住宅ローン控除:親の介護による妻の先行移住と、夫の合流後の適用について
税理士の先生方、住宅ローン控除における「やむを得ない事情」の解釈について教えてください。
■ 状況
私(夫): 会社員(ローン単独名義)。現在の勤務地から当面異動の予定はありません。
妻と子: 妻の親(要支援認定あり)の介護サポートと子どもの進学事情により、現在の私の勤務地からは通勤できない遠方の市町村にマイホームを新築予定です。(親の居住地と新居は別の市町村ですが、車で片道40kmほどの通える距離です)
■ 入居スケジュール
新築時(1年目): 妻と子どもだけが先に新居へ引っ越し、親の介護や生活を始めます。私(夫)は異動辞令等がないため元の勤務地に残り、単身赴任状態となります。
1年後(2年目): 私が転勤希望を出して新居の近くへ異動し、家族と合流して同居を開始する計画です。
■ 質問
本人が新築から6ヶ月以内に居住できない場合でも、「転勤等のやむを得ない事情」があれば特例が認められると存じておりますが、以下の点をご教示ください。
今回のように、夫に転勤辞令はないが「妻が親の介護をするための先行移住」という理由は、夫本人が居住できない「やむを得ない事情」として認められる余地はありますでしょうか?
仮に最初の1年間は控除対象外だとして、「1年後に私が新居に合流した時点」から、残りの期間について住宅ローン控除の適用(再適用)を受けることは可能でしょうか?
それとも、最初の6ヶ月要件を満たしていないため、後から合流しても全期間にわたって適用外(権利消滅)となるのでしょうか?
税理士の回答
国税局の質疑には、郷里に先行して住宅を建てて一部家族が居住開始し、転勤が解消した場合に家族とともに住む場合には認められるとしているものがあります。
しかし、今回の事例は、それにはあたらず、「やむを得ない」とする事由が認められないと思います。
住宅借入金等特別控除は、引き渡し後6ヶ月以内の居住開始が絶対要件ですので、2年目から認められるということはありません。
先ほども書きましたが、私は税務署時代に、住宅借入金等特別控除の審査を行っておりました。
お申し出の内容では、税務署の審査において、会社からの辞令がない「自発的な家族の先行移住」は、新築から6ヶ月以内に本人単独で適用を受けるための「やむを得ない事情」としては認められないでしょう。
ご承知のように、国税庁が定める「やむを得ない事情」とは、原則として「勤務先からの転任の命令(転勤辞令)」その他これに準ずる客観的な強制力がある事由を指します。子どもの進学や家族の生活上の都合による自己都合の別居はこれに含まれません。
したがって、新築(取得)から6ヶ月以内に「ご主人自身」が新居に住民票を移して居住していない以上、住宅ローン控除を一切受けることができません。
実は、住宅借入金等特別控除は職員間でその知識に差がある税制です。ダメもとで所轄の税務署に相談してみることをお勧めいたします。国税局単位で若干考え方が違う場合もありますので。
こんにちは。
埼玉県志木のなおみ税理士事務所です。
ご事情は理解できますが、住宅ローン控除の適用という点では、ご質問のケースを「転勤、転地療養その他のやむを得ない事情」に該当するものとして取り扱うことは難しいと考えます。
住宅ローン控除は、原則として住宅の取得等の日から6か月以内に所有者本人が入居する必要があり、例外として、所有者本人が「転勤、転地療養その他のやむを得ない事情」により家族と別居せざるを得ない場合には、6か月以内に生計を一にする家族が入居し、その事情が解消した後に本人も同居すると認められれば、本人が入居したものとして取り扱う特例が設けられています。
しかし、ご質問のケースでは、所有者本人に転勤等の事情が生じたわけではなく、奥様とお子様が介護や進学の事情から先に転居する計画です。そのため、ご本人が入居できない理由をこの特例上の「やむを得ない事情」と評価することは困難です。
また、6か月以内の入居要件を満たさなければ、1年後にご本人が入居したとしても、その時点から住宅ローン控除を開始することはできず、今回新築予定の住宅については、住宅ローン控除の適用を受けることができないものと考えます。
本投稿は、2026年10月09日 03時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






