退職金受け取りで税金を最小限にする受け取り方法をご指導ください。税金の節約方法を知りたい
1989年から2025年3月まで、会社勤務し、2025年4月に転職してます。退職金は、企業型DCに36年加入してましたが、現社はDC制度が無いため、iDeCoに2586万円移管してます。また、前社退職時に90万円の退職金を受け取り、退職所得控除1920万円を適用してます。
2026年1月に60才になるため、iDeCoから、一時金と年金に分けて受け取る予定です。
税金を最小限にする方法についてご指導頂けると幸いです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答
良波嘉男
・重要ポイントとして、“同じ36年分の期間”で、もう一度フルに退職所得控除を使うことはできません。
ここで絡むのが「19年ルール」です。
・19年ルールの意味
退職金や企業年金・iDeCo一時金など、退職所得として扱うものが複数回ある場合「その年と、前19年以内」に他の退職金があるときは
→同じ勤務期間(=同じ年数)について控除を二重に使えないように調整される
今回:前の退職金(90万円+控除1,920万円)は 2025年3月退職時点の36年分 を使っている
2026年1月に iDeCo一時金を取ると、
→当然「前の退職から19年以内」なので、企業型DC&iDeCoの通算加入期間のうち、前の退職金と重なる36年間については、既に控除を使っている扱いになります。
結論だけ言うと、iDeCo一時金側では、“新たに大きな退職所得控除枠はほとんど残っていない”前提で考える必要がある
・税金を最小化する方法として
一時金として受ける部分をなるべく抑える
年金(雑所得扱い)として、他の所得とバランスを取りつつ分散受取する
理由:今回は 退職所得控除の“新しい枠”がほぼないため、iDeCo一時金は「退職所得控除後の1/2課税」とはいえ、控除前の金額がほぼ2,586万円丸々対象になるイメージです。
一方、年金受取は雑所得(公的年金等扱い) になり、
→「公的年金等控除」や他の所得とのバランスで、トータル税率を下げる余地があります。
※どちらが有利かは「60歳以降の他の所得(給与・年金・不動産所得)の状況」にかなり依存しますが、“退職金控除をフルに活かせるパターンではない”以上、全部一時金はかなり分が悪いと思ってください。
・実際にどう動くか(ステップ順)
ステップ1:前社退職金の情報を確定させる
前職の「退職所得の源泉徴収票」、勤続年数、企業型DCの加入期間資料
通算加入者等期間
どの期間が勤務期間と重なっているか
これが揃わないと、iDeCo一時金側の退職所得控除を正確に計算できません。
ステップ2:iDeCo運営管理機関+税理士で「受取シミュレーション」を出す
ステップ3:原則として「一時金は必要な最低限」にする方向で検討
既に36年分の退職所得控除を90万円の退職金で“使い切っている”前提では、iDeCoをさらに一時金でガッツリ取るのは、節税的にはかなり相性が悪いです。
そのため、どうしても一括で欲しい生活資金分だけを一時金、それ以外は年金受取
年金の受取期間を長く取ることで、毎年の課税所得を抑え、総税額を平準化する
こういう設計が「税金を最小限に近づける」現実的な方向性になります。
・具体的なアクションプラン
前社の退職所得の源泉徴収票・企業型DC加入期間の証明を揃える
iDeCoの運営管理機関に「退職所得控除の調整(19年ルール)を前提にした一時金試算」を依頼
その数字を持って、不動産所得、60歳以降の公的年金見込みも含めた「総合課税シミュレーション」を税理士に依頼
その上で一時金◯◯万円+年金◯年受取という“数字付きプラン”を決定
良波嘉男先生
ご多用の所、ご回答ありがとうございました。
電話で、国税庁に尋ねた際は、iDeCoから全額一時金を受け取る場合は、退職所得控除の調整が入り、36年の加入期間から2年間分140万円が差し引かれるため、1920-140=1780万円の控除が適用されると聞いております。
また、前社の退職手続き窓口担当からも、同様の回答でした。
今回の私の質問の文章が、どこか不適切だったかも知れません。
再度、ご教示頂けると幸いです。
本投稿は、2025年11月11日 20時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







