建物の無償譲渡 第三者間取引
個人の土地を会社に貸し付け、会社が建物を建てています。
その建物を個人に無償譲渡(贈与)した場合、税金はかかるのでしょうか(あげたほう、もらったほう)。
なお、個人と会社は同族関係などではなく全くの赤の他人です。
税理士の回答
個人に無償譲渡した法人側は時価で譲渡したとみなされるため、
建物の簿価より時価が高ければ売却益が生じます。
譲り受けた個人は時価で譲り受けたとしてその金額が所得となります。
池田康廣
個人の土地に法人が建物を建築した場合、法人には借地権が発生します。
法人が個人に資産を無償譲渡(贈与)した場合、取得した個人に対して一時所得として所得税が課税されますが、建物を無償譲渡(贈与)した場合、借地権も同時に無償譲渡(贈与)したことになります。
無償譲渡(贈与)した法人は会計上、寄付金として損金算入されますが、法人税法上、寄付金の損金不算入として税務調理により加算され、課税されます。
ただし、無償譲渡(贈与)するまでに早急に所轄税務署長あてに「借地権の無償返還の届出書」を提出した場合には借地権については課税されません。
ご回答ありがとうございます。
借地権も関係してくるのは気づきませんでした。
これが仮に無償譲渡ではなく低額譲渡であった場合も同様の扱いでしょうか?(時価との差額が一時所得になる?)
第三者間取引の場合、その実際の取引価格が「時価」である、との考え方もあるようですが、このケースでは当てはまりませんか?
池田康廣
時価との差額が一時所得というより、低額譲渡価額でなく、時価が収入金額となるので結果は同じです。個人間の低額譲渡では相続税法第7条の規定により時価との差額が贈与価額となり、買主に贈与税の申告義務が発生しますが、法人には贈与税の課税という概念はありませんので時価が適正価額となります。また、個人(売主)対法人(買主)の低額譲渡の場合は所得税法第59条の規定により、時価の2分の1以下の価額で譲渡した場合は時価の収入金額で譲渡所得が課税され、また法人については時価と譲受価額の差額を「受贈益」として計上することになります。
時価とは売主・買主の間に特殊関係がなく、売り急ぎ・買い進み等当事者の力関係が不均衡でない場合に通常成立する価額なので、第三者間の取引が時価とは言い切れないと考えます。
本投稿は、2022年04月05日 13時32分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







