役員報酬 未支給の場合
業績悪化の為、役員報酬を9月~12月までは支給できたのですが、以降支払いができない状態の場合、決算を行う際、計上はしなくても大丈夫でしょうか。
ご教授お願い致します。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
はい。計上しない経営判断は任意で可能です。
ただし、ご質問の前提で決算月や総会での改定時期が不明ですが、9月~12月まで支給された役員報酬について、一部につき損金算入することが、基本的にはできなくなります。
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補足)
業績悪化改定事由に該当すれば、減額前も減額後も定期同額給与と扱われて損金算入が認められる場合として、以下のような一例が示されていますので、質問者さまのケースにおいて業績悪化改定事由に該当するか、一度ご検討されることをおすすめ致します。
法人の一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったことなどはこれに含まれないことに留意する(法基通9-2-13)とされている一方で、
法人税基本通達の逐条解説では、経営の状況の著しい悪化の具体的な事例として、以下のような状況が示されています。
・従業員の賞与を一律カットせざるを得ない状況
・家賃や給与等の支払が紺内となりと取引銀行や株主等との関係からやむを得ず役員給与等を減額しなければならない状況
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また、国税庁「役員給与に関するQ&A 」では以下のような例も示されています。
・取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合
・取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合
・現状では売上などの数値的指標が悪化しているとまでは言えなくても、役員給与の減額などの経営改善策を講じなければ、客観的な状況から今後著しく悪化することが不可避と認められる場合
参考)
国税庁「役員給与に関するQ&A 」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
「役員報酬を支払えていない」のか、「役員報酬そのものを減額・0円に変更した」のかで処理が異なります。
例えば、毎月10万円の役員報酬と決めているケースで考えてみます。
◆① 毎月10万円のまま、1月~3月分を資金不足で支払えなかった場合
役員報酬の金額自体を変更しておらず、会社に支払義務が残っているのであれば、支払っていないから計上しないという処理にはなりません。
1月~3月分の30万円は、未払の役員報酬として計上します。
1か月分であれば、
役員報酬 100,000円 / 未払金等 100,000円
といった処理になります。
◆② 1月から役員報酬を10万円→0円に変更した場合
株主総会等で将来の役員報酬を0円に変更したのであれば、変更後の1月~3月分について30万円を未払計上するということにはなりません。
ただし、事業年度の途中で役員報酬を減額する場合には、法人税上の「定期同額給与」の要件を満たすかを別途確認する必要があります。
経営状況が著しく悪化し、やむを得ず役員報酬を減額せざるを得ない事情がある場合には「業績悪化改定事由」に該当することがありますが、単なる一時的な資金繰りの都合だけでは該当しません。
◆まとめ
したがって、今回の場合はまず、
「役員報酬は10万円のままで、単に未払いになっているのか」
「将来の役員報酬を0円に変更したのか」
を分けて考える必要があるかと思います。
ご回答ありがとうございました。
8月決算の法人で、令和7年9月~12月までは何とか支払いができたのですが、
令和8年1月以降、業績悪化の為、5月~休業をすることとなり届け出も提出いたしました。
ですので、令和8年1月~4月までの報酬が払えそうにもないのでとの質問でした。
一部につき損金経理が出来ない、一部とはいくらくらいなのでしょうか。
また、未払い報酬に計上しても恐らく復帰のめどはたたないかと思いますが、それでも未払いと
して計上しておいた方がよいのでしょうか。
ご教授お願い致します。
山本快夫
