前職や副業がある場合の退職金の源泉所得税の計算方法について
退職金の源泉所得税の計算方法について、退職所得の受給に関する申告書の提出は有る前提での質問です。
まず解説で見る「重複期間」というのは例えば1/31前職を退職し2/1入社といった場合は無関係でしょうか?副業兼業(親会社と子会社それぞれ雇用含む?)のケースを指しているのでしょうか?
重複期間がない場合、6年以上の勤続年数ならシンプルな計算で控除額出して非役員は1/2して税率掛けるだけでしょうか?
重複期間がない場合、5年以内の勤続年数ならその1/2がないだけでしょうか?他にも変わるでしょうか?
それぞれ前職で幾ら退職金を貰ったか(控除適用されたか)は関係ないのでしょうか?(それだと悪用されそうな気もしますが)
また兼業先で退職金があった場合は計算方法はどのように変わるのでしょうか?この場合でも重複した「期間」が勤続年数に影響するのみで、兼業先で幾ら退職金を貰った(控除適用された)かという「金額」は影響しないのでしょうか?
税理士の回答
良波嘉男
① 結論
ご質問の理解でほぼ合っています。退職金の源泉税計算で問題になる「重複期間」とは “前職と現在の勤務が同じ期間に重なっている場合だけ” です。ご質問のような
1/31 退職 → 2/1 入社
のように勤務が途切れてバトンタッチしているだけなら重複ゼロで、全く関係ありません。
また、前職の退職金の“金額”は一切影響ありません。影響するのは“期間(勤続年数)だけ”で、兼業先で退職金があっても、問題になるのは“期間の重複”だけというのが退職所得のルールです。
② 理由
1. 「重複期間」とは何か?
退職所得控除は勤続年数 × 一定額で決まります。
したがって、同じ時期に複数社で働いていた(ダブルワーク)場合、同じ1年間を“2年としてカウントしないように調整する”のが重複期間の意味です。
よって、
前職 → 退職
翌日 → 新しい会社に入社
これは勤務期間が重複していないため、何も調整不要となります。
2. 勤続6年以上・5年以下の取り扱い
相談者様の理解は適切かと思います。
6年以上(非役員)
退職所得=(退職金-退職所得控除)× 1/2
※これは標準の計算
5年以下(非役員)
退職所得=(退職金-退職所得控除)× 1(1/2しない)
→ その他大きな差はありません。
※ 役員は別ルールですが、今回は対象外かと。
3. 前職の退職金の「金額」は影響するか?
影響しません。
退職所得控除は期間(勤続年数)で決まり、金額とは連動しないため、前職でどれだけ退職金をもらったかは今の退職所得計算に全く影響しません。
「悪用できるのでは?」と思われるかもしれませんが、税務側は “勤続期間の実態だけ” を見るため、問題ありません。
4. 兼業(副業)先でも退職金が出た場合
ここでも重要なのは “重複期間の調整だけ” です。
例:
A社:2015〜2024
B社:2020〜2024(副業)
→ 2020〜2024の4年は重複
→ 退職所得控除に使える勤続年数は
2015〜2024の10年+B社の独自期間0年=10年(重複分は1回しかカウントしない)
ここでもB社でいくら退職金をもらった、A社でいくら退職金をもらった
という金額は影響せず、勤続期間だけが調整対象です。
③ 実務処理(ご提案)
退職所得の受給に関する申告書に
勤続期間(重複記載)
役員か否か
を記載し、会社は
勤続年数に基づき控除額を算定
1/2適用の有無を判断
分離課税の源泉税率で計算
するだけです。
金額連動はしません。
本投稿は、2025年11月28日 17時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







