税理士の業務怠慢について
担当税理士に、決算期を迎えるまでに何度も節税の方法に確認をしてきましたが、ろくに助言をいただけなかったのに関わらず、それまでに一度も助言を受けたことがない倒産防止共済の翌年度分前納の提案を先日突然してきました。
その方法自体は私は知らなかった方法なので、それはそれで大変有り難かったのですが、あろうことか、それは決算までに処理と計上が全く間に合わないタイミングでした。(前納月の5日までに金融機関に前納申込書を提出しないと当該月に引き落とされない。助言がきたのは5日よりも後。。。)
つまり、これから速攻で手続きをしたとしても、それは来年度の支出としか扱えないタイミングでした。
そのため、この方法によって節税できていたであろう税金の支払いが生じてしまうため、その金額について業務怠慢による損害賠償責任を追求できないかと考えております。
(毎月20万円の支払いだったので、前納分240万円x法人税約30%=約72万円)
しかも、今年はなんとか多めの利益を出せていますが、来年度にそれを維持できるか、非常に不安な状況です。。。
本件は、他の税理士の方から見てどのようにお感じになられるでしょうか?
もし差し支えなければ、本件のリカバリーに対する何かしらの対策や損害賠償責任に対する可否やご意見をいただけますと幸いです。
税理士の回答

長谷川文男
損害賠償責任を追求することはできる可能性はあるとは思いますが、実際問題、損害額の算定が難しいです。
まず、税理士との契約が節税を含めたものになっているか、なっているとして損害額はいくらかという問題があります。
税理士との契約が節税を含めたものになっているかは、個別の契約ですから、一般的な相談にはなじまないので、ここでは検討しません。
損害額は、前納できなかったので、前納分が短期前払費用として計上できなかったとして、損金にならなかったことによる法人税等の減少しなかった金額を損害額としたいようですが、倒産防止共済は支払額の累計の限度額があります。当期から始めたかったとしても、翌期から始めれば後ろにずれるだけで、当期損金にしたら減額できた税金はその後の期で減額できる可能性が高いですから、損害額の算定はそんなに単純にはいきません。
また、翌期に赤字になれば、欠損金の繰戻還付で取り戻せる可能性もあります。
また。短期前払費用は、毎期継続して損金の額に算入する必要かあります。倒産防止共済を翌期すぐにでも契約して、前納をしていれば当期からやりたかったが、税理士の過失によりできなかった。その責任は税理士にあると主張することは可能と思います。
翌期から倒産防止共済をやるのじゃ意味が無いとして契約すらしていなかったら、損金の条件である継続適用の証明が難しいと思います。
現実問題として、損害額の証明が難しいため、顧問契約を将来に向けて解除するか、税理士に謝罪を求める程度が落としどころのような感じがします。
あくまで、個人の意見です。損害賠償でしたら弁護士が本業です。
相談するなら、弁護士が適任かと思います。
本投稿は、2020年05月12日 01時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。