退職所得の受給に関する申請書の「期間」記載に関してのご相談
本年6/30にて現在勤務している会社を退職します。
その際、標題の申請書を会社へ提出する必要があり、ご相談させていただきます。
以下の通り複雑な経緯をたどっています。
1989/4/1~2010/2/28
A社での確定年金(CB)
2010/3/1より新たに、確定排出年金開始
(それまでのCB分は凍結)
2010/3/1~2011/6/30
2011/6/30にてA社の休職制度を利用し、B社へ就職
(A社がB社の株を保有し、A社指定で就社が認められる。それ以降の
A社からの収入はゼロ。)
2011/7/1~2012/3/31 個人のDCに加入(上記DCに継続するかたち)
2012/3/31にてB社を退職
2012/5/1 C社へ就職(半年間非正規(試用期間))
2012/10/1 C社の正社員になり、退職制度が適用
2012/5/1 C社のCBへ上記分DCが移換
2015/1/15 A社退職
2020/4/1 C社がCBからDCへ移換
2025/1/15 C社を定年退職
上記DC約650万円を受給
(15年間分の退職職控除)
その際の退職所得源泉徴収票の記載は以下
期間 2010/3/1~2024/12/31
そして、
2025/1/16~2026/6/30 再雇用
(連続で全く同一の職務、収入は3割ダウン)
特別退職金という名目で約970万円受給予定
そこで、当該「申告書」の期間について:
申請内容は
①今回受ける退職金額と就社期間 A欄に記載
②過去、退職金を受け取った場合の退職金と就社期間 C欄に記載
③上記の重複期間分を D欄に記載
ある見解:
A欄の③に社Cの勤続期間 2012/5/1-2026/6/30
C欄の⑥にCB分の期間 2010/3/1-2024/12/31
C欄の⑦に 2012/5/1-2024/12/31
一方、別の見解:
A欄の③は連続性を重視して、 2010/3/1-2026/6/30
または 1989/4/1~2026/6/30(CB退職の控除が15年なので可能性低)
C欄の⑥に確定拠出に関しての期間 2010/3/1-2024/12/31
C欄の⑦に2010/3/1-2024/12/31
以上、長文ですが、どれが正しいかご教示頂得れば大変、助かります。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
結論から申し上げますと、原則としては「ある見解」が正しい可能性が高いですが、C社の退職給与規程(または特別退職金の支給規程)における「勤続期間の通算規定」の有無によって、正しい記載方法が分岐するかと存じます。
以下に判断の基準とそれぞれの記載方法をまとめてみましたのでご参考にしてみて下さい。
1. 原則的な取り扱い(「ある見解」が該当)
所得税法上、退職所得の勤続期間は「その退職手当等の支払者の下において退職の日まで引き続き勤務した期間」とされています。したがって、特別な通算規定がない限り、現在の会社(C社)に入社した日がA欄の起算日となります。
多くの場合、再雇用終了時の特別退職金は自社での勤続期間のみを計算の基礎としているため、こちらが該当します。
A欄 ③(今回の勤続期間): 2012/5/1 - 2026/6/30 (C社入社から退職まで)
C欄 ⑥(過去の確定拠出年金): 2010/3/1 - 2024/12/31 (源泉徴収票の記載通り)
D欄 ⑦(重複期間): 2012/5/1 - 2024/12/31 (A欄とC欄の期間が重複している期間)
2. 例外的な取り扱い(「別の見解」が該当)
中途入社時にDCをC社のCB(後にDC)へ移換されていますが、もしC社の退職給与規程において「中途採用前の他社での期間(あるいは移換された年金の加入期間)を通算して、今回の特別退職金を計算する」旨が明確に定められている場合は、所得税基本通達30-9(引き続き勤務した期間の計算の特例)が適用されます。
この特例に該当する場合は、通算の対象となった初日がA欄の起算日となります。
A欄 ③(今回の勤続期間): 2010/3/1 - 2026/6/30 (通算の初日から退職まで)
C欄 ⑥(過去の確定拠出年金): 2010/3/1 - 2024/12/31
D欄 ⑦(重複期間): 2010/3/1 - 2024/12/31 (結果として全期間が重複)
※もし1989年からのA社CB期間まで含めて今回の退職金が計算されているという(極めて稀な)規定があれば、1989/4/1起算となります。
<実務上の確認ポイント>
ご記載頂いた「ある見解」の方で記載頂く可能性が高いかと存じますが、どちらの見解を採用すべきかを確定するためには、C社に対して「今回支給される特別退職金は、いつからいつまでの期間を計算の基礎としているか(他社の期間を通算しているか)」を確認していただくのが一番確実かと存じます。
*実務上、企業年金の移換を行っていても、会社から直接支給される一時金(今回の特別退職金など)については他社期間を通算しないケースが圧倒的に多いため、特段の規定がなければ「ある見解(A欄:2012/5/1起算)」で申告書を作成して差し支えないと考えられます。
以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
能登路先生
およそ素人には判断しにくい内容を非常にクリアにご説明いただき、誠にありがとうございました。
C社の退職金規定およびC社企業型年金規定がありましたので、そこを読み込み、要点となる部分を
もって、C社の人事担当者へ問い合わせを行い、本件の決着を図りたく存じます。
この度は、誠にありがとうございました。
(数万円程度の「節税」はできなくなる可能性が高くなりましたが、
その分、税に対する「知見」を得るよい機会となりました。
なお、このサイトはA社時代の友人であるところの、現税理士から教えてもらいました。)
本投稿は、2026年04月30日 15時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







