合名会社の債務免除の場合の社員の債務免除益
合名会社の代表社員(無限責任社員)です。会社法580条により会社債務について無限連帯責任を負っており、税務上も保証人と同様の立場と理解しています(所得税法64条の保証債務特例の対象にもなっていると承知しています)。
このたび合名会社が金融機関から債務の免除を受ける予定です。会社の債務が消滅すれば社員の無限連帯責任も当然に消滅すると考えていますが、この連帯責任が消えることについて、社員個人に債務免除益(一時所得等)は発生するのでしょうか。
保証人の保証債務が免除された場合には、偶発債務の免除にすぎず債務免除益は生じないという回答を別の相談で見ました。合名会社の無限責任社員も同じ扱いになるかを知りたいです。
なお、私自身は社員として会社債務を弁済したことはありません。また、連帯責任を免れても個人としては債務超過の状態です。
税理士の回答
竹中公剛
この連帯責任が消えることについて、社員個人に債務免除益(一時所得等)は発生するのでしょうか。
何もなかったことになるだけです。
一時所得は発生しない。
保証人の保証債務が免除された場合には、偶発債務の免除にすぎず債務免除益は生じないという回答を別の相談で見ました。合名会社の無限責任社員も同じ扱いになるかを知りたいです。
同様と考える。利益は得ていない。保証がなくなっただけです。
相亰俊信
お世話になります。
合名会社が金融機関から債務免除を受け、その結果として無限責任社員の責任が消滅しても、社員個人に債務免除益(一時所得・雑所得等)は生じないと考えられます。課税関係が生じるのは、免除を受けた会社側(法人税の益金)となります。
会社法580条1項の無限責任社員の責任は、会社財産で会社債務を完済できない場合などに負う補充的な責任です。また、会社債務の存在を前提とする性質(付従性)があります。そのため、会社の債務が消滅すれば社員の責任も当然に消滅しますが、これは社員固有の債務が免除されたものではありません。将来負担するかもしれなかった偶発的な債務が消えたにとどまり、社員の財産が増えたり、具体的な債務の弁済を免れたりする経済的利益(所得税法36条の収入金額)があったとはいえません。
所得税基本通達64-4でも、無限責任社員による会社債務の弁済は保証債務の履行に含まれるものとして扱われており、税務上は保証人と同様に考えてよいと思われます。なお、社員として弁済したことがないとのことですので、求償権(会社に立替分を請求する権利)の放棄や、所得税法64条2項の特例の問題も生じません。
上記は、免除の対象が会社の債務のみであることを前提としています。社員個人名義の借入れについても併せて免除を受ける場合には、その部分は個人の債務免除益となります。ただしその場合でも、資力を喪失して弁済が著しく困難であれば、所得税法44条の2により総収入金額に算入しない余地があります。債務超過であることは判断要素の一つですが、要件に当たるかどうかは個別の確認が必要です。
会社側では債務免除益が益金となります。要件を満たせば、期限切れ欠損金(青色欠損金の繰越期間を過ぎた欠損金)の損金算入(法人税法59条)を検討する余地があります。
また、免除するのが個人ではなく金融機関であれば、出資持分の価値増加に対する贈与税(相続税法9条、相続税基本通達9-2)の問題も通常は生じません。
ありがとうございます。
合名会社の債務を免除するだけです。
合名会社の方の債務免除益は損金と打ち消して、課税はない見込みです。
なので、
合名会社に対する免除に伴い、付従性により社員である私の債務が消えることは課税がないと理解しました。
安心しました。
ありがとうございました。
ちなみに、所得税法44条の2を検討するまでもなく、
そもそも所得にならない
という理解でよろしいでしょうか
本投稿は、2026年10月14日 17時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







