個人事業廃業時の青色申告・専従者給与と法人役員報酬の取り扱いについて
個人事業主(青色申告・消費税は免税事業者)で、妻が青色事業専従者として給与を受けています。
(青色事業専従者給与に関する届出書は、今年4月に提出済みです)
今年10月に、1人株式会社を設立しました(設立登記は申請済みで、完了待ちです)。
個人事業は、今年中に廃業する予定です(10月〜12月末の間で、時期は検討中。廃業届は未提出です)。
法人の役員報酬は、社会保険の任意継続を続けるため、当面は0円の方針です。
次の3点を、お教えいただけますでしょうか。
1. 個人事業を年の途中で廃業する場合、廃業した年(今年)の所得について、
青色申告特別控除(65万円)と青色事業専従者給与は、通常どおり適用できますか。
また、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」に書く「取りやめる年分」は、
今年分と来年分のどちらにすべきでしょうか。
(今年分と書くと、今年分が白色申告になってしまうのではと心配しています)
2. 法人の役員報酬を、最初の半年は0円とし、その後に支給を始める場合、
定期同額給与として、法人の損金に算入できますか。
できない場合、第1期(設立から約1年)を通して、役員報酬を0円とする方針に、
法人税の面で問題はありますか。
3. 個人事業で、専従者給与のために「給与支払事務所等の開設届出書」を提出している場合、 廃業時に「廃止届出書」の提出は必要ですか。期限はいつでしょうか。
以上、3点となります。
個人事業から法人への移行にあたり、税務上の取り扱いや必要な手続きについて、認識に誤りがないか事前に確認しておきたいと考えております。
複数の質問となり恐縮ですが、ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
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①
令和9年分と記載します。
青色申告者が青色申告をやめようとするときは、その年分以後青色申告をやめようとする年の翌年の確定申告期限(3月15日)までに手続をすることになります。
・廃業年の翌年の令和9年から取りやめと記入した場合→令和8年分は青色となります。
・廃業年である令和8年から取りやめと記入した場合→令和8年分は白色となります。
後者の場合は、私は経験がありませんが、訂正が可能だと考えますので、早めに税務署にご相談ください。
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②
最初の半年は0円とし、その後に支給を始める場合
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定期同額給与の要件を満たさず、損金不算入となると考えます。
役員報酬を0円とする方針
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税務上、問題ございません。なお、社会保険の加入もできません。
会計期間の開始の日(設立日)から6か月後の改訂となりますので、原則として損金算入の要件は満たさないものと考えます。また、臨時改定事由の余地もありますが、ご質問の前提ではまず該当しないと考えます。
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③
給与支払の廃止の事実があった日から1か月以内となります。提出しないと、源泉徴収関係の問い合わせや年末調整・法定調書関係の書類送付などが続きますので、忘れないうちに手続されることをおすすめ致します。
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
竹中公剛
1. 個人事業を年の途中で廃業する場合、廃業した年(今年)の所得について、 青色申告特別控除(65万円)と青色事業専従者給与は、通常どおり適用できますか。
できる。
また、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」に書く「取りやめる年分」は、 今年分と来年分のどちらにすべきでしょうか。
やめた年です。
(今年分と書くと、今年分が白色申告になってしまうのではと心配しています)
ありえない。
2. 法人の役員報酬を、最初の半年は0円とし、その後に支給を始める場合、定期同額給与として、法人の損金に算入できますか。
その後がいつからかでしょう。
年の途中ではできない。
できない場合、第1期(設立から約1年)を通して、役員報酬を0円とする方針に、法人税の面で問題はありますか。
何も問題はない。0円で雇われているのでしょうから。
3. 個人事業で、専従者給与のために「給与支払事務所等の開設届出書」を提出している場合、 廃業時に「廃止届出書」の提出は必要ですか。期限はいつでしょうか。
出してください。
よろしくお願いいたします。
山本快夫
青色専従者控除について、追記させていただきます。
廃業年の今年については、事業期間の1/2超の期間、専ら従事が必要となりますので、念のためご確認ください。
なお、専従者給与と配偶者控除の併用は認められておりません。
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あと、青色申告の取りやめ等の届出書の提出をしなくても、事業等の全部を廃止した場合は、提出の有無に左右されずに、その翌年分以後の年分については、青色申告の承認の効力は、自動的に失われることになっています。(所法151②)
宜しくお願い致します。
相亰俊信
お世話になります。
1は、今年分も要件を満たせば青色申告の特典を受けられます。取りやめ届出書を出す場合は「来年分」と記載します。2は、6か月後に始めた支給は原則として損金不算入です。第1期を通して0円とすることに法人税上の問題はありません。3は、廃止届出書の提出が必要で、期限は廃止の日から1か月以内です。
1について、年の途中で廃業しても今年分は青色申告の承認が有効です。65万円控除には、複式簿記、期限内申告、e-Taxでの申告または優良な電子帳簿保存が必要で、控除額は所得金額が限度です。専従者給与は、妻が6か月を超える期間又は事業を営んだ期間の2分の1を超えて従事していることが要件です(所得税法施行令165条)。
なお、専従者給与の届出期限は原則としてその年の3月15日です(1月16日以後に開業した場合や専従者が生じた場合は、その日から2か月以内。所得税法57条2項)。4月の提出が期限後であれば、今年分の専従者給与は必要経費にならない可能性がありますので、ご確認ください。
取りやめ届出書を提出すると「その年分以後」の承認が失われます(所得税法151条)。そのため、今年分と書くと今年分から白色申告となり、ご心配のとおりです。廃業で事業所得等がなくなる場合は、廃業届のみで足り、取りやめ届出書は必須ではないと考えられます。
2について、定期同額給与の改定は、原則として事業年度開始から3か月以内に限られます(法人税法34条1項1号、同法施行令69条1項1号)。0円から6か月後に支給を始めても、臨時改定事由(役職変更などやむを得ない事情)等に当たらない限り損金になりません。事前確定届出給与(法人税法34条1項2号)を使う方法もありますが、設立後の届出期限が短く、登記簿に記載の設立日以後2か月を経過する日となりますのでご注意ください。第1期を通して0円とすることは法人税上問題ありません。ただし、法人住民税の均等割は赤字や無報酬でも課税されます。
3について、給与支払事務所等の廃止届出書は、廃止の日から1か月以内に提出します(所得税法230条)。あわせて、個人事業の廃業届出書も廃業日から1か月以内に提出し(同法229条)、妻の退職(廃業)時には翌月10日までに源泉徴収高計算書等の納付を完了し、源泉徴収票を交付してください(同法226条)。
本投稿は、2026年10月20日 09時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







