国民健康保険の控除について
国民健康保険の支払い口座が世帯主の父の口座になっておりそこから引き落としされています。
ただ父にお金を渡しているので支払いを負担しているのは自分です。
その場合は自分の確定申告で控除を受けられるのでしょうか?
税理士の回答
荒川直宙
結論から申し上げますと、「法律上の理屈」としてはあなたが控除を受ける主張は成り立ちますが、「実際の税務実務」においては否認されるリスクが極めて高いのが実情です。
理論と実務の2つの側面から解説いたします。
【1】法律上の理屈(理論上の正当性)
所得税法第74条では、「自己又は自己と生計を一にする親族の負担すべき社会保険料を支払った場合」に控除が受けられると規定されています。
ここには「口座名義人でなければならない」という法律上の限定は一切ありません。いわゆる「口座振替の場合は口座名義人が支払ったものとする」という取扱いは、国税庁の通達(行政の解釈指針)に過ぎず、法律そのものではありません。
したがって、父親へ手渡す際の領収書や振込記録などがあり、「あなたが実際にその保険料を全額負担した」という事実を客観的な証拠で証明できるのであれば、法律の要件(実際に支払った者が控除を受ける)を満たしているという理屈は理論上成り立ちます。
【2】実際の税務実務でのリスク
しかし、現実の確定申告や税務調査の現場では、以下の理由から否認される可能性が極めて高いです。
① 「口座名義人=支払者」という強固な実務運用
税務署の現場では、長年運用されてきた通達に基づき、機械的に「口座名義人が支払った」と判定されるのが一般的です。
② 「生活費の手渡し」との区別が困難
たとえ手渡しの領収書があったとしても、税務調査では「それは保険料の負担ではなく、単なる同居親族への生活費や仕送りではないか」と認定され、否認されるリスクが残ります。
【3】まとめ(今後の対応)
理論上は「実際に負担した証拠があれば控除できる」という主張も可能ですが、税務調査で争うリスクや手間を考えると、現在の状態のまま申告することはあまりお勧めできません。
確実にあなた自身の社会保険料控除として申告したい場合は、市区町村で国民健康保険料の引き落とし口座をあなた名義に変更するか、納付書(現金払い)に切り替える手続きを早めに行うことを強くお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
内容がお役に立ちましたら、ぜひベストアンサーに選んでいただけますと大変励みになります!
本投稿は、2026年09月28日 17時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







