古いトレーディングカードの高価買取は確定申告が必要ですか?
会社員(年収約400万円・給与所得は一箇所のみ)です。
部屋の片付けをしていて、複数の不要なトレーディングカードを買取に出したところ、30万円程度になりました。
内訳は、22万円、5万円、3万円、1万円と数千円〜数百円が数枚です。
全て10年以上前に定価で購入したりお店の来店特典で貰ったりしたもので、
仕入れは行っておりません。
お聞きしたいことは次の4点です。
①この場合、確定申告は必要になりますか。
②確定申告が必要な場合、雑所得や一時所得などどの分類にあたりますか。
③会社の年末調整が迫っているのですが、確定申告をする場合生命保険料控除はどちらで申請すればいいでしょうか。
④15万円くらいで買い取ってもらえそうなカードが1枚あり、確定申告の必要なラインによっては来年に回そうと思っているのですが、買取が複数回にわたると事業とみなされてしまうでしょうか。
いくつかのサイトで調べてみましたが、書かれている内容がまちまちだったためこちらで質問させていただきます。
ご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
-----
①
質問者さまの前提では、私見となりますが、所得税も住民税も申告不要と考えます。
-----
②
譲渡所得(総合課税)に該当する余地がありますが、上記①のとおり申告不要と考えます。
-----
③
上記①のとおり申告不要です。
ない、年末調整で済ませたほうが事務負担は少ないと考えます。
-----
④
枚数や金額や売却回数など、トレカの譲渡の客観的な態様・状況からみて、経常的・計画的に発生する所得か否か等を、慎重に検討して判断する必要がありますが、質問者さまの前提から、営利を目的とする継続的行為(雑所得)に該当しないものと考えます。
―――――――――――
補足)
まず、トレカの不用品売却について、以下の補足の1.2.3.のどれに該当するか、慎重に検討する必要があります。
次に、売却したもののうち、【 課税対象となるもの 】を集計して、以下の計算をします。
譲渡所得の金額=
譲渡価額
-取得費(不明な場合は売却額の5%とすることもできます)
-譲渡費用(売却手数料など)
-特別控除50万円
上記の計算の結果、譲渡所得が算出された場合は、所得税の申告が必要となります。
ただし、その譲渡所得が20万円以下の場合で、一定の給与所得者の場合は、所得税の申告は不要となりますが、住民税だけの申告が必要となります。
今年から住民税の申告も電子申告eLtaxができるようになっています。
https://www.lta.go.jp/news/12336?redirect=4g
―――――――――――
補足)
トレーディングカードの税務については、国税庁も見解を示しておらず、税理士によって解釈が異なり、悩ましい問題と理解しており、個人的には以下のように整理しています。
営利を目的とする継続的行為(雑所得)でない場合は、基本的には譲渡所得(総合課税)に該当することから、税務の扱いは以下の3つが考えられます。
解釈1.
所得税法施行令25条が限定列挙と考えて→生活に通常必要な資産としてすべて非課税(いくらで売却しても非課税)
・衣類やパソコンや家電や玩具や腕時計(貴金属や貴石・真珠を使ったラグジュアリー系ではないスレンレスモデル)や通勤用自動車など
・30万円以下の貴金属やダイヤモンドや書画など
★トレカはこちらに該当すると考える税理士もいます。
解釈2.
所得税法施行令25条が例示と考えて→例示に準じて1枚30万円超のものだけ課税対象
・クラシックカメラやウイスキーなど
★トレカはこちらに該当すると考える税理士もいます。→私見はこちらです。
解釈3.
