既に受取りを開始している個人年金の贈与税
契約者=被保険者=受取人で契約している個人年金のがあるのですが、保険料を実際に支払ったのが契約者ではなかったので、贈与税の申告を期限後ですがしようと思い保険会社に年金開始時の年金評価額証明書の発行を依頼したのですが、契約者=被保険者の同一人物になっているので、出せませんと言われました。
この場合、贈与額はどのようにして申告すればよいのでしょうか?
貰える年金の総額でよいのでしょうか?
税理士の回答

佐藤和樹
【1】基本的な税務上の考え方
■契約者 ≠ 実際の保険料負担者
契約者(=被保険者=受取人)が自分で保険料を支払っていれば、年金受取時の課税は「雑所得」となります。
しかし今回のように、保険料を他人が支払っていた場合は、
• 契約者が保険料の支払時点で「贈与を受けた」
とみなされ、贈与税の課税対象になります。
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【2】贈与税の課税対象となる金額の考え方
■原則
保険料負担者と契約者が異なる場合の贈与税の課税対象は、「保険料負担額の総額」です。
■つまり:
• 保険料の支払者が親など第三者
• 契約者=被保険者=受取人(=あなた)
• 受取人が自ら負担していない保険料で将来年金を受け取る
→ この場合、他人があなたのために支払った保険料総額が贈与に該当します。
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【3】評価額証明書が出ない場合の対応
保険会社が評価額証明書を出せない場合でも、保険料の払込総額がわかれば申告可能です。以下のいずれかの方法で金額を把握します:
■証拠として使えるもの
• 保険契約の内容(約款・設計書)
• 支払証明書やクレジットカード明細
• 預金通帳の引落記録
• 保険会社からの年間払込証明書(年末調整用)
これらにより「誰が」「いくら」支払ったかを証明し、その合計金額=贈与額として申告します。
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【4】年金総額では申告しない理由
「将来受け取る年金総額」は、変動要素(死亡前受取・利率変動など)があるため、贈与税評価には用いません。
贈与税は「もらった時点での価値(今回で言えば保険料支払い時点の金額)」を基に課税するからです。
ありがとうございます。税務上はそれで大丈夫なのですね。
贈与税の申告に当たり、確定申告での個人年金の雑所得も訂正しないといけないと思うのですが、契約者=受取人の雑所得で今までしてきたのですが、贈与での個人年金の場合、2年目以降が雑所得なのは同じですが、計算方法が違うらしく(おそらくこちらも正しい物は発行しては貰えないと思うので)、どちらの方が金額は高くなるのでしょうか?
契約者=受取人の雑所得の方が高いのならば、ひとまず税金は多く納めているので、安心なのですが
本投稿は、2025年05月22日 18時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。