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海外銀行の現地通貨預金を円転した時の為替差損益計算方法を教えて下さい

長年海外在住で現地の銀行に現地通貨預金を残したまま帰国しました。日本での生活費のために円転したいのですが、為替差損益計算にあたって、元々円から現地通貨へ換金してないので(現地通貨で得た収入)どう計算すべきでしょうか?また、現地通貨300万の内100万を円転したいと思っていますが、為替差損益計算は円転する現地通貨100万についてのみで、日本へ送金してもしなくても利益が出れば申告必要ですよね?ネットで調べると、円転レートと比較するレートは、帰国日(非居住者から居住者になった日)のレートだったり、現地在住中(非居住者期間)その収入を得た日のレートだったりと様々です。もしその収入を得た日とすると、円転する現地通貨100万になるまでの長期間しかもその間何回も収入支出があるので、どう遡るのかさっぱりわかりません。ご教授いただけますようお願い致します。

税理士の回答

 円をドルにし、その後円にした場合には、当然為替差損益の計算が必要ですが、もともとドル建てで自分の資産になったものを、帰国のタイミングで円にした場合には、実務上は「居住者となった日(帰国日)」のレートを取得価額として計算するのが一般的です。

 本来、所得税法上は「外貨を取得した時点」のレートで計算するのが原則です。しかし、長年の海外生活で得た収入(給与など)を合算した預金の場合、過去すべての入金時のレートを遡って計算(総平均法に準ずる方法)することは現実的に不可能です。そのため、実務では以下のように考えます。

 基準となるレート(取得価額): 日本に帰国した日(居住者となった日)のTTM(対顧客電信売買相場の中値)を使用します。
 非居住者期間に得た所得は日本の所得税の対象外ですが、居住者になった瞬間にその外貨を「その時の価値で取得した」とみなして、その後の変動分を日本での課税対象とする考え方です。帰国時に日本の居住者になったと考えられますから、その時点で取得したと考え、その時のレートと実際に両替した際のレートの差額が為替差損益の処理をすべき金額となります。
 ですから、非居住者期間中に円転してしまえば、為替差損益の処理は不要という事になります。

山口税理士様
早速の回答ありがとうございます。よくわかりました。念のため確認なのですが、この税理士ドットコム内の過去の相談で、私のように元々外貨で得た資産を円転する場合、例えそのタイミングが帰国して居住者になってからでも、為替差損益自体が発生しないという回答がありました。一番最近では昨年2025年の相談で、相談者の方は結局東京の税務署3か所に直接問い合わせて、為替差損益申告不要という回答をもらったそうです。この点はどのようにお考えになられますか? もし問い合わせた税務署の言う通り申告しなくて、後日申告漏れなんてことになったりしないでしょうか? 心配なら申告しておいた方がいいのでしょうか? お返事いただけると幸いです。よろしくお願いします。

 私もいろいろと質疑回答事例を確認してみたのですが、ピッタリの回答例はありませんでした。国税不服審判所の裁決事例も確認しましたが同様でした。材料がないところでは、職員も各自の考えになってしまうわけで。。調査の際も同様ですよね。今回の事案において、A職員は課税しない。B職員なら課税すると。本来ならばそのようなことがないように、調査審理をする担当者がいるのですが、質問が上がってこなければそれまでなので。私は税務署時代に審理専門官という、職員から質問を受ける係におりましたが、為替差損益については、あまり質問事例が多くないためか、職員の間にも理解がされていないのが実情です。現役時代に、今回の事例と同様の事例があり、過去の税務署の質疑事例を探しても見つからず、国税局の担当部署と相談して、上記回答のような答えを導き出しました。しかし、これも私と国税局の担当者の考えであり、法律にズバリ書いていない以上、推測するしかないわけです。裁決や判決が出ればそのとおりですが、同じ事例でも異なる裁決や判決が出ることは税法だけの問題ではありませんよね。
 ポイントとして、税額が多額になりそうで、争訟が見込まれる場合には、所轄の税務署(コールセンターや税理士会の無料相談所ではダメ)に直接問い合わせて、担当者の名前紹介日時を控えておくことです。もし、後日照会内容と異なる処分があった場合でも、職員誤指導という事で、ペナルティに相当する附帯税は軽減されるはずです(本税は納めなくてはなりませんが)。
 いずれにせよ、所轄の税務署が何というか、その回答を記録しておき、そのとおりに申告の判断をされるのがベストだと思います。
 安直に考えてしまうと、円→ドル→ドルではないのだから、利益は出ないと回答してしまいそうですが、
 ドルで稼いだ→日本に来た(ここで含み益の計算がスタート)→実際に円転した(ここで利益が確定する)という考えが、スッキリすると私は思っています。もし税務署に聞かれるのなら、こういう考えもあるとは思いますが、どう思いますか?のような聞き方をされるのがよろしいかとおもいますよ。