たとえばとなりますが、業績悪化改定事由に該当せず、単なるゼロ円に変更した場合は、10月の定時総会で変更後の役員報酬×支給月分が損金不算入となります。
未払計上しておいたほうが良いか悪いか...とは簡単に決めることはできません。
しかし、単なる資金繰りが原因の場合は、未払計上して様子を見る経営判断が多いです。
また、将来の退職金算定にも影響を及ぼすことから、軽々には役員報酬を下げない判断が多いです。
とはいえ、ご質問の前提において詳細が不明ですが、個人的には、まだ数ヶ月で済むうちに、損金不算入を受け入れても、当面の間は不支給という経営判断も有効だと考えます。
宜しくお願い致します。
詳細をありがとうございます。
今回のケースでは、1月~4月分の未払いと、5月以降の休業後の役員報酬を分けて考えるのがよいです。
◆1月~4月分について
1月~4月について、役員報酬を減額・停止する決議をしておらず、それまでと同じ金額の役員報酬を支払うことになっていたのであれば、資金不足で実際に支払えていなくても、基本的には未払役員報酬として計上します。
今後支払える見込みが薄いというだけで、すでに発生している支払義務がなくなるわけではありません。
そのため、現時点で支払義務が残っているのであれば、まずは未払役員報酬として処理するのが基本です。
なお、将来その未払分を支払わないこととする場合には、法人側の債務免除益や役員個人側の所得税など、別の税務上の論点が生じますので、ここは別途検討が必要です。
◆5月以降について
8月決算法人の場合、5月の役員報酬の変更は、通常の役員報酬の改定時期を過ぎています。
そのため、5月時点で役員報酬を減額または0円にする決議をしていたのであれば、その変更が「業績悪化改定事由」などに該当するかを確認する必要があります。
今回のように休業に至るほど業績が悪化しているのであれば、業績悪化改定事由に該当する可能性はあります。
ただし、休業届を提出したことだけで自動的に認められるわけではありません。
国税庁では、例えば、金融機関との返済条件の見直しに伴って役員報酬を減額せざるを得ない場合や、取引先等との信用維持のために作成した経営改善計画に役員報酬の減額を盛り込んでいる場合などを例示しています。
今回も、売上の減少、資金繰りの状況、休業に至った経緯などから、役員報酬を減額・停止せざるを得なかった事情を確認することになります。
一方、5月時点で役員報酬を変更する決議をしていなかったのであれば、現在になって5月にさかのぼって0円に変更したものとして処理するのではなく、当初決めた役員報酬の支払義務がどうなっているかを整理する必要があります。
◆「一部が損金にならない」とはいくらか
これは、実際に役員報酬を減額したものの、その減額が法人税上認められる改定に該当しなかった場合の話です。
国税庁の取扱いでは、この場合、減額後の役員報酬額を基準として、減額前にそれを上回っていた部分が損金不算入となります。
例えば、月20万円の役員報酬を5月から0円に変更し、その変更が業績悪化改定事由などに該当しない場合、9月~4月の8か月について、
20万円 × 8か月 = 160万円
が損金不算入となるイメージです。
1月~4月分が実際には未払いであっても、役員報酬として支払義務が残っているのであれば、この判定から外れるわけではありません。
ただし今回については、最初から「一部が損金にならない」と決めるのではなく、5月時点で実際に役員報酬を変更する決議をしていたか、その変更が業績悪化改定事由などに該当するかを先に確認することが重要です。
そのため、
・毎月の役員報酬額
・5月時点で役員報酬を減額・0円とする決議をしていたか
・その議事録等があるか
・休業に至った業績や資金繰りの状況
あたりを確認したうえで、損金算入できる金額を判断することになります。
ご回答ありがとうございました。
未払計上をする場合、8月決算ではありますが、5月以降は休業をしているので、1月~4月までを
未払にすることで、「定期同額給与」に該当しまでしょうか。
山本快夫
休業・事業活動停止という事情があれば、ゼロ円に変更しても、変更前までの役員報酬は損金算入できます。
そのため、無理に未払計上する必要はございません。
宜しくお願い致します。
山本快夫
休業が5月~でしたね。
その場合は、保守的に1~4月は未払計上することをおすすめ致します。
宜しくお願い致します。
何度もご丁寧にありがとうございます。
1~4月は未払計上いたします。
