売買契約書が土地建物合計額で記載されている場合の取得費
昭和40年代に土地建物合計で700万円で取得した売買契約書がございますが、土地と建物の個別の金額は記載されていません。そして、昭和50年代に購入時にあった建物を解体し新築しましたが、この時の請負契約書など建築費の分かるものは残っていません。
今回、当該土地と昭和50年代に新築した建物を解体しない状態であわせて売却することを検討しています。売却額は3700万円と想定すると、長期譲渡所得税はどうなりますでしょうか。売買契約書が土地建物合計額での記載のため、取得費の計算が分からず質問いたしました。
捕捉として、今回は3000万円控除の空き家の特例やマイホーム特例は利用できないものとしてお願いいたします。
税理士の回答
坪井昌紀
当初購入時の土地と建物の価額按分については、国税庁ホームページの「譲渡所得の申告のしかた」の30ページ目くらいを参考に計算できるかもしれません。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/kisairei/joto/index.htm
その後に建てた建物は、その購入費を計算することになります。
回答は以上とします。
増井誠剛
取得費を実額で立証できないため、譲渡価額の5%を取得費とみなす「概算取得費」で計算する可能性が高い事案です。昭和40年代の700万円の取得価額や、昭和50年代の建築費が証明できない以上、税務上は実額主張が困難と判断されます。
譲渡価額3,700万円の場合、概算取得費は
3,700万円 × 5% = 185万円。
これに、譲渡時の仲介手数料・登記費用などの譲渡費用を加算し、課税長期譲渡所得を算定します。
仮に譲渡費用を100万円とすると、
課税長期譲渡所得 = 3,700万円 − 185万円 − 100万円
= 約3,415万円。
長期譲渡の税率は所得税15%・住民税5%・復興税0.315%で、合計20.315%。
この場合の税額は、
約3,415万円 × 20.315% ≒ 約694万円となります。
要点は、取得費を立証できなければ概算5%が原則となる点です。
坪井先生、増井先生ご回答いただき誠にありがとうございます。
ご案内いただいた内容を参考に手元にある書類から検討いたしましたが、登記簿謄本(閉鎖謄本)を取得して必要な情報が確認できれば取得費を算出でき、そうでなければ、概算取得費(5%)より取得費を算出することになると思われます。
お二人の先生のご案内に大変感謝しております。
ありがとうございました。
鎌田浩司
譲渡所得の取得費の計算は、次のようにできます。
①土地の取得費
昭和40年代の700万円から建物の価格を差し引きます。
この場合、「建物の標準的な建築価格表」を基に建物の価格を計算できます。
②建物の取得費
3,700万円の内訳としての建物の価格×5%
鎌田先生ご回答いただき誠にありがとうございます。
昭和40年代に土地建物合計で700万円で取得したときの建物の閉鎖謄本を確認いたしましたが、新築年月日が不明でした。しかし、昭和29年には存在していることは確認ができました。また、建物面積の確認ができました。
この事実をもって、「建物の標準的な建築価格表」を基に建物の価格を計算することは、税務上可能だとお考えになりますでしょうか。
もしご覧になっておられましたら、どなたでも結構ですので、ご教授いただけますと幸いです。
鎌田浩司
建物の標準的な建築価格は、年々増加していると思われます。
国税庁のホームページにあるものは、昭和34が一番古いようです。
いずれにしても、この価格を基に計算することは問題ないと思います。
なお、昭和40年代の取得時が新築でない場合には、経過年数に応じた減価償却をします。
鎌田先生ご回答いただき誠にありがとうございます。
ご回答の趣旨は、建物の標準的な建築価格は、年々増加しているため、昭和34年以前に新築されたと立証できる建物については、「建物の標準的な建築価格表」の一番古い建築価格である昭和34年を利用して計算すると、実際に生じたと考えられる建築価格より高額で建築価格を見積もることになり、その建築価格をもとに取得費を算出しても、不当に税金を抑制する結果にはならないと判断できるため、税務署もその試算(推定計算)を用いた申告を受理(認容)されるだろう。とのご趣旨と理解いたしました。また、昭和40年代としておりますが、この時の売買年月日と登記変更日も確認できる書面がございます。経過年数に応じた消化減却も算出できると思われます。もし使用語彙の不適切な個所がありましたら、素人ゆえご容赦ください。このような試算で申告することを、最寄りの税務署に確認のうえ検討したいと思います。
鎌田先生、再度のご回答ありがとうございます。スレッドの最後までお付き合いいただき感謝申し上げます。また、先に回答くださいました坪井先生、増井先生、大変参考になるご示唆をいただきとても感謝しております。お一人しか選べないため、鎌田先生の最後のご案内をベストアンサーとさせていただき失礼させていただきます。坪井先生、増井先生、鎌田先生、ご協力誠にありがとうございました。
× 消化減却
〇 減価償却
修正いたします。
本投稿は、2025年11月16日 21時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







