税理士側の申告ミスの修正は無償で依頼できますか?
個人事業主です。
2024年・2025年分の確定申告を税理士法人に依頼していましたが、2026年分から自分で記帳するため過年度の帳簿を確認したところ、複数の誤りが判明しています。
例えば、
・クレジットカード経費の重複計上
・2024年の売上を過大計上していたとの税理士側からの連絡
・2025年末の売掛金が100万円以上残っており、実態と大きく合わない
・未払金も数十万円単位で実態と整合しない
・固定資産の総勘定元帳残高と確定申告書の貸借対照表残高が一致していない
などがあります。(ほかにもいくつか)
税理士法人からは、「2026年で事業主勘定等を使って修正してください」と言われています。
しかし、2024年の売上自体が過大計上されているのであれば、2024年の所得・税額も変わり、所得税を払い過ぎている可能性があります。
また、過年度の経費の重複計上であれば、その年度の所得を訂正する必要があると思っています。
このように税理士側の記帳・申告処理の誤りが複数判明した場合、一般的には、税理士法人に修正申告や更正の請求まで無償で対応してもらうよう依頼することは可能でしょうか。
また、現在の顧問契約は更新せず終了する予定ですが、契約終了後であっても、その税理士法人が作成した2024年・2025年分について、誤りの確認や修正申告・更正の請求をお願いすることは可能でしょうか。
「税額に影響する過年度の誤りを、翌年の事業主勘定で残高だけ調整する」という処理が適切なのかについても教えていただきたいです。
税理士の回答
荒川直宙
過去申告の多数の誤りと、税理士法人の不適切な対応(事業主勘定での揉み消し指示)について、大変ご不安のことと存じます。
結論から申し上げますと、「事業主勘定での翌年調整」は税務上完全に不適切です。また、税理士側の不備による誤りであれば、契約終了後であっても修正申告・更正の請求の対応を求める根拠があります。
ご質問の3点について整理いたしました。
【1】翌年の事業主勘定で調整する処理の適否について(不適切)
税理士法人の「2026年で事業主勘定等を使って修正してください」という指示は、税務上まったく認められない不適切な処理です。
① 損益(税額)に直結する誤りだから
売上の過大計上や経費の重複計上は、その年度の「正しい所得(利益)」と「税金」に直接影響しています。これを翌期の事業主勘定(純資産項目)で残高だけ合わせても、過去の正しい税金計算にはなりません。
② 放置した場合のリスク
・売上過大計上:納めすぎた税金が戻ってこず損をします。
・経費重複計上:税務調査で指摘されると過少申告加算税や延滞税などのペナルティが課される危険があります。
正しくは、2024年分・2025年分について「更正の請求(納めすぎた税金の還付請求)」および「修正申告(足りない税金の納付)」を行う必要があります。
【2】無償での修正申告・更正の請求の依頼について(過失の立証が前提)
税理士側の記帳ミスや確認不足など、相手側の過失に起因する誤りであることが明らかであれば、無償での修正対応を求める法的根拠(善管注意義務違反・不完全履行)になります。
ただし、これは自動的に確定するものではありません。相手方から「渡された資料の不備」や「本人確認の不足(過失相殺)」といった反論が出てくる可能性もあります。そのため、当時の提出資料ややり取りの記録を整理し、「誰のどの過程でのミスか」を特定した上で交渉に臨むことが重要です。
なお、過失が認められた場合でも、本来納めるべき本税自体はご自身の負担となります。
【3】契約終了後における対応の可否について(可能)
顧問契約を解約・終了した後であっても、契約期間中に作成された2024年・2025年分の申告の誤りについて対応を求めることは可能です。
業務を行った当時の責任(税理士法上の責任や不完全履行責任)は、解約によって当然に消滅するものではありません。多くの税理士法人は「税理士賠償責任保険」に加入しているため、過失が確認できれば保険を適用して対応するのが一般的です。
【4】今後の具体的な進め方
判明している誤りと当時の原資料をリスト化し、「税額に影響するため事業主勘定での調整ではなく、そちらの不備として修正申告および更正の請求を行ってください」と書面・メールで申し込んでください。もし不誠実な対応や拒否をされた場合は、管轄の税理士会(苦情・紛争解決窓口)や別の税理士へご相談されることをお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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本投稿は、2026年09月25日 22時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







