住宅ローン口座への妻からの振込と贈与税(連年贈与)に関するご相談
現在、私の個人名義で組んだ住宅ローン(SBI新生銀行、残高約3,200万円)があり、以下の状況で返済を続けています。贈与税(連年贈与)のリスクについてご相談させてください。
■現状
・ローン名義人:
私(夫)個人名義
・返済用口座名義:
私(夫)個人名義の口座
・返済期間:
20年以上続く見込み
・ 私(夫)の対応:
毎月12万円を振り込み
・ 妻の対応:
毎月9万円を振り込み
年間振込額(妻)は毎年合計で110万円以下であり、単年で見れば妻からの振込額は基礎控除(110万円)以下ですが、今後も長期間にわたり継続する予定です。
■質問事項
・連年贈与の該当性:
この状況で、妻からの長期間にわたる継続的な振込が、税務上「連年贈与」または「定期金給付契約」とみなされ、将来的に贈与税を課税されるリスクはあるでしょうか?
・節税・対策: もしリスクがある場合、課税を避けるためにどのような対策を講じるべきか、具体的なアドバイスをお願いいたします。
・(補足): 住宅ローン控除は、私(夫)のみが受けています。
ご回答いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
増井誠剛
現在の奥様からの毎月の振込(年間110万円以内)が、直ちに“連年贈与”として課税される可能性は低いと考えられます。ただし、将来にわたり長期間続く点を踏まえると、状況によっては贈与と評価される余地は残るため、いくつかの注意点を押さえる必要があります。
まず、税務における「連年贈与」や「定期金給付契約」とは、あらかじめ複数年にわたり一定額を贈与する約束が存在する場合に成立します。今回のように、奥様が自発的に家計負担として住宅ローン返済の一部を補填している状況は、家庭内での生活費の分担として扱われるのが通常で、贈与契約とみなされる可能性は高くありません。年間110万円以内である点も、税務リスクを大きく下げています。
一方、リスクがゼロではない理由は、「妻が夫の資産形成(住宅ローンの返済)を継続して補助している」という構造そのものにあります。形式的には夫が単独で債務を負っており、妻の負担が“夫の資産の増加”に寄与するため、税務調査では確認対象となり得ます。
対策としては、
① 生活費・家計費の分担としての性質を明確にしておくこと(家計の入金メモや支出管理)
② 妻が負担している9万円は、家計費・生活費に対する拠出であると説明できるようにすること(住宅ローンは生活費に含まれると判断されることが多い)
③ 妻が返済に直接振込むのではなく、家計口座に入金 → 夫がローン返済する形式に変更すること
この③がもっとも税務的に安全で、「贈与」ではなく「生活費共有」として整理しやすい形になります。
総合すると、現状の金額では即時課税の可能性は低いが、運用方法を家計費の流れとして整えておくと制度的により安全といえます。
本投稿は、2025年11月17日 13時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







