【暦年課税か相続時精算課税か】祖母から贈与された教育信託の残額の申告
10年以上前に祖母から教育信託を贈与されましたが、2025年に解約しました。
使いきれなかった残高が約800万円あり、よって2026年2月に贈与税の申告をする予定です。
これについて、暦年課税制度ではなく相続時精算課税制度を選択した方が節税になるのでは?と思案しておりますが、下記の理解で間違いないでしょうか。
(なお、今後追加で祖母から贈与を受ける予定はありません。)
…………
暦年課税制度(特例税率)を選択した場合、2026年に約120万円の贈与税を支払うことになる。
一方で、相続時精算課税制度を選択(申告時に相続時精算課税選択届出書を提出)した場合、教育信託残高は約800万円(2500万円未満)のため贈与税は生じない。
また将来祖母が亡くなった場合も、祖母の財産を相続するのは父や叔母(祖母の子供達。祖父は既に他界)であり、孫である私が祖母から相続する財産(贈与財産額約800万円に合算される相続財産額)は無し。
よって祖母が亡くなった際、相続税は生じず、相続税の申告ほか一切の手続きが不要。
つまり相続時精算課税制度を選択すれば、教育信託残高について贈与税も相続税も全く支払わなくて良い。
…………
上記の理解で合っておりますでしょうか。
勤め人ゆえ税金関係の手続き等を自分で行なった経験が乏しく何かと不勉強ゆえ、ご教示頂きたい次第です。
何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答
良波嘉男
相談者様のご理解は一部正しく、一部誤りです。相続時精算課税を選択すれば2026年の贈与税は0円(2500万円控除内)になりますが、祖母死亡時にあなたが相続人でない場合、相続税申告義務は生じず税金もかかりません。
暦年課税の場合
教育信託解約時の残額800万円は「管理残額」として2025年分の贈与税対象。
直系尊属特例税率適用で、基礎控除110万円後約120万円税額は妥当(追加贈与なし前提)。申告期限2026年3月15日。
相続時精算課税の選択可否
解約時申告で「相続時精算課税選択届出書」を初提出すれば、この800万円に適用可能(遡及不可だが新規選択OK)。
2500万円控除内なので贈与税0円。祖母生存中は追加贈与も非課税(予定なしOK)。
祖母死亡時の扱い
相談者様(孫)が祖母の法定相続人でない場合(父・叔母が相続人)、相続財産に800万円加算されず、相談者様に相続税負担なし。
加算は祖母の相続税総額計算時のみ(父等が申告)。相談者様は納税義務者にならず、手続き不要。
選択の推奨
相続時精算課税選択で贈与税0円+相続税実質無負担となり、暦年課税より有利。
ただし、祖母死亡後3年以内追加贈与は相続税加算リスク(該当なし)。申告前に税務署相談かお近くの税理士に確認するのがよろしいかと思います。
良波先生
お忙しい中、非常に分かりやすく丁寧にご回答くださり、本当にありがとうございます。とても助かります。
相続時精算課税を選択した場合、将来祖母が亡くなった際に、私自身の負担はなさそうですが、
祖母の法定相続人である父(や叔母)が相続する財産に当該800万円が加算されてしまい、またその申告や納税の義務も父達に課されてしまうのですね。
その点を見落としておりました。大変お恥ずかしい限りです。少し考えてみます。
ところで、追加の質問で誠に恐縮なのですが、「e-Tax」にてスマホで贈与税の申告書を作成する際、
「贈与を受けた財産の種類/細目/利用区分」等の入力欄に、「(直系尊属から非課税の一括贈与を受けた)教育資金の管理残高」というような選択項目はあるのでしょうか。
もしそのような選択肢がない場合、単に「金銭信託」等を選択して申告を進めることになるかと思いますが、
暦年課税を選択した場合、一般的な財産と教育資金の管理残高とでは税率が異なる場合もあるのではと少し気がかりです。
国税庁の案内(下記URL)を参照しましたがよく分からないためお伺いする次第です。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/tebiki2025/pdf/manual_01.pdf
もっとも、申告期間開始の2月2日以降に実際にe-Taxにログインして試してみれば分かるはずので、お心当たりがなければ本件はご放念ください。
このたびはどうもありがとうございます。
良波嘉男
教育資金の管理残高専用の選択肢はありませんが、暦年課税時は「金銭信託」等を選択し、摘要欄で特例明記により直系尊属特例税率(120万円税額)が正しく適用されます。
