納税の猶予と換価の猶予の違い
納税の猶予と換価の猶予の違いを具体的に教えてください。
税理士の回答

後藤隆一
以下に回答します。
- 法的根拠と位置づけ
- 納税の猶予:国税通則法に基づく「納付の繰延べ」の制度。災害・事業の休廃業・著しい損失・課税の遅延等で期限内納付が困難なときに、原則1年以内の分割納付を認め、延滞税を免除又は軽減するのが基本です。
- 換価の猶予:国税徴収法に基づく「滞納処分(差押財産の売却=換価)の停止と分納」を通じて履行を確保する制度。納期限後の段階で、要件を満たせば延滞税を軽減しつつ分納を認めます。
- 典型的な利用局面
- 納税の猶予:まだ滞納に至る前(又は至った直後でも)、「期限内納付が難しい」という事情の救済色が強い制度。
- 換価の猶予:既に納期限が過ぎ、滞納処分(差押・公売)のおそれがある段階で、換価を止めて計画的に納付するための制度。
- 申請期限
- 換価の猶予:該当税目の「納期限から6か月以内」に申請が必要(延滞税は納期限翌日から発生するため、早い申請が実務上有利)。やむを得ない事情があれば個別延長の余地あり。
- 納税の猶予:類型により異なる(例:災害は「災害のやんだ日から一定期間」等)。6か月の一律期限はなく、事由ごとの手続に従います。
本投稿は、2025年10月06日 21時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。