再築工法の移転補償費に関する所得税法44条の収入不算入について
土地建物の移転補償を受ける場合の細目について、分からないことがあってご質問させていただきます。
移転補償金の場合は所得税法44条によって交付の目的に沿って支出すれば、総収入に算入しないと規定されており、対価補償金の場合は収入に算入した上で租税特別措置法で課税の特例があると理解しております。(違っていたらすみません)
これについて、再築工法での移転の場合には、建物を再築する建築費用、設計費用の支出は、所得税法44条の観点からはどのような扱いになるのでしょうか。対価補償金ですか?あるいは移転補償金ですか?
具体的には、国税庁の以下の通達について、再築工法も「移築」の一種と考えていいのか。あるいは「資産の取得」と考えていいのか。どちらになりますか?
以下が国税庁の解釈通達です。
よろしくお願いします。
注) 移転補償金をその交付の目的に従って支出したかどうかの判定は、次による。
(1) 当該移転補償金をその交付の基因となった資産の移転若しくは移築又は除却若しくは取壊しのための支出に充てた場合 交付の目的に従って支出した場合に該当することになる。
(2) 当該移転補償金を資産の取得のための支出又は資産の改良その他の資本的支出に充てた場合 その交付の目的に従って支出した場合に該当しない。
税理士の回答
土師弘之
再築工法を前提とする移転はあくまで「移転」ですので、それにより収受する補償金は「移転補償金」です。
「対価補償金」は買い取りの場合です。「対価」ですから。
ただし、
「土地等の収用等に伴い、起業者から当該土地等の上にある建物又は構築物を引き家し又は移築するために要する費用として交付を受ける補償金であっても、その交付を受ける者が実際に当該建物又は構築物を取り壊したときは、当該補償金(当該建物又は構築物の一部を構成していた資産で、そのもの自体としてそのまま又は修繕若しくは改良を加えた上他の建物又は構築物の一部を構成することができると認められるものに係る部分を除く。)は、当該建物又は構築物の対価補償金に当たるものとして取り扱うことができる。」(租税特別措置法取扱通達33-14)
つまり、「移転補償金」であっても、立ち退き対象となる建物を実際に取り壊し補償金を新築建物の取得費に充てた場合には、「対価補償金」として取り扱うことができますので、課税の特例の対象となります。
ありがとうございます。所得税法の44条が適用されるわけではなく、対価補償金の収入として扱われた上で、課税の特例が適用されると理解しました。
本投稿は、2023年05月24日 23時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