生活に通常必要でない資産としてすべて課税対象(いくらで売却しても一切が課税対象)
・金地金(インゴット)やキャンピングカーなど
★トレカはこちらに該当すると考える税理士もいます。
-----
そのうえで、実務上、何かしら判断をして税務上の対処をしないといけませんので、私は上記2.の対応をしております。
なお、取得費が不明・算出困難の場合は5%とすることができます。
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になれば幸いです。
山本快夫
トレカだけではありませんが、二次流通価格が高値となりがちで、一定の市場が構築され相場が存在する日用品の処分・売却にかかる利益について、現行の税務のルールは対応できていません。そのため、税理士も悩みながら処理している状況です。
引用)
・・・「生活用動産」に係る非課税規定は、「家庭用動産は、本来投資または投機を目的として所有しているものではなく、通常の場合には、その購入価格または取得価額以上で売却できるのは、価格の一般的な変動以外には殆んど考えられない」という事情・・・生活用動産の譲渡に係る非課税規定が創設された頃にはほとんどなかったことなので、現在では、生活用動産の譲渡であるからといって、一般的に非課税所得とするのが適切かどうかを再検討する必要があるのではないかと考える。・・・
明治大学大学院法務研究科(法科大学院)岩﨑政明教授 2023.10
「生活用動産の譲渡益や学資貸与の債務免除益に所得税は課されるか」
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/journal/saisin/35-01.pdf
宜しくお願い致します。
お世話になります。分かりやすくご説明いただきありがとうございます。
税理士さんの解釈によって結論が変わる場合があるのですね。
ひとまず非課税とみなしても良さそうで安心しております。
もう1枚のカードをもし15万円ほどで買い取ってもらえた場合も、1枚あたりの金額が30万を超えていないので非課税とみなすことができるという認識でよろしいでしょうか。
山本快夫
私見では、一枚の売却額が30万円超のトレカを除いて、生活用動産の譲渡として非課税と整理しています。
しかし、あくまでも私見となり、私が税理士関与の場合の対応となりますので、他の見解(1.や3.)の税理士も存在しますので、参考になさってください。
最終的には、質問者さまご自身にて、判断いただくことになります。
宜しくお願い致します。
税理士さんのご意見を伺えて、たいへん勉強になりました。
ご回答いただきありがとうございました。
「1枚30万円以下」だけで、どのカードも非課税と決まるわけではなく、生活用動産に当たるか、営利目的の継続的な売買かを確認する必要があります。課税される総合譲渡所得なら、取得費・売却費用を差し引き、その年の他の総合譲渡益と合わせて50万円の特別控除を検討します。売却回数のみで事業かは決まりません。生命保険料控除は年末調整で申請し、確定申告する場合は源泉徴収票の内容を反映します。取得・使用・買取の記録をそろえ、所得区分と申告要否をお近くの税理士事務所でご確認ください。
相亰俊信
お世話になります。
結論として、お書きの内容であれば確定申告は不要と考えられます。
①について、ご自身が使っていた家具や衣類などの身の回り品を売った場合、1個(または1組)の売却価額が30万円以下であれば非課税です(所得税法第9条第1項第9号、所得税法施行令第25条、タックスアンサーNo.1460)。これを「生活用動産(日常生活で使う身の回り品)」の非課税といいます。今回は最も高いカードでも22万円で、30万円を超えるものはありません。趣味で集めたカードを処分したものですので、この非課税に当たると考えられます。
なお、収集品としての性格が強く、生活用動産に当たらないと判断される場合もあり得ます。その場合でも結論は変わらない見込みです。10年以上前に取得したものであれば、5年超保有の長期譲渡所得となります。譲渡所得には年50万円の特別控除がありますので(所得税法第33条第3項・第4項)、売却額30万円から取得費を引いた譲渡益は控除の範囲内に収まり、所得はゼロとなります。
②について、課税対象となる場合でも分類は「譲渡所得(資産を売ったことによる所得)」です。仕入れて転売するような取引ではないため、雑所得や一時所得、事業所得には当たらないと考えられます。
③について、確定申告が不要であれば、生命保険料控除は会社の年末調整で申請してください。仮に確定申告をすることになった場合でも、年末調整で受けた控除はそのまま引き継がれます。年末調整で申請しておいて差し支えありません。
④について、ご自身が長年保有していた私物を年をまたいで何回かに分けて売ること自体で、事業とみなされることは通常ありません。事業や雑所得として扱われやすいのは、利益を得る目的で継続的に購入して売却する場合です。また、15万円のカードは年内に売却しても30万円以下ですので、①と同じ扱いになります。年内に売るか来年に回すかで、確定申告の要否は変わらないと考えられます。ただし、1組として扱われるセットをあえて分割して売却する場合などは、1組単位で判定される点にご注意ください。
今後カードの売却を繰り返す場合や、ご自身で購入して転売するようになった場合は、扱いが変わることがあります。その際は改めて取引内容をご確認ください。
本投稿は、2026年10月20日 22時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







