両親死去後に、母からだと思っていた贈与が父からかもしれないとわかった場合
8年前に父が亡くなりました。
相続人は兄と私と母の3人ですが、母が全額相続したので
配偶者特例で申告を済ませています。(全額非課税)。
母が数ヶ月前に亡くなりました。
実家の整理中に父の通帳が出てきたので改めてみていると
亡くなる1年前に数百万の引出がありました。
私は父と折り合いが悪かったのですが、ちょうどその頃から
母から数年にわたり、100万ずつ贈与を受けていました。
私は母からだと思っていたのですが、ひょっとしたら父が母に渡して、
母が私に渡してくれたのかもしれません。
その場合、父からの贈与として申告をし直す必要があるのでしょうか?
税理士の回答

竹中公剛
お父さんとお母さんの通帳の動きを見て、
事実に沿って、申告をします。

米森まつ美
回答します
前提として
相続税の計算は、3年前の贈与の額も含めたところで計算します。
なお、贈与税の申告をしていた場合は、その贈与税として納めた税額は、相続税の税額から控除されます。
1 貴方の贈与税の申告について
贈与の金額が毎年100万円との説明でしたので、非課税枠(110万円)の範囲であるため貴方の贈与税の申告は必要なかったと思われます。
2 お父様の相続税の申告
『お父様の無くなる1年前(9年前)から、100万円が毎年お母様から贈与されていた。』とのお話でしたので
9年前と8年前はお父様からの贈与であった可能性があります。
そして、その贈与された額は、本来であればお父様の相続税の申告時に含める必要があったと解されます。
しかし、すでに相続税の申告期限から7年近くが立っていますので、相続税の時効は成立していると思いますので、いまから修正申告などを提出する必要はありません。
3 お母様の相続税の申告
お父様の財産はお母様にすべて相続されたようですので、7年前からは、「お母様から貴方に100万円の贈与」があったと解されます。
そのため、お母様がなくなる3年前から頂いた贈与の額を、お母様の相続税の申告の際に含めないといけません。
なお、お母様の相続税の申告はこれからでしょうが「遺産分割協議者」は作成されましたか。
通常「遺産分割」の際には、死亡時の「遺産」の額だけではなく、それ以前に被相続人から受けた利益(特別受益)も前提にして、分割協議を進めていくことになります。
例えば、
ある人が死亡し、法定相続人はお子2人(A・B)で、相続財産額が1000万円の時
法定相続分で分割すると500万円ずつになりますが
「A」は家を建てた際に、500万円の援助(特別受益)をしてもらったとします。
「B」はそのような援助がなかった時
特別受益分も含めて、それぞれが相続する金額等を計算します
遺産 1000万円 + 特別受益 500万円 = 1500万円
1500万円×1/2=750万円 となるため
「A」は
750万円 - 500万円 =250万円 ※特別受益分を除いて相続財産を決める。
「B」は
750万円 - 0円 =750万円 と計算ができますので、これを基に「遺産分割協議S書」を作成することになります。
このように単純な計算にはならないかと思いますが、遺産分割の際には注意が必要となります。
なお、お兄様も同様に毎年100万円の贈与を受けていた場合は、特に問題にはならないと思いますが、場合によっては弁護士先生に相談の上遺産分割をされることをお勧めいたします。
3年前の贈与を相続税の計算上加算することについては
国税庁HPの説明箇所を添付します
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm
捕捉します。
相続開始の前3年間の贈与を相続財産に加算するのは、相続によって財産を取得した人に限られます。
お父様の相続に関して質問者が財産を取得していない場合には、お父様の相続税に変更はありません。
ご回答、ありがとうございます。
米森先生の回答の中で、
「通常「遺産分割」の際には、死亡時の「遺産」の額だけではなく、それ以前に被相続人から受けた利益(特別受益)も前提にして、分割協議を進めていくことになります」
とありましたが、
この「それ以前」というのは、何年前まで遡るのでしょうか?

米森まつ美
回答します
「それ以前」には特に期限はありません。
とはいえ相続人(特に子供間)における「差」に着目され主なものとしては
一人は私立だがもう一人は公立の学校だった時の 金額の差
一人は大学まで行かせてもらえたが、もう一人は短大や専門学校だった
その他、結婚資金、家の購入費用の助成の有無、贈与の有無 等が言われています。
参考にしてください
本投稿は、2022年06月10日 13時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。