確定申告
親がアパート経営1棟7室。息子を専従者控除したが、別居で、生計一緒みとめられるか
税理士の回答
結論から申し上げますと、ご質問のケースでは「生計を一にしているか(別居か否か)」という点以前に、不動産経営の規模が「1棟7室」であるため、専従者控除(および青色事業専従者給与)が税務上認められる可能性は極めて低いと考えられます。
税務上の重要なポイントを整理いたしました。
【1. 一番のボトルネック:不動産経営の「事業的規模」要件】
所得税法上、不動産所得で家族への専従者控除(または青色事業専従者給与)が認められるのは、その不動産貸付が原則として「事業的規模(いわゆる5棟10室基準)」で行われている場合に限られます。
① 5棟10室基準(通達による形式的目安)
独立した家屋であれば5棟以上、アパートやマンションなどの集合住宅であれば10室以上を貸し出していることが一般的な目安(所得税基本通達26-9)となります。
② 1棟7室の場合
「1棟7室」はこの目安を下回っており、管理状況などに特殊な事情がない限り、事業的規模に満たない「業務的規模」と判断されます。業務的規模の場合、税法上、家族へ支払った給与を経費にすることや専従者控除の適用は認められません。
【2. 青色申告・生計一・専従性におけるその他の要件】
仮に将来的に規模を拡大された場合でも、以下の要件を満たす必要があります。
① 青色事業専従者給与の届出(青色申告の場合)
青色申告で家族給与を経費にするには、あらかじめ税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出していることが必須条件となります。
② 生計を一にしているか(別居の場合)
別居していても親からの仕送り等で暮らしている場合は「生計一」と認められる余地がありますが、息子様が独自の収入で独立して生計を立てている場合は認められません。
③ 専ら従事しているか(専従性)
年間で6か月を超える期間、その不動産管理事業に専ら従事している必要があります。
【3. 税務リスクについて】
現在「1棟7室」の状態で息子様を専従者控除として申告されている場合、税務調査等で控除が否認され、過去にさかのぼって本税に加えて「過少申告加算税」や「延滞税」が課されるリスクがあります。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
内容がお役に立ちましたら、ぜひベストアンサーに選んでいただけますと大変励みになります!
1棟7室であれば事業的規模ではないため、青色申告、青色申告専従者控除の適用はないです。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
親御さまの不動産所得が、事業的規模に該当する余地もあるものの、しかし、たとえ事業的規模に該当した場合であっても、そもそも不動産賃貸業において、専従者控除や青色専従者給与が認められるケースは限定的(否認リスク大)と認識すべきと私は整理しています。
平時は何も指摘されることなく進みますが、いざ税務調査時に指摘された場合は、途端に否認に向けて敗色濃厚となるものと考えます。(税務調査時に指摘されないケースも当然あり得ます)
―――――――――――
参考)
平成7年5月30日裁決
・不動産管理台帳の記載
・賃貸料の受領及び領収書の発行
・賃貸料未納者に対する督促及び集金
・現金領収した賃貸料の預金への預入れ
・賃借人との使用契約書の作成
・無断駐車の有無の見回り
・駐車場の草取り
上記の業務に現に従事していたとしても、その事務量は僅少であると認められ、納税者の事業に専ら従事していたとはいえないから、その妻は青色事業専従者の要件を満たしていない。
・・・とされ否認されました。
個人的には、まあまあ大変な業務だとは考えますが、否認され争うと勝ち目は薄いことになります。
-----
そのため、
1. まずは、親御さまの不動産賃貸業が「実質的に」事業的規模に該当するか否かの判定をする
2. 次に、事業的規模に該当する場合は、合理的な反論を準備しておきつつ、否認リスク高めということも承知しておく。
という確認・検討をおすすめ致します。
なお、別居でも生計一はあり得ます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180_qa.htm
―――――――――――
補足)
ご質問の本題である専従者控除についての結論(=認められない可能性が大きい)は変わりませんが、不動産賃貸は続くでしょうから、参考までに、補足させていただきます。
7室ということですので、
課税実務上も、裁決事例(平成16年9月27日)などでも、いわゆる「5棟10室基準」はあくまで事業的規模とみなすための「十分条件」に過ぎず、実質判断の「必要条件」ではないとされていますので、1棟7室のように形式基準を下回る場合であっても、例えば質問者さまの親御さまが1棟7室の不動産賃貸業を本業とし、その賃貸収入により生計を立てている場合「など」、社会通念に従って総合的に勘案して、事業的規模と判定する余地は十分あります。
所得税基本通達26-9において、建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、社会通念上事業と称するに至る規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより、判定すべきであるとされています(実質基準)。
そして、次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合又は賃貸料の収入状況、貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとされています(形式基準)が、これが必要条件ではありません。
(1) 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。
(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
―――――――――――
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年09月10日 12時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







