期預金に対する相続税を負担するのは、その問題の定期預金を相続する方です。少なくとも子Bの子は相続人でないため、その問題の定期預金を相続することはできませんから、お父様の相続について相続税は負担しません。
 なお、相続税は、まずお父様の遺産総額に対する「相続税の総額」を計算し、その「相続税の総額」を実際に各相続人が取得した財産の割合で負担します。
 したがって、相続税はこのような計算方法が取られていることから、その問題の定期預金を相続財産に計上する場合、計上しない場合と比べて、お父様の遺産総額が増えることに伴い「相続税の総額」も増えますので、その問題の定期預金を相続する方以外の相続人が負担する相続税も増加します。
 相続財産について、争いがあり申告期限までに遺産分割協議が成立しなかった場合におかれましても、未分割として申告期限内に申告と納税はしなければなりません。
 未分割申告では、法定相続人が法定相続分で財産を取得したものとみなして計算した場合の各相続人の相続税を、それぞれ申告期限内に納めることとなります。

国税庁HP: 相続税の計算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm

国税庁HP: 相続財産が分割されていないときの申告
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4208.htm

早速の詳しいご回答ありがとうございます。
③について、もう少し教えてください。
孫名義の定期預金が相続財産に加わることで、相続税額が増えますが、その増えた分は、法定相続人のみで払わなくてはならないということでしょうか。
孫の定期預金額は、保護者である子Bの相続財産額に加えて相続税の負担割合を決めていいのでしょうか。
また、孫の定期預金が相続ではなく贈与だったということになれば、相続税とは関係なく、孫が贈与税の申告をする必要があるとの認識でよろしいでしょうか。
何度も申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

税理士ドットコム退会済み税理士

③について、もう少し教えてください。
孫名義の定期預金が相続財産に加わることで、相続税額が増えますが、その増えた分は、法定相続人のみで払わなくてはならないということでしょうか。
孫の定期預金額は、保護者である子Bの相続財産額に加えて相続税の負担割合を決めていいのでしょうか。
→相続税法に規定されたとおり各相続人の相続税の納税額を計算すると、その定期預金を計上しない場合と比べて、定期預金を計上した方が、各相続人の納税額が増えます。これはどうしようもありません。
 例えば、本来子Aの納税額のうち、その定期預金の計上によって増えた相続税額を子Bが負担する場合、子Bから子Aへの贈与となりますので、金額によっては、子Aに贈与税の負担が生じる可能性もあります。
 先程の回答と重複しますが、その定期預金がお父様の財産であるとした場合、子Bの子は相続人ではありませんので、その定期預金を相続することはできませんし、当然に相続税も負担しません。その定期預金を誰が相続により取得するかは、法定相続人で遺産分割協議を行い決めることになります。

孫の定期預金が相続ではなく贈与だったということになれば、相続税とは関係なく、孫が贈与税の申告をする必要があるとの認識でよろしいでしょうか。
→子Bの子は未成年ということですので、お父様から子Bの子への贈与が成立しているかは、贈与契約書の有無等により慎重に判断する必要がございます。
 仮に、贈与が成立していたとして贈与税の申告が必要かどうかは、贈与税の時効である6年(悪質な場合は7年)を経過しているか否かで判断します。
 しかし、状況的に税務署からすれば、贈与税の時効が経過してしまうと、財産の移転に対し何も徴収できないことになってしまうので、お父様の名義預金でないかと言ってくるでしょう。

 複雑かつ申告内容もよく検討する必要がある事案かと思いますので、税理士に申告の依頼をされてはいかがでしょうか。

ありがとうございます。
よく理解できました。
相続に強い税理士を探してみようと思います。

本投稿は、2021年10月13日 12時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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