贈与の一部返金について
不動産取得を目的とし、昨年2度にわたり親からの資金提供(430万円+65万円の総額495万円)を受けました。
その後初期費用として約330万円を充当しましたが、残金を親に返金したいと考えております。
このような場合、贈与額約330万円としての申告は可能でしょうか?
贈与は平成30年、返金(約165万円)はこれからの予定ですが、平成31年になります。
税理士の回答
客観的な見方での回答をさせていただきますと、一度は495万円の贈与が成立したわけでしょうから、平成30年の贈与税申告は495万円とすべきです。
なお、165万円の返金は親御様への贈与と認められる可能性がありますのでされない方がよいでしょう。なお、もし将来、親御様が万が一の場合、相続税が課税されない財産額であることが予想されるのであれば、相続時精算課税制度の活用が有効です。
中田先生
ご回答有り難うございます。
追加の質問です。
仮に平成30年に495万円の贈与を受け、平成30年のうちに165万円の返金が出来ていたとしたら、330万円での申告で済んだのでしょうか?
いいえ、495万円の贈与が成立した後、同年内に165万円を返金したとしても495万円の贈与のほか165万円の(逆)贈与と認定されることになりえます。
中田先生
先生のお考えは、法に則った間違いのない方法、という認識でよろしいでしょうか?
つまり、お金の流れをきちんと申告するという事です。
当サイトで私と似たケースの質問に対する他の税理士の回答は、返金問題無し、としているものがありますが、それでは後々税務署から突っ込まれる可能性が高いのでしょうか?
民法第549条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
贈与は「あげます、もらいます」と双方の意思が一致して成立します。
ご質問者様の文章から、贈与が成立したと判断して回答いたしました。
贈与が成立した額のうちの一部を余ったから返したとしても贈与は取り消されないということです。もともと贈与が成立していないということであれば、回答は根本から変わります。
確かにこういったご質問は多いようですが、最終的には、税務署が親御様からご質問者様へのお金の流れを贈与ではないかとした場合に、ご質問者様が返金分は贈与ではないと主張できるかということです。
中田先生
不動産取得に際しての領収書の存在や、銀行口座に残された金銭のやり取りの記録により、間違いなく残金が出た、と言える状況と考えております。
ただ申告書作成においては、返金という考えが通用しづらい印象を受け、また、財産取得年月日を正しく申告しなければならない書式になっていた為、このような質問をした次第です。
つまり495万円の贈与を330万円と申告する方法が困難と思われました。
それを可能とする申告方法はあるのでしょうか?
ないのであれば潔く495万円の贈与として申告するつもりです。
ご回答お待ちしております。
ご満足いただける回答にならなければ申し訳ありませんが、495万円を受けた時点で双方に贈与の認識があればその時点で贈与が成立しているということで、残金が出て返金したとしても、その贈与は取り消されないということです。330万円の贈与契約書をさかのぼって作成しておけば良いという人もいるかもしれませんが、495万円の贈与を330万円と申告する方法はありません。(例えば、「495万円の仮払いを受け、初期費用充当額を贈与額とし、残金が出た場合は返金する。」といった贈与契約であれば330万円申告も可能だったかもしれません。)
中田先生
遅い時間までご丁寧に有り難うございます。
契約書の作成も親子関係とはいえ、事前に公の機関を通して行わなければならないものですね?
先生のご助言に従い、ありのままの額で申告致します。
本当に有り難うございました。
契約書は、家族間であったとしても、例えば公証人役場で作成するまでもありません。家族間で作成し保管しておけば十分です。
中田先生
ご回答有り難うございます。
しつこくて申し訳ありません。
乱暴なやり方ではありますが、事後であっても適当な契約書を作成してしまえば良い、ということですか?
(いつ作成されたかなど、誰も調べようがありませんよね?)
つまり495万円を330万円で申告出来る、ということになってしまうと思うのですが?
財産取得年月日及び金額も申告者の都合の良いように記載して良いのですか?
先生のお立場からははっきりそうとは言いづらいということでしょうか?
国税庁が個人の金銭の流れや銀行口座を調べるケースは稀なのですか?
むしろ事後で契約書を作成してはいけませんと申し上げています。
贈与税などの申告額が適正かどうかを検討するために、税務署が申告者及びその家族の預金口座を調査することはあります。
中田先生
では、贈与税の申告に際しては、私のケースで「特例贈与財産分」の項目で、戸籍謄本を添付書類として申告し、納税、という流れでよろしいのでしょうか?
おっしゃるとおりです。
最初に申し上げましたが、親御様が万が一の場合、相続税が課税されない財産額であることが予想されるのであれば、相続時精算課税の活用が有効です。
中田先生
昨日の遅い時間からご丁寧に有り難うございました。
当方、税制に疎く、またこのような申告も始めての為大変参考になりました。
本投稿は、2019年02月13日 20時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。