海外移住(非居住者)に伴う業務委託報酬の「後払い・プール」の税務リスクについて
主人の海外赴任に伴い、今夏から5年間海外へ移住する予定です。移住に伴い、日本の住民票は抜くため税法上の「非居住者」となります。
移住後も、現在勤めている日本の会社(中小企業)と「業務委託契約(フルリモート)」を結び、海外から継続して業務を行う予定です。
現在、主人の会社の健康保険の扶養内(収入制限内)で働くことを希望していますが、会社側からはそれ以上の業務量を求められています。
そこで会社から、以下のような変則的な報酬支払いの提案を受けました。このスキームにおける私個人、および会社側の税務リスクについて教えてください。
【会社からの提案内容】
1. 毎月の公式な契約書には、扶養内に収まる一律の固定金額を記載する。
2. それを溢れて働いた分(超過分の成果や時間)は表向き「インセンティブ」とし、会社側で5年間プール(未払い)にしておく。
3. 5年後に日本に帰国し、扶養から外れて正社員に戻ったタイミングで、そのプール金をインセンティブ扱いで細切れ(分割)にして後払いする。
4. 公式な契約書にはトラブル防止のためプール金について明記せず、担当者とのメールや別紙のサイドレター等で裏の約束として残す。
【お聞きしたいこと】
1. 期間帰属(発生主義)の観点
名目がインセンティブであっても、実態が「海外在住時に稼働した分の対価」である以上、プールして5年後に日本で受け取ったとしても、当時の所得隠し(脱税)とみなされるリスクはありますでしょうか。お金を分割(細切れ)で受け取った場合はどうなりますか。
2. 過去への遡及リスク
帰国後にこの報酬を受け取った際(あるいは税務調査等で発覚した際)、海外滞在中の5年間に遡って、主人の健康保険の扶養を取り消される可能性はありますでしょうか。
3. 会社側の税務リスク
会社側が「支払いを5年後に引き延ばす(プールする)」、かつ「契約書に明記しない」という処理を行った場合、会社側の税務調査でどのようなペナルティ(虚偽記載や利益操作の疑いなど)が課される可能性がありますでしょうか。
個人・会社ともに、どのような法的・税務的リスクを背負うことになるのか、専門家の先生方の見解を伺いたいです。よろしくお願いいたします。
税理士の回答
土師弘之
日本の非居住者は「国内源泉所得」にのみ課税されますが、「業務委託契約(フルリモート)」の内容が不明ですので「国内源泉所得」に該当するかどうかは判断できません。
「国内源泉所得」に該当する場合には、「非居住者に対する源泉課税」となります.
一方、海外での居住者となる以上、業務委託料は居住国での税制に従うこととなります。
そこで問題となるのが「インセンティブの対価性」です。「海外在住時に稼働した分の対価」である以上、役務の提供を受けた時期の費用計上となるため、未払で計上する必要が出てきます。その場合は、プールして5年後に日本で受け取ったとしても、問題はないということになります。
ただし、未払部分を適正に計上せず、5年後に計上すると架空経費として判断される可能性のありえます。
なお、業務委託料は居住国での税制が適用されますので、未払であっても課税対象となる可能性があると思われます。
このようなことから、インセンティブを5年間支払を繰り延べたとしても、社会保険に被扶養者の要件に影響する可能性が高いと思われます。
早速丁寧なご回答をありがとうございます。
会社がプール分を未払いとして計上することは問題ないが、その時の稼働した対価であるので扶養の要件、課税対象になってしまうということ。
もしプール分を未計上してしまえば、会社の脱税行為になってしまう。
と理解し、結果的にこのフローは現実的ではないと理解いたしました。
本投稿は、2026年06月03日 10時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







