国外転出時課税制度について
出国税(国外転出時課税)のある意味では基本的なところですがわからなくなってしまいました。
納税管理人を定めず、出国前に確定申告をする場合の話です。(対象資産の価額は1億円超えているとします)
この場合、出国の3ヶ月前の価額で決済が行われたとして課税額を計算するかと思います。
証券Aのデリバティブポジションを出国3ヶ月前には含み益としてもっていたものの、その後価格下落したので出国1ヶ月前に損益なしで売却決済したとします。
この場合、3ヶ月前の価額をもとにすると課税対象となりますが、出国時には保有していなくても課税されるのであっているのでしょうか?
それとも、出国前に売却しているのでこの部分に関しては出国税の対象外なのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

土師弘之
国外転出時課税制度とは、「国外転出をする時点」で1億円以上の有価証券や未決済の信用取引などの対象資産を「所有等している一定の居住者」に対して、「国外転出の時」に、国外転出の時の価額又は国外転出の予定日の3か月前の日の価額で対象資産の譲渡等があったものとみなして、その対象資産の含み益に対して所得税が課税される制度です。
つまり、「国外転出時点」で「対象資産を所有している場合」に対象となるのですから、出国時に売却済みの場合には課税対象にならないことになります。
ちなみに、国外転出の前に確定申告書を提出する場合には、国外転出の予定日から起算して3か月前の日の対象資産の金額を基に判定・計算し、国外転出後に確定申告書を提出する場合には、国外転出時の金額を基に判定・計算するということです。
ご回答ありがとうございます。
そうすると、仮に出国3ヶ月前に、
証券 Aで含み益2億円、
証券Bで含み益2億円の合計4億円だったとしても、その後、証券 Aだけ暴落して損益なしで利確した場合は、証券Bのみが国外転出課税の対象という認識で良いでしょうか?
仮に証券Bも暴落して含み益5000万円まで減ってると証券Bも出国税の対象外になるのでしょうか?

土師弘之
出国前に証券Aを売却しているのであれば、証券Bのみを対象とすることになります。
納税管理人を届けない場合には出国時までに確定申告する必要がありますので、3か月前の評価額で判断します。したがって、2億円で判断・計算することになります。出国時に暴落していても5,000万円には出来ません。
ご回答ありがとうございます。丁寧なご説明で私でも十分理解できました。大変助かりました。
本投稿は、2022年06月16日 20時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。