e-Tax入力方法(贈与税申告書作成コーナー)
国税庁「確定申告書等作成コーナー」(スマホ対応)で贈与税を選択後、
「贈与を受けた財産の種類/細目/利用区分」
種類 「その他」
細目 「金銭信託」または「信託受益権」
利用区分 空欄or「教育資金管理残高」
必須添付 信託解約証明書・残高証明、非課税適用時「非課税適用申告書」コピー
摘要 「教育資金一括贈与非課税特例の管理残額800万円(契約終了2025年○月)」
これでシステムが直系尊属特例税率を自動適用(一般税率と差異なし)。
税率差異の懸念について
教育資金管理残額は「暦年課税の一般贈与財産」扱い。直系尊属特例(祖母→孫)が適用される限り、一般税率(800万円で20%超)と変わりません。
特例適用 基礎控除110万後690万 → 約120万円税(正しい)
紙申告同様、e-Taxも摘要・添付で判定
2/16開始のマイナンバー方式e-Taxで試せます。不明時は税務署電話相談を推奨いたします。
良波先生
ご多忙のところ大変詳細に分かりやすくご教示いただき、重ね重ね御礼申し上げます。税金関係に何かと不勉強な身にて、お力添えいただき心強い限りです。
教育資金管理残額は「暦年課税の一般贈与財産」扱いであるが、摘要欄での特例明記により直系尊属特例税率が適用されるもので、いずれにしても税率の差異は生じないとのこと、承知しました。
今回の贈与税の申告における必須の添付書類は、私の戸籍謄本および祖母の子である父の戸籍謄本(受贈者である私が、成人であり、贈与者である祖母の直系卑属であることが分かる証明書)であると考えておりましたが、
実際は【信託解約証明書・残高証明、非課税適用時「非課税適用申告書」コピー】を要するとのこと、ご教示くださり御礼申し上げます。
【信託解約証明書・残高証明、非課税適用時「非課税適用申告書」コピー】は私の手元にはなく、金融機関側が保有しており、金融機関側から税務署へ提出されたようですので、追って確認してみます。
ところで、マイナンバー方式e-Taxは2/16(月)開始なのでしょうか?
税務署による案内(下記URL)には「令和7年分の贈与税の申告書の受付は、令和8年2月2日(月)から」とあるため、2/2(月)からe-taxにログインできるものと思っておりました。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/tebiki2025/pdf/001.pdf#page52
なにぶん税金関係の手続きに不慣れなもので、恐れ入りますが何卒ご教示のほどお願い申し上げます。
最後に、教育資金の契約終了日(管理残高約800万円の贈与を受けたと見なされる日)を確認させて頂きたく存じます。
私は2025年に30歳になったため当該教育信託を解約いたしました。
教育資金の契約終了日は、私の30歳の誕生日でしょうか?
それとも、金融機関にて実際に教育信託の解約手続きを行なった日になりますでしょうか。
ご多用中たびたびのお伺いとなり誠に恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
良波嘉男
令和7年分贈与税のマイナンバー方式e-Taxは、申込受付期間の令和8年2月2日(月)から利用可能です。確定申告(所得税)の2月16日開始とは異なり、贈与税は2月2日から対応しており、作成コーナーでのログイン・提出がこの日から行えます。
教育資金契約終了日
教育資金一括贈与非課税の契約は、原則として受贈者(相談者様)が30歳に達した日で自動終了し、これが課税対象残高(約800万円)の贈与と見なされる日の基準となります。金融機関での解約手続き日は証明書類取得に必要ですが、課税日は30歳到達日です。
回答は以上とさせてください
良波嘉男先生
お忙しいところ何度も、早急かつ詳細にご教示くださいましたこと改めて深謝申し上げます。
e-Taxの贈与税申告の利用開始日および教育資金契約終了日について承知しました。
税金に関わる手続きの経験が乏しく不安であったところ、良波先生のお力添えのおかげで大変助けていただきました。
確定申告の時期が近づき、ひときわご多忙を極める折かと思います。また、冷え込む日が続きますので、何卒ご自愛くださいませ。
本投稿は、2026年01月09日 14時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