その際は、未払ということですので源泉所得税は徴収しなくても宜しかったでしょうか。
ご質問の点、整理すると以下のとおりです。
◆1月~4月分について
役員報酬の金額を変更しておらず、会社に支払義務が残っているのであれば、1月~4月分は未払計上する形でよいかと思います。
◆5月以降を0円にする場合
5月以降、休業に伴って役員報酬を0円に変更しているのであれば、その変更について株主総会等の必要な手続を行い、議事録などを残しておくのがよいです。
なお、期中で役員報酬を0円に変更した場合に、変更前の役員報酬まで法人税上「定期同額給与」として損金算入できるかどうかは、休業の状況や役員としての職務内容などによって判断が変わります。
そのため、「休業したため0円に変更した」という事情だけで一律に判断するのではなく、実際の状況に応じて確認する必要があります。
◆未払役員報酬の源泉所得税について
1月~4月分の役員報酬を全額未払としている場合、源泉所得税は原則として実際に支払う際に徴収します。
そのため、未払計上した時点で直ちに源泉所得税を徴収・納付する必要はありません。
一方、年末調整を行う場合には、1月~4月分の未払役員報酬も年間の給与に含めて計算します。
実際に支払っていなくても、その年中に支給時期が到来し、支払が確定している給与は年末調整の対象となるためです。
よろしくお願いいたします。
山本快夫
正しくは、実際に支払ったときに源泉徴収することになるため、源泉徴収は不要ですが、
源泉税の納付タイミングの管理の実務上の理由と、定期同額として役員報酬を確定させたい理由から、いったん支払ったうえで借入により戻してもらう形とし、源泉徴収するケースが、個人的には多いです。
宜しくお願い致します。
何度もご対応いただきありがとうございます。
同じことの繰り返しで大変恐縮です。
1月~4月までは未計上対応をしようとは思っておりますが、仮に1月~4月を減額0円とした場合は、
令和7年9月~12月に支給した分は、全額損金不算入として加算することになるのでしょうか。
その際、科目内訳書の記載は、定期同額給与0円になるということで宜しかったででょうか。
山本快夫
基本的には、損金不算入となります。
しかし、個人的には、5月に事業活動停止に至りますので、1月時点で業績悪化改定事由の著しい経営悪化状況に陥っていると判断でき、損金算入できる余地はあると考えます。
なお、損金不算入とした場合は、質問者さまのご認識のとおり、定期同額給与ゼロと記載することになります。
あと、9~12月分ではな、前期から続き、定時総会で改定されすまで(たとえば9・10月分)は損金算入可能です。
宜しくお願い致します。
まず、「1月~4月は未計上」とのことですが、1月時点で役員報酬を0円に変更する決議をしておらず、支払義務が残っているのであれば、1月~4月分は未払役員報酬として計上することになります。
一方、仮に1月から役員報酬を0円に変更していた場合は、その変更が「業績悪化改定事由」などに該当するかで取扱いが変わります。
該当しない場合は、減額後の0円を基準として、減額前に支給・計上した役員報酬のうち、その0円を超える部分が損金不算入となる考え方です。
ただし、9月~12月分がすべて損金不算入になるかは、10月の定時総会で決めた役員報酬を何月分から適用したかによって変わります。
また、役員給与等の内訳書も、単純に「定期同額給与0円」とするわけではありません。
実際に計上した役員給与のうち、定期同額給与に該当する金額と、それ以外の金額を分けて記載し、損金不算入額は別表四で加算します。
そのため、
・10月の定時総会の日付
・その総会で決めた役員報酬額
・その金額を何月分から適用したか
・0円への変更決議をいつしたか
を確認できれば、具体的な損金不算入額まで整理できます。
ご丁寧にお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。
仰りますように、1月~4月までは未払報酬として計上し、5月以降は0円と致します。
科目内訳書には、令和7年9月~令和8年4月までの報酬額を定期同額給与に記載いたします。
とても勉強になりました。
山本快夫
少しでもご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年09月09日 16時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







