本帰国後の長期海外での海外資産の移動に際しての課税
以前もご相談させていただいたのですがその時は日本で居住者となったのちのユーロでの送金についてでしたが同様の状況の友人と話していると「日本居住者となってからユーロで日本のユーロ口座に送金するのではなく日本の円口座に送金すると為替益はないので課税されないのでは?」と言われました。
確かに日本の自分の円口座に円で振り込むと為替差益は発生しないので課税もないと思いましたが正しいでしょうか?
勿論銀行の為替レートで手数料もたっぷり取られるとは思いますが為替益とみなされないので課税対象にはならない気がします。
もしこの理解が正しいなら例えば資産の半分をユーロで、半分を円で円口座へ送金したいと考えています。
こちらでたっぷり税金を取られているのでお金を移動しただけで課税されるのは避けたいのです。
ユーロ口座から日本の円口座へ円で送金すれば本当に課税はされないのでしょうか?
それとも資金元が過去30年のユーロでの給与だと「みなし課税」などされる可能性はありますか?
この点をどうしてもクリアにしたいのでご助言をよろしくお願いします。
税理士の回答
土師弘之
為替差損益は通貨の交換によって生じます。したがって、海外の口座でユーロから円貨に交換したところで、海外で通貨を交換したのですから「為替差損益」は必ず生じます。
そして、日本の居住者に対してはすべての所得(世界中で発生した所得)に対して課税されますから、ユーロ口座から日本の円口座へ円で送金しても為替差益が発生しているのであれば課税対象となります。
なお、給料を外貨(ユーロ)で受け取った場合には、その時点での円レートで換算して為替差損益を計算することになります。
度々のお返事ありがとうございます。
どちらにしろ課税されるということですね。
ユーロで給与を貰い、ユーロで生活してきたので個人的に為替益が出たわけでもないので正直納得はできかねますがそういう事なのですね。
ありがとうございました。
再度すみません。サイト内を見ておりますと
2022年11月29日の「確定申告」のカテゴリーにて「為替差益の計算方法」というご質問で竹中税理士の回答は「海外での収入を例えば$を円に換えても、為替差損益は計算しません」となっており、混乱しています。
どちらが正しいのでしょうか?
よろしくお願いします。
土師弘之
「円貨→外貨→円貨」のような往復でないと「為替差損益」は発生しないと思っている税理士は少なからずいます。「海外で」という点を理由にしているのかもしれませんが、日本の居住者は「全世界所得課税」です。
「外貨→円貨」の一方通行であっても「為替差損益」は発生します。「為替差損益」とは「異なる通貨の交換」の際に(レート差で)発生するものです。そのため、ユーロ圏内で生活している限り、つまり他の通貨に交換するようなケースがなければ「為替差損益」は発生しません。
例えば、1ドル100円の時代に給料を1ドルもらった場合、その時の1ドルの価値は100円です。つまり100円の価値のあるものしか買えません。
これを、1ドル155円の今、円貨に交換した場合155円が手に入り、155円のものが買えます。
この差額をどう見るかというのが「外貨建取引」です。
国税庁ホームページの質疑応答事例に「保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合の為替差損益の取扱い」の回答がありますので、参考としてください。
本投稿は、2025年12月22日 02時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






