株式の贈与について
現在株式会社の代表取締役をしており、自社株を100%所有しているものです。
年明けに息子に株式を贈与するのですが、どのタイミングで贈与は成立するのでしょうか。
ちなみに取締役会を開き、議事録は作成(取締役の記入捺印済)しており、株式を受け取る側との贈与契約書も交わしております。
この2つが揃っているので、既に贈与は成立しているのでしょうか。
ご意見をいただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
税理士の回答
良波嘉男
相談者様、結論として
「書類が揃っただけ」では足りず、原則は“株主名簿の名義書換が完了した日”に贈与が成立(=効力発生)と考えるのが安全です。
したがって、年明け贈与にしたいなら、名義書換(株主名簿の更新)と株券(発行会社なら)の交付を年明け日付で実行してください。
理由
非上場株の贈与は「いつ贈与したか」が最大の争点になります。
税務上は、贈与契約書や議事録だけだと「実際に移転したのはいつ?」が曖昧になりやすく、調査では「実質的に支配・管理が移っているか」を見られます。
株式の移転は、会社法上は基本的に譲渡(贈与)自体は当事者間の合意で成立しますが、対外的に会社が株主として扱うためには株主名簿の名義書換が重要で、税務ではここを「実行日」の強い証拠として扱われやすいです。
実務
以下を 年明け日付 で揃えるのがリスク最小です。
贈与契約書の日付:年明け(例:1/5)
株主名簿の名義書換:同日付で反映(会社の原本を更新)
株券発行会社なら株券の交付:同日付で受領書(受領証)も作成
取締役会議事録:
取締役会設置会社なら「譲渡承認決議」を年明け日付で
非設置なら「株主総会」または「取締役の決定」など、会社の機関設計に合わせる
※ここは会社の定款と機関設計次第なので、形式を誤ると揉めます(税務以前に会社法リスク)。
ご質問への回答(いま成立している?)
議事録+贈与契約書が年内日付で完成しているなら、年内贈与と主張され得ます。
「年明け贈与」のつもりなら、年内に“実質的に移転した形”を作ってしまうのは危険です。
例:株主名簿を年内に書き換えた/配当の受取人を変えた/議決権行使を息子にさせた 等
ご回答くださり、ありがとうございます。
分かりやすく、私の考えていなかった事まで知れて、非常に参考になりました!
追加で教えていただきたいのですが、株主名簿の名義書換は誰に依頼するものなのでしょうか…?
良波嘉男
おすすめは司法書士かなと思います!登記、行政への手続等は私はいつも提携している司法書士の先生に依頼しております。
ご回答くださり、ありがとうございます。
司法書士さんに依頼する事にします!
本投稿は、2025年12月28日 14時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







