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  1. 個人事業主の受発注に役立つ!「支払調書」の提出義務や書き方のまとめ

個人事業主の受発注に役立つ!「支払調書」の提出義務や書き方のまとめ

はじめに

支払調書とは、フリーランスなどの個人事業主に対して報酬・料金を支払った事業者が、その明細を税務署に提出する書類のことです。源泉徴収票などと同じく法定調書の一つです。

給与所得をもらっている会社員の方などにとっては源泉徴収というものが馴染み深いと思いますが、支払調書とはこの源泉徴収票に似た書類です。

しかし、源泉徴収票と異なり、事業者は支払った相手に支払調書を発行する義務はないとされています。支払調書が欲しい場合どうすれば良いのか。また、事業者は発行を求められた場合にどうすれば良いのかについてご説明いたします。

目次

支払調書とは

支払調書とは、税務署に提出が義務づけられている資料「法定調書」のひとつとされています。このページでは「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」についてご説明します。会社員などの給与所得者が勤め先から年末に受け取る源泉徴収票と似た役割の書類です。

事業者がフリーランスなどの個人事業主に支払った報酬等の明細の書類です。一定の要件を満たすと、個人事業主には税務署に提出する義務が発生します。提出義務が発生する要件については後述します。

法定調書とは

法定調書は現時点で59種類あります。「所得税法」・「相続税法」・「租税特別措置法」・「内国税の適正な課税の確保を測るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署への提出が義務付けられている資料のことです。

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」はこの「所得税法」に規定するものの中のひとつです。

支払調書の作成方法

個人事業主へ業務を外注することが多い事業者や担当者は、書き方などを予め把握しておくと良いでしょう。ただし、税法は毎年改正されるため、必ずしも毎回同じ内容で作成できるとは限らないので注意が必要です。

記載事項と書き方

支払った前年中(1月1日~12月31日)分の報酬・料金等を以下のような支払調書の用紙に記載します。

ここでは、例として、平成28年に個人事業主であるライターに業務を外注し、原稿料として1回10,000円×4回(合計40,000円)で仕事を依頼、1月・3月・6月・12月に報酬が発生、そのうち12月分は未払いというケースでの書き方をご説明いたします。それぞれの項目の記載内容などは以下の通りです。

なお、源泉徴収税額については、消費税及び地方消費税の額を含めて判断しますが、これについて明確に区分されている場合には、その額を含めないで判断しても差し支えありません。

(1)支払を受ける者 ライターの住所・氏名・マイナンバーを記載します。
※ライター(支払を受ける者)に支払調書の写しを交付する場合には、個人番号を記載してはいけません。法人番号であればそのまま記載して問題ありません。
(2)区分 今回は、原稿料として支払っているので「原稿料」とします。
(3)細目 区分によって内容が変わります。
原稿料なので支払回数を記載しています。
(4)支払金額 平成28 年中に支払の確定したものを記載します。 支払調書の作成日時点で未払金がある場合は、未払額を内書きします。
(5)源泉徴収税額 源泉徴収の合計額を記載します。
支払金額の時と同様に、未払額を内書きします。
(6)摘要 今回はなしです。摘要事項があれば記載します。
(7)支払者 支払を行った会社の名称や個人事業主の屋号・氏名・電話番号・マイナンバーを記載します。
※ライター(支払を受ける者)に支払調書の写しを交付する場合には、個人番号を記載してはいけません。法人番号であればそのまま記載して問題ありません。

支払調書への社印(角印)の押印の義務はありませんので、押しても押さなくてもどちらでも大丈夫です。

支払調書の用紙は国税庁のHPからダウンロードできます。また、毎年国税庁のホームページで調書の作成手引がアップされるので、そちらも参考にしてみてください。

提出先と提出期限

提出の対象となる報酬等が発生した年度中の支払額が確定した時点で作成し、翌年の1月31日までに事業所を管轄する税務署に提出します。

非居住者の方に報酬等を支払った場合は、「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書」等の提出も必要になります。

支払調書提出の要否

個人事業主に支払った報酬等のすべての支払調書の提出が必要なわけではありません。

前年中(1月1日から12月31日までの間)に払った報酬等が、以下の項目に当てはまる場合に、支払調書の提出義務が発生します。

区分 金額
1.プロボクサー・モデル・外交員・電力量計の検針人などへの報酬 年額50万円を超える
2.ホステス・バンケットホステス・コンパニオンなどへの報酬
3.広告宣伝のための賞金
4.社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
5.馬主に支払う競馬の賞金 1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた方にかかるその年中の全ての支払金額
6.プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金 年額5万円を超える
7.弁護士・税理士などの特定資格を持つ人への報酬
8.原稿料・講演料・デザイン報酬など
9.1~8以外の所得税法第204条第1項の各号に規定されている報酬や料金

ただし、事業者が源泉徴収義務者でなければ、そもそも源泉徴収をする必要がありませんので、支払調書を作成する必要もありません。

源泉徴収義務者の要件や徴収額の計算方法については以下の記事を参考にしてみてください。

【発注側】支払調書の作成を求められた場合は?

4年ほど前にAmazonが支払調書の送付をやめたことがちょっとした騒動になったのを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

支払調書の義務があるのは、税務署に対しての提出のみで、支払いを受ける側の個人事業主に対しての発行義務はありません。

つまり、これまでは親切で発行をしていたということになります。

しかし、個人事業主の方の中には、支払調書を頼りに確定申告をする方もいます。今後の発注などを見据えて、付き合いを円滑にするためと考え、作成を求められた場合は、できる限り応じると良いでしょう。

また、税務署に提出する支払調書を作成する際に、2枚作成しておけば、それほど手間はかからないのではないしょうか。

【受注側】支払調書が貰えない場合は?

支払調書を作成してくれる事業者であれば、報酬を受け取った翌年の1月中旬~下旬に送付してくれるのが一般的です。もし、この時期に届かなければ、支払者に作成できないか問い合わせてみましょう。

支払調書がない場合の確定申告

支払者側から支払調書の作成を断られてしまった場合は、これまでにやり取りした取引の明細・帳簿等をすべて確認し、それを元に確定申告書に金額等を記載しましょう。

もし、税務署で支払調書の添付がないと受け付けられないと言われてしまった場合は、取引先から支払調書をもらうことができなかったことを伝え、支払調書の提出が義務付けられているのは発注側であって、受注側には添付は義務付けられていない旨を伝えてみると良いでしょう。添付義務がある書類については所得税法第120条第3項に列挙されています。

おわりに

平成28年度分からマイナンバーの記載が必要になりましたので、これまで作成業務を行っていた方は注意しましょう。支払調書を作成する際に、この記事がお役に立てば幸いです。

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