凄くわかりやすい回答を頂きありがとうございました。疑問が解けて安心しました。アドバイスの通りに対処していきます。
 つきましては私の夫のケースについてもご教授いただきたく、質問を続けます。
海外在住中に現地の方と結婚し、日本で老後を暮らすため一緒に帰国しました。彼にも来日前に貯金した現地通貨預金があります。今はまだ非永住の居住者なので、海外起因の収入は5年間非課税とのことで預金の利子所得は申告していません。当然のことながら、現地通貨を円転しても為替差損益処理はしていません(日本に持ち込んでいないので)。正しいですよね?
 しかし6年目になったら日本人の私と同様になるので利子所得や為替差損益処理が必要になると思うのですが、以下質問です。
1.満6年になるのが8月18日なので、この日以降の分を申告すればいいのですよね?それとも申告年度であるその年の1月1日から申告対象になりますか?
2.為替差損益処理の基準日は入国した年でしょうか?それとも私と同様の居住者となる6年目でしょうか?
3.申告年度の所得が現地通貨の利子所得のみで、円転した時に為替差損が出ていたら、総所得は相殺されて少なくなりますか?
 よろしくお願いします。

 まず、現在「利子所得を申告していない」「為替差損益を計算していない」という対応は、国外源泉所得が日本へ送金されていない限り、非永住者の規定通りであり正しい判断です。
 ご質問の3点については、以下の通りとなります。
 申告対象となるタイミングですが、満5年を超えた当日(8月18日)以降の所得が申告対象となります。非永住者の期間は「過去10年以内に住所等を有していた期間の合計が5年以下」と定義されていますので、1月1日に遡って課税されることはありません。8月17日までは「非永住者」として国外源泉所得(送金分を除く)は非課税ですが、8月18日以降に発生した利子や為替差損益については、永住者として全世界所得課税の対象になります。

為替差損益の基準日(取得価格の算定)
 原則として、「外貨を取得した日」が基準となります。
 日本の税法上、非永住者から永住者に区分が変わったからといって、その時点のレートで取得価額を洗い替える(ステップアップする)規定が無いことは、左記の質問の通りですね。非永住者は、国内源泉のみ課税するルールですから、居住者になった日以降、日本に持ち込んだものが為替差損益の処理の対象となります。取得金額は持ち込んだ日のレートで考えてください。

利子所得と為替差損の相殺について
 残念ながら、利子所得と為替差損を相殺して総所得を減らすことはできません。海外預金の利息は「利子所得」となり、総合課税(または申告分離課税)の対象です。外貨預金の払出し等で生じる差損益は「雑所得」に分類されます。税法上、利子所得の黒字を雑所得の赤字(為替差損)で差し引くことは認められていません。雑所得内(例:他の外貨取引の利益など)での相殺は可能ですが、利子所得には影響を与えません。

山口税理士様
迅速なご回答ありがとうございます。確認です。

為替差損益の基準日は入国日
 非永住、永住にかかわらず、居住者になった日ということですね?但し、現在はまだ非永住者なので、日本に持ち込まなければ計算不要、持ち込んだら、実際円転した日ではなく持ち込んだ日を取得日として計算、永住者になる6年目の8月18日以降は、日本に持ち込んでなくても円転したら計算必要で合ってますか?
 ちなみに、非永住者期間に円転して現地銀行口座に保管していた日本円を永住者になってから日本に持ち込んでも、単なる口座間の資金移動ですよね?

>>非永住、永住にかかわらず、居住者になった日ということですね?但し、現在はまだ非永住者なので、日本に持ち込まなければ計算不要、持ち込んだら、実際円転した日ではなく持ち込んだ日を取得日として計算、永住者になる6年目の8月18日以降は、日本に持ち込んでなくても円転したら計算必要で合ってますか?

その認識でよろしいと思いますよ。

>>ちなみに、非永住者期間に円転して現地銀行口座に保管していた日本円を永住者になってから日本に持ち込んでも、単なる口座間の資金移動ですよね?
はい。そのとおりです。

よろしくお願いいたします。

山口税理士様
ご回答ありがとうございました。私の認識に間違いなく安心しました。

最後にもう一つ教えて下さい。
実は彼の現地口座には現地通貨と日本円の他にもう一つ別の国の通貨が預金されています。来日前からあるもので、現地通貨からその別国通貨、またその逆を繰り返しています。
彼が永住者になってから日本円以外の通貨間で両替した時、為替差損益の計算は必要でしょうか?
必要な場合、どのように計算するのでしょうか?

例えばですが、現地通貨Aと別国通貨Bが各100あったとします、彼が居住者になった時、ABを日本円に換算するとA2000円、B2500円だったとします。
ある時A50をBへ両替したらB45になり、残高は
A50、B145になりました。為替差損益はどうなりますか?

よろしくお願いします。

本投稿は、2026年04月01日 10時